スイス・ローザンヌ――国際オリンピック委員会(IOC)は10日、チベット支援グループと会い、来季の北京夏季五輪への独自のチーム派遣の要求を退けた。「チベット・オリンピック委員会」のメンバーで、IOC本部前では仏教僧を含む100人以上の支援者が垂れ幕などを掲げ、気勢を上げた。
チベットは中国の自治区だが、分離運動などが依然、くすぶっている。IOCは、独自選手団の派遣拒否の理由について、国際社会に認知された諸国のオリンピック委員会だけが五輪に参加出来るとした1996年の規定を根拠にしている。
チベット支援グループの代表者は、IOCの決定に対する不満を示し、「中国の占領下にあるチベット住民に希望を与えたかった」と述べた。チベット出身の選手は世界中に約30人おり、全員が難民だという。