東京都世田谷区内のごみ集積所から古新聞を勝手に持ち去ったとして、区清掃・リサイクル条例違反の罪に問われた古紙回収業者の男(37)ら3人の控訴審判決で、東京高裁の中川武隆裁判長は10日、1審東京簡裁の無罪判決を破棄、それぞれ求刑通り罰金20万円を言い渡した。弁護側は上告する方針。
古新聞持ち去りをめぐっては計12人が起訴され、1審東京簡裁ではうち7人が無罪、5人が罰金刑と判断がわかれた。控訴審で逆転有罪になったのは初めて。
3被告とも持ち去りの事実を認める一方、「区条例は廃棄物処理法に違反する」「刑罰を科す合理性がない」などと条例の欠陥を主張。1審判決はこの主張を認めていた。
中川裁判長は、区の指定業者以外に回収を禁じた区条例について、廃棄物処理法に違反しないと判断。「区民が出す資源ごみは、区の管理、所有に委ねる意思でごみ集積場に置かれている」と指摘し、「指定業者以外の持ち去りは横取りで、区や区民の所有権を侵害する行為」と結論付けた。
【関連記事】
・
古紙回収、逆転有罪 「指定以外は“横取り”」
・
マンション暮らし、快適にする秘訣とは?
・
中国の需要増…「段ボール」原紙値上げへ
・
おしりを拭いて応援だ! 富士山の世界遺産入り
・
【ランキング】消える?消えない?紙の新聞