2004.2.22
このpart8もHTMLファイルサイズで90KBを越えた。このサイズになると「ホームページビルダー」が重くて使い物にならなくなってくる。そろそろpart9に移行することにする。part9の始まりは、中途で終わっているエレクトリックマイルス完結編の予定だ。
2004.2.21
昨夜は夜10時ごろからBigBlockで Missing Persons "Spring session M"
を聴いて604-8Hと比較し始めたのだが、二曲ぐらい聴いたところで意識不明。目覚めたら朝の4時であった。ちょっとお疲れ気味である。こんな夜中に起きてもやることもないので、しかたなくネット散策などを行うが、これがまたくだらないこと夥しい。
もちろん、オーディオサイトだからといってオーディオネタなど毎日あるわけはないが、更新がとだえて実体は掲示板のみになっていたり、誰々宅を訪問しましたとか、誰々さんがお越しになりました、やっぱりオーディオやってていろんな人に出会えて良かった、とか、あんたのとこは「出会い系サイト」か?とい言いたくなるようなのばっかりである。ご丁寧にもむさくるしいオヤジ連中の顔写真入りのところもある。個人のプライバシーなどおかまいなしだ。そんなもん他人が読んでなにが面白いというのか?
と、まあボヤキはこれぐらいにして(笑)、今日は昼休みに再びエアー・タイトのパッシブATTに戻したのであった。再接続するとなぜかVRは正常に戻っている。おかしな現象である。いつものように-12dB付近までVRを上げて丁度の音量だ。だが、この原因不明状態だと、何時いきなり再び症状が出て超爆音状態になるかと思うと恐ろしい。-58dBで十分な音量なら-12dBなら確実にSPは破壊されるに違いない。いきなりそんな超爆音状態になれば心臓麻痺を起こしても不思議ではない。はたして大丈夫であろうか?
やはり音はこっちの方が数段良い。全域に渡って音に鮮度があり、これを聴くとL-07CUを通すと曇りがまじっているのがよくわかる。なんとなく焦点がボケてしまうようになる。特に低域の違いは大きい。エレキベースやバスドラで風圧を感じるか感じないかぐらいの違いはある。やっぱりL-07CUはボツである。
2004.2.20
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エアータイトが不調なので、今度はTRIO L-07CUを引っ張り出してきた。約二ヶ月ぶりである。
前回は低域に力がない、ということでボツになったのだが、今はXP3000ブリッジで低域も強化されている。例のBradmehldauを聴く限りは問題の低域もあまり気になることもなく聴くことができた。
従来からのなかなか艶のある中高域は不変である。どうせたいした時間聴くわけでもないし、もう604-8Hはこれぐらいでいいかな・・、などと思ってしまった。
標準サイズの幅を持ったL-07CUは、やはりラックに入れた時に収まりが良い。幅の狭いエアータイトだとなんとなく落ち着かないのだが、これだと安心した気分になる。デザインもよく見るとなかなか凝っている。微妙に左右非対称なところが良いではないか?見た目でオーディオをやるわけではないが、不思議なものである。 |
瀬川冬樹氏が元インダストリアルデザイナーであったことは以前書いたが、遥か昔TRIOのサプリームシリーズのデザインを引き受けたのはあまり知られていない。あの(といっても知ってる人は少ないか)ワインレッドの色が瀬川氏の思うように出なくていろいろモメタらしい。そのせいかどうかわからないが、このL-07CU当時のTRIOのデザインには何度も瀬川氏は苦言を呈している。
L-07CとUのつかない前モデルのデザインは「なんとかならないか?」とこきおろしていたし、KA-9900も音は最高だと褒めていたが、「このデザインだととても手元に置いて使おうという気にはならない」とまで言い切っている。
ここまで書いて仕事終了。ところが→のMissing Persons "Spring session
M"を聴いたらこれが全然ダメ。Terry Bozzioのドラム命のこのアルバムのおいしいところがまったく出ない。スネアやタムが「ズ、ドン」とこなければいけないのに「ペシ・・、パシ・・」としか言わないではないか。(おそらく)ツインのバスドラも風圧が感じられなく「トントン」としか鳴らない。
やっぱりこのプリはダメか。こうなればA5のLUXMAN C9を持ち込んでみるしかない。このプリはバランス接続にすると低域に無類のバカ力を発揮する。高域はちょっとくすんだしっとりしたところがある。まるで15インチウーファー+ホーンドライバのシステムのためにあるようなプリアンプである。
「朝令暮改」とはまさにこのことであるが、604-8Hはやはりこまったちゃんである。イジイジ悩んでいても結局最後はプリを買うに決まっているのだ。それならさっさと買うにこしたことはないか。と書きつつ、なぜか今回は踏ん切りがつかない・・・。 |
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2004.2.19
ブリッジモノにしたPhonic XP3000で鳴らす604-8Hの音が果たしてどの程度のものか?検証すべく、例のThe
Bradmehldau Trio "Progression"を自宅のA5とBigBlockで聴き比べてみた。
実は、うっかりしていたのであるが、マニュアルによるとXP3000はステレオでもブリッジでもゲインは同じだという(ちょっと怪しいが)。ということは同じ入力だと計算上、ブリッジモノ(2000W)の方が、ステレオ片ch(600W)より3倍以上大きな音で鳴ることになる。これを勘違いしていて、ゲインが同じだから、同じ入力なら同じ音量だと思い込んでいたのである。だから最初の日に鳴らした604-8Hの低音は出すぎであったということだ。まったく「猿も木から落ちる」というか、「弘法も筆の誤り」とはこのことである(笑)。
→久々にSONY SO505iで撮影してみた。 |
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BigBlockの部屋とA5の部屋を順繰りに行き来しながら何回か試聴した。考えてみれば、こんな大型ホーンシステムを三つも所有して、好きなだけ聴き比べが出来るとは贅沢な話である。興味のない人にとってはALTECもJBLも区別がつかず、三つとも同じようなもかもしれない。ところが、この三種類のシステム、三つとも音が大幅に異なるところが面白い。高分解能、ワイドレンジで重厚なBigBlock、ナローレンジだが中低域が濃厚なA5、ややヒステリックだが以外に粘る604-8H。実際聴いてみなければこんな拙稚な表現ではまったく理解不能であるが、どれもが気に入っていることには変わりはない。結果は、
ベース
シンバル
ピアノ
ドラム
ステージ感 |
BigBlock >>> A5 >> 604-8H
A5 >> BigBlock >> 604-8H
A5 > BigBlock > 604-8H
BigBlock = A5 = 604-8H
BigBlock >> A5 = 604-8H |
ウッドベースは録音が古いと、A5の方が引き締まっていて良い場合がほとんどなのだが、今回のボコボコベースに関しては、BigBlockだとやはりダブルウーファーとアムクロンの威力発揮で音程も明瞭で大変良かった。ソロの部分になると俄然A5が精彩を放ってくるが。
シンバルはA5の圧勝である。音がブ厚いし重みがある。これはBigBlockの376や2450Jも敵わない。604-8Hの小型ドライバは比較するのも可哀相である。A5と比べるとシンバルの厚みがまるで1/10ぐらいにしか聴こえない。
ピアノはA5がしっとりとして落ち着きがあり好ましかったが、BigBlockも604-8Hもそれなりに重厚感があって悪くはない。
ドラムもフロントロードのA5が音離れが抜群で一番のお気に入りだが、BigBlockはバッフル面積が大きいから音像も大きく、その分リアリティはあって捨てがたい。604-8Hはなんとか聴けるかなというギリギリのレベルだ。
最後のステージ感は左右SPの距離が十分にあるBigBlockがよかった。目の前にほぼ等身大のステージが広がる。左右の間隔の狭いA5や604-8Hはこの点やはり不利なのはは否めない。
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こういう風に書くと604-8Hにはいいところがまったく無いようだが、まあJAZZに関しては正直言ってそのとおりである。A5と比べれてしまえば604-8HではJAZZは聴く気がしなくなる。なによりもシンバルが弱いというのは致命的だ。中低域の張り出しも弱いのでウッドベースやスネアも物足りない。やはりウーファーのフロントロードホーンも含めて大型ホーン、ドライバの威力は絶大であるということだ。
だが、ROCK系だとこれが以外にいい感じで鳴るのでやはり捨てがたい魅力がある。何度も書いているがROCK系の重いスネアやエレキベースがちょうど良いのである。私にとってはあんまり重要ではないが、ヴォーカルもくっきりしていて三つの中では一番良い。70年代〜最新の録音ものまで違和感なく鳴る。 |
まあ、考えてみれば二軍の装置ばかりあてがわれて不遇をかこっている604-8Hである。ここは1発、高級プリアンプでも奢ってやろうかと思っている。
iPOD 6967曲
2004.2.18
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ROCKやJAZZを愛するオーディオファン(オーディオファイルという言葉は嫌い。いかにも自称ハイエンドって香りがプンプンする)にとって、ピアノという楽器はなんとなく敬遠しがちな楽器である。ROCKならギター、ベース、ドラム、シンセだし、JAZZはウッドベースにシンバル、スネアがあってオマケにサックス。ピアノなんてのは刺身のツマにもなりはしない。ピアノトリオを聴くといっても、聴いてるのはベースがゴンゴンくるとか、シンバルの厚みが凄いとか、スネアがスコーンと抜けて脳天唐竹割り状態だとかのレベルである。ま、これが正しいオーディオJAZZROCKファンの姿であろう(笑)。
当然、クラシックの、しかもピアノ曲なんてのは眠くなるだけで面白くもなんともないと思っていた。ショパンとかリストとかベートーベンぐらいは聴いたことはあるけど。
そんな片肺飛行のようなオーディオライフの行く末を案じてか、我が音楽師匠の恵太クンが「これを聴け」といってラフマニノフののピアノ前奏曲集を貸してくれたのであった。 |
ラフマニノフなんて、あの有名なピアノコンチェルトしか聴いたことないし、曲ができなくてノイローゼになったとか、アメリカに移住(亡命?)したとかの与太話しか知らない。前奏曲って何?プレリュードってホンダのクルマにあったよな、というレベルである。
とにかく恵太師匠、鞄からCDを取り出すや否や、無理やりキャデラックのオーディオで聴かされる。演奏はアレクシス・ワイゼンベルク。聞いたこともない名前である。ハイゼンベルクなら知ってるけどね、ってジョーダンは音楽家の恵太師匠には通じない。
一聴してちょっと驚いた。豪華絢爛、スラブ調のいかにもロシアの広大な大地を思わせるスケールの大きい曲である。これと比べると、耳タコのショパンなんかは子供の練習曲に聴こえるし、ベートーベンはまるで自閉症の音楽だ。ノイローゼになったというラフマニノフの、なんとなくひ弱そうなイメージはまったくない。ピアノ一台でここまでの世界を構築するとはたいしたもんだ、と思った。
恵太クンの解説によると、曲によっては楽譜が部分的に四段になっているという。右手左手のパートが二つあるのだそうだ。これを一人で完璧に弾くには最高16本の指がないと弾けないとかなんとか訳のわからないことを言う。実際はどう弾くかというと、瞬間的に指をずらして弾くのだそうだ。ダダーンっていう感じに。なんじゃいそれは、である。インチキじゃないの?それだったら別に楽譜を四段にする必要もないのではないかい、なんてくだらないことを考えてしまった。
夜中の2時に無理やり送らせた問題の楽譜→。すべての音符にアクセントがついている。これなら最初から全部アクセントつけろ、って書いた方が話がはやい。 |
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クラシックの世界も奥が深い。私が知らなかっただけで、案外こういうのがピアノ曲の正統派なのかもしれないが。でも、やっぱりこういうのはBigBlockや604などでかしこまって聴こうとは思わない。なんとなくBGMとしてしか受け入れられない。演奏する人は、ここはこう解釈して(楽譜が決まっているから)、とか真剣に弾いているのだろうが、逆にあまりにも整いすぎてスポンテイニャスな魅力に欠けるのだ。やっぱり眠くなってくる、こういうのは(爆)
iPOD 6880曲
2004.2.17
NAOKさんがまたまたプリアンプを送ってくれたので試聴してみることにした。ご覧のようにバッテリー駆動である。前回のものもバッテリー駆動であったが今回は内部配線が銀線だそうだ。
前回のプリアンプも中高域は滑らかで悪くはなかったが、残念ながら低域に力がなくエアータイトのパッシブATTに軍配が上がった。もっとも、私の好みの音は相当低域に重心がないと満足できないので、これが普通なのかもしれない。NAOKさんによるとバッテリーの電力が減ってくると低域に力がなくなってくるらしい。今回のものは、別にAC電源もあり、充電しながらも使えるそうである。 |
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トラブル発生である。NAOKさんのプリアンプとつなぎ代えを何度かしてるうちに、エアータイトのヴォリュームがおかしくなってしまった。今までは-20dBぐらいで普通の音、-12dB以上で爆音といったレベルだったのが、←のように-58(?)dBぐらいでもう十分大きな音が出るようになってしまった。∞の位置ではちゃんと無音になるし、-58dBから上げるとちゃんと音が大きくなる。ヴォリュームとしての機能は生きている。この間、背面の端子からケーブルをはずして、また接続しただけである。ATTはまったく動かしていないし、なんでいきなりこんな風になるのか不思議である。ATT部分が短絡したのだろうか?そういう故障があるのだろうか?音が出ないとかだとまだわかりやすいが、こういうのはちょっと気持ち悪い。 |
2004.2.16
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今朝は二台のXP3000の電源をPS POWERPORTから直接取るように変更した。いずれやるつもりであったが、ちょっと面倒なので知らん顔をしようと思っていたのだ。急にやる気になったのは、↓のThe
Bradmehldau Trio "Progression"を早速自宅から持ってきてかけたら、なんとも締りのないボコボコのベースが出てきたからだった。 もともとこのトリオのベーシスト Larry Grenadierは、バッキングでは開放弦を多用するので、大型ウーファーで再生するとボコボコのベースになりがちである。そのかわりソロになって高弦を使いだすと、まるで深海から浮き上がってきたかのように突然音が明瞭になる。このソロが浮かび上がってくる瞬間がとてもスリリングで、一度聴きだすと、まるで中毒患者のように何度も聴きたくなってしまう。 |
早速音だしをしてみたが、予想に反して音が悪い。低域はちょっと締まったような気もするが、中高域が暗く、くすんだようになってしまった。残念ながらこれは失敗である。
原因ははっきりしている。XP3000以外の装置の電源は別の壁コンから取るしかないので、レヴィントンとオヤイデにまとめて、別のの壁コンからつないでいるOAタップに接続したのである。これも直接壁コンに接続したかったが、この部屋にはPC三台、ファックス、TA、スキャナetcなど電源を要するものが大量にあるので、直に壁コンにつなげることができない。どうしてもOAタップ(べつにこれでなくてもいいのだが)を介さないとコンセントが足りないのである。この貧弱なタップのせいでYAMAHA
B4などの音がくすんでしまったのだと思う。
元に戻してやるとやはりホーンらしい中高域の重みが復活した。低域の締りもなぜか悪くない。結局朝一の音の悪さの原因は、単にXP3000が暖まっていなかっただけだったかもしれない。
久々にヤフオクに参入、GAUSS HF4000をゲットした。でも程度悪し。外観はボロボロである。だが375より気合いの入った音がするというHF4000は一度は聴いてみたかったのだ。とりあえず376の予備にするとしよう。 |
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iPOD 6821曲
2004.2.15
ちょうど3年前の二月のことであるが、装置一式を処分してオーディオから足を洗ったことがある。私生活で思うことがあり、オーディオ三昧もクルマもやめることにしたのだ。もっとも宿病は止み難く、たった半年で再開してしまったのであるが・・・。
処分直前のラインナップは以下のごとくであった。
JBL 4355
CEC TL-1X
Victor XP-DA999
SONY TA-E1
Accuphase F20
Mark Levinson No.333L
Goldmund Mimesis 9 |
ALTEC A5(515B+288C)
+YL 181
CEC ST-930
Shure V15typeD
CEC TL5100
marantz Project D1
Mclntosh C40
Accuphase F25
ROTEL RB1080
Mclntosh MC2500
Spark 530 |
marantz Project D1やAccuphase F25など、現在の使用装置と同じ銘柄のものもあるが、別個体である。とにかくその時はケーブルからインシュレータまで全て売却してしまったのであった。
JBL4355はナゾ男氏を通じて茨城のK氏のもとに行き、A5は浜名湖のオコゼさんところに行ったのだが、これは半年後に無理を言って買い戻させていただいた。ある日、ミニコンポでスタンゲッツを聴いていたら無性にA5が聴きたくなって、勢いでオコゼさんに「返してください」なんて厚かましいメールを出してしまったのであった。その後、このA5は288C→288-16GとなりYL181ツイーターは不要となったのである。だから上記の装置で今も残っているのはA5の箱と515Bと311-90ホーンだけである。
その後どうなったかというと、A5は戻ってきたもののCDPもアンプもなにもない。とりあえずTEAC VRDS50とMclintosh C34V+Technics SE-A100などを入手し鳴らし始めたが、これが全然鳴らない。半年前の絶頂期の音からすると1/10ぐらいの情けない音しか出なくてガッカリした記憶がある。特に515Bをうまく鳴らすにはCDPもアンプもこれしかない、というツボがあって、VRDSメカのような力技で攻めてくるCDPはダメなのだ。
これと並行してJBL S3100MarkUも購入。こっちはマッキンMC2600+C40+Wadia21で鳴らした。275Ndは2450Jに似た中高域の艶のあるいい音だったが、いかんせん中域が弱い。ME150Hをパワーアンプ直結にして275Ndはネットワークを通して擬似バイアンプにしたり、2350+2440を足して3WAYにしたりしたが満足できずに半年で売却した。その後、4WAYマルチシングルウーファーのSmallBlockになり、その研究成果をふまえて一年後にBigBlockが誕生したというわけである。
リスニングルームのテーブルの下から箱に入ったCDの束を発見。その中にこの
The Bradmehldau Trio "Progression"があった。。発売直後に買って一回聴いたきりで行方不明になっていたのである。発売年度をみると2001年になっている。おそらく上記のオーディオ再開のころに買ったのだろう。
Bradmehldauはデビュー時から好きで、新譜が出れば欠かさず購入していたが、アナログがメインになってしまってCDを聴かなくなってしまうとともに、いつのまにか聴かなくなってしまった。やはりJAZZもROCKもアナログの方が数段いい音がする。
「○○邸は、アナログの方が音が良いと感じた非常に数少ない実例です。実際、口ではレコードの方が云々言う愛好家が多いですが、実際はCDの方がやはりイイ音の場合がほとんどです。」
こんな書き込みを某BBSで目にしたが、お気の毒なことです、と言うしかない。CDが「いい音」で鳴るなんて、一体音楽の何を聴いているのだろう?と思う。アナログと比べるとCDの音は、食堂のあのショーウインドに陳列してある蝋細工の見本のように聴こえる。本物という実在感がどうしても感じられない。アーティフィシャルなんて表現すると聞こえはいいが、しょせんは「人工的な」マガイものなのである。
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iPOD 6706曲 最近はサボり気味(++(
2004.2.14
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Phonic XP3000をもう一台購入して604-8Hのウーファー部をブリッジモノで鳴らしてみた。まだ十分聴きこんでいないのでなんとも言えないが、やはり予想通り左右の音場が広がり、低域に厚みが増したように感じる。が、2000W(8Ω、20Hz−20KHz)というスペックほどの凄みは感じられない。
問題は電源で、近くにある壁コンは2個口しかないのでPhonic二台を直につなぐと、他の機器の電源が取れない。幸いオヤイデのタップのケーブルが4mあるので、これを使って反対側の壁コンから電源を取るしかないが、面倒なのでまだやってない。今のところPhonicもレヴィントンのタップから電源を取っている状態だ。
電源の取り方で結構音は変わるので、仕事が終わったらやってみようと思っている。
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仕事が終わったので再度この状態で聴いてみた。ヴォリュームは久しぶりに思い切って上げてやった。
聴いたのはMiles davis "Bitches Brew"からタイトル曲の"Bitches
Brew"とEric Clapton "Martin Scorsese Presents Eric Clapton"からライブ"Spoonful"。どちらもベースがガンガン入った曲である。
聴いてビックリ、ヴォリュームを上げない時は気がつかなかったが、今までと比べるとベースが3回りほども太くなったかのような気がする。下のレベルが高すぎて上とのレベルが合ってないわけではない。その証拠にヴォーカルやギターは今までと変わりがない。ベースやバスドラだけが引き締まって音程も明瞭なママ、太く下までズーんと伸びている。不快なボンつきやビリつきはまったくない。普通、これだけベースが聴こえるようにEQなどで調整すれば中域にカブって |
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ヴォーカルなどが不明瞭になるものであるが、それがないのでいくらでもヴォリュームを上げられる。これは非常に気持ちがいい。XP3000一台税送料込みで¥74800。これでこれだけの効果があるとは、久々の大ヒットであった。
2004.2.13
昨日はエレクトリック・マイルスについて書くとか大見得を切ったものの、一体全体何から書いたらいいのだろう。とりあえず理系人間らしく言葉の定義から・・・
「エレクトリック・マイルス」
・・・1968年から1975年の一時引退までの期間、白人ROCKに対抗して、JAZZの帝王マイルス・デイビスが電気楽器を導入してロック、ファンク、R&B、ソウル、ラテン、フリーJAZZなどのさまざまな要素を抱合したトータルミュージックのこと。1981年の復活以降も電化サウンドを推し進めたが、大衆に迎合したPOPサウンドで、こっちは若干の侮蔑を含んで「シンセ・マイルス」と呼ばれる。・・・
ホントにあのころのマイルスは熱かったと思う。彼のプロミュージシャン歴は1945年〜1991年の約45年にわたるが、この時期の7年間が一番充実していたような気がする。1955年〜1959年も活動は盛んだったが、いまにして思えば既成のJAZZの単なる延長にすぎなかった。本当の意味での前人未到のサウンドを作り上げたという意味では、この時期がピークでなかったかと思う。
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サックス |
キーボード |
ベース |
ドラム |
ギター |
〜1968
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ウエイン・ショーター |
ハービー・ハンコック |
ロン・カーター |
トニー・ウイリアムス |
(ジョー・ベック) |
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↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
(ジョージ・ベンソン) |
|
↓ |
チック・コリア |
↓ |
↓ |
なし |
1969 |
↓
(+ベニー・モウピン) |
↓
(+ジョー・ザビヌル) |
デイブ・ホランド
(+ハーベイ・ブルックス) |
ジャック・デジョネット
(+レニー・ホワイト)
(+ドン・アライアス) |
ジョン・マクラフリン |
|
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
1970 |
スティーブ・グロスマン
↓
ゲーリー・バーツ |
チック・コリア
キース・ジャレット |
マイケル・ヘンダーソン |
↓
(ビリー・コブハム) |
↓ |
1971 |
↓ |
↓ |
↓ |
レオン・チャンクラー |
↓ |
1972 |
デイブ・リーブマン |
なし |
↓ |
アル・フォスター |
ピート・コージー
レジー・ルーカス |
1973 |
↓
(+エイゾー・ローレンス) |
なし |
↓ |
↓ |
↓
(+ドミニク・ガモー) |
1974〜 |
ソニー・フォーチュン |
なし |
↓ |
↓ |
↓ |
( )内は一時参加。+は交代ではなく追加共演。
この表は記憶をたどって一気に書き上げたので、細かい年代とかに若干の相違があるかもしれないが、まあ大体あっているはずである。我ながらよく覚えているものだと感心してしまう(笑)。やっぱりヲタクなのかもしれない。
1970年のチック・コリアとキース・ジャレットは、途中からキースがオルガンで加わってダブルキーボードになり、後チックが抜けてキースひとりになった。半年ほどであるが両者が共演していたとは、いまさらながらマイルスの慧眼には恐れ入る。(続く・・
2004.2.12
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無いと言われれば食べたくなるのが人情というものだ。今日は私の音楽とギターのコーチである恵太クンと行動を共にしていたのだが、いつも行く吉野家から牛丼が無くなったと聴いて、どうしても牛丼が食べたくなった。吉野家は各地の競馬場と、1号店である築地店のみ牛丼があるらしい。鍬屋も中卯も終了。あとは15日まで販売しているという松屋しかない。そこで松屋に出かけてきたのであった。 |
ほんとに販売しているのか半信半疑だったが、ちゃんと販売中であった。味噌汁つきで290円也。吉野家と比べると、肉は固くて味が濃い。ご飯も炊き方が悪いのか、米が悪いのかパサパサしている。はっきり言って吉野家の方が倍ぐらい美味い。だがこれで当分食べられないと思うと感慨深いものがあった。
牛肉をめぐる日米の木っ端役人のやり取りは、まったく消費者不在のメンツの張り合いである。食品にこれだけ過敏に反応するなら、どうして医薬品にももっと厳格な対応ができないのか?管轄の役所が違うからでは説明にはなっていない。薬品の場合、新薬の承認などまったくいい加減で、さらに個人輸入ならなんでもOKなどというのは、今回の牛肉輸入停止処分とまったく矛盾する行政姿勢である。 |
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オーディオと全然関係ない話であった。明日は私の大好きな「エレクトリック・マイルス」について書こうと思う。
2004.2.11
久々に登場のDG38である。BigBlockがアナログ専用機になって久しく、最近はまったく顧みられることなく惰眠を貪っていた。測定用のマイクの付属ケーブルは604-8HのDEQ2496用に取られ、マイクも仕事場の片隅に転がされていたのを昨日持ち帰ったのであった。
昨年末にスティーヴ・ハケットの「ザ・トウキョウ・テープス」のCDを購入して聴いたら、これが演奏よし、録音よしの久々の掘り出し物であったのは以前報告した。もし、これのアナログ盤があればどんなにいいことだろう。 |
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まあ、無いものは仕方が無い。この一ヶ月ばかり、BigBlockでも、よその訪問先でも、仕事場の604-8Hでもこればっかり聴いてきた。他所でうまく鳴る事はなかったが、604-8Hで聴くのが一番良かった。なによりもヴォーカルが生々しい。それにスネアのヌケがなかなかよろしい。JAZZ系の軽いチューニングのスネアだとA5の方が気持ちいいが、ロック系の重いスネアは604-8Hの方が重心が下がってちょうど良いのだ。
ところがBigBlockだと重心が下がりすぎてキレが悪い。アナログだとこういうことはないのだが、DG38を通して以前にイコライジングした状態だと中低域がカブリすぎてモコモコした音になってしまっている。ヴォーカルも明らかに引っ込んでいる。以前さんざん聴いた↑のスティーリー・ダンはとくに難物で、ちょっとバランスが悪いと歌詞も判読できないぐらいヴォーカルが引っ込んでしまう。これは、さすがに再調整が必要だ。
そこで久々にリスニングポジションでの特性を測定してみた。左の写真がDG38で補正しない裸の特性である。中低域に僅かな乱れがあるが、5WAYマルチということを考えれば、これは上出来である。実際アナログではこの状態で聴いてなんの不満もない。
右は補正後、フラットにするとまさに正統的アキュフェーズサウンドで面白くもなんともない音が出てくる。世の中にはこういう僅かなピークディップも目の敵にして、あたかも音の悪さがそこに原因があるかのように騒ぎ立てる人がいるが、そんなものは実は、実際の聴感にはほとんど影響を及ぼさない。音ではなく音楽を聴いていればそんなものはまったく気にはならないものだ。↑の左の写真を見て、右のようにフラットにしなければ気がすまないような神経質で融通の利かない人は、実社会でもおそらく出世の見込みは、ない。そんな硬直した考えは学校教育でしか通用しない。実戦はいつも千差万別、あらゆる状況に臨機応変に対応できるだけの柔軟性がなければ、いつまで経っても一兵卒である。
そこで↓のようにイコライジングしてメリハリをつけてやる。これには確たる理論があるわけではない。あくまで聴感で決めるしかない。今回もサブシステムのオルトフォン・コンコルド103のエネルギーバランスを参考にしながらEQカーブを決定した。
500Hz〜1KHz近辺を持ち上げてやるとヴォーカルの生々しさや、ピアノなどの艶が出る。4KHz〜10KHzあたりは抑えてやらないとキンキンきつくなったり、シャカシャカした安っぽい音が出てくる。100Hz以下の低域はベリンガーの解説によると、こういう測定結果はアテにならないそうなので適当である。自分が聴いて良ければそれでいいのだ。
2004.2.10
ここのところ604-8Hの調子が良い。一時ほど無闇にヴォリュームを上げなくなったせいもあるが、YAMAHA
B4のダブル使用やNAOKさんのインシュレータの使用などの効果が出てきたのだろう、不満だった高域のきつさや薄さも解消されてROCKに限定すれば満足に聴けるようになってきた。
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そこで、リファレンスソフトであるスティーリー・ダン「ツー・アゲンスト・ネイチャー」、スティーブ・ハケット「ザ・トウキョウ・テープス」、ゴンサロ・ルバルカバ「スーパー・ノヴァ」、マイルス・デイヴィス「アガルタ」などを持ち込んで604-8Hで聴いてみた。
BigBlock(のCD再生)と比べるとスケール感や重低域の伸び、シンバルの厚みといった物量投入がモノをいうところでは負けるものの、ヴォーカルの生々しさやエレキギターの艶などはこっちの方が勝っているかのようだ。スネアのヌケも良い。やはり、さすがALTEC、音楽再生に一番大切な200Hz〜1KHzあたりは充実している。もちろんBigBlockで聴くアナログには到底及ばないが。
これはちょっとイカンということで、BigBlockのCD再生もすこし気合いを入れてやることにした。もちろんアナログの良さをスポイルしたくはないのでチャンデバやパワーアンプのATTはいっさい触らない。CDのみに使用しているDG38の再調整だけで604-8Hの中域の輝きをBigBlockでも出してやろうという魂胆である。
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考えてみればDG38を触るのは夏以来である。DEQ2496でもあれだけいろんな音を出せるのだ。DG38を単なるDACとしてしか使わないのはもったいない話ではある。ここのところDEQ2496のPEQをいろいろ試しているのでEQの調整ポイントにはちょっと自信がある。明日、あさってと連休なのでいろいろやってみようと思う。
2004.2.8
「アンプは「買う」ものではなく「作る」ものと相場がきまっていた。古い話である。といって、なにも好んで昔話などはじめようというのではない。こんにちの新しいアンプたちについて考えてみようとしたとき、ほんの少しばかり過去にさかのぼって振り返ってみることが、何かひとつのきっかけになりそうな気がするからだ。」 |
こういう書き出しで瀬川氏の文章は始まる。「古い」というのは1950年代後半のことらしい。マランツやマッキントッシュの管球アンプが全盛のころのようだ。
「わたくし自身も、マランツやマッキントッシュの回路そのものは文献で知っていたが、回路図で眺めるかぎりはそれがそんなにズバ抜けて音質の良いアンプだとはわからない。なに、高価なだけでたいしたことはない、と思い込んでいたのだから世話はない。」 |
というわけで、瀬川氏も昭和35年ごろまでは自作専門であったらしい。何百台もつくってはこわしていたとある。それが縁で雑誌に製作記事を寄稿するようになり、やがてパネルデザインの工夫なども関係してプリアンプの製作に興味が集中するようになる。それとともにプリアンプに関してはメーカーものにも負けないぐらいの自負ができたらしい。
「なにしろ十数年間、自分で設計し改造しながらコンストラクションやデザインといった外観仕上げにまで、へたなメーカー製品など何ものともしない程度のアンプは作ってきた目で眺めると、なみたいての製品では、これを買って成仏しようという気を起こさせない。」 |
本業のインダストリアルデザインの仕事が多忙でアンプ製作が出来なくなった氏は、自分の自作アンプよりマシなのはこれぐらいしかない、という消極的理由でマランツ7を購入する。ところが・・・
「ともかく、マランツ7+QUAD/Uという、わたくしとしては初めて買うメーカー製のアンプが我家で鳴りはじめた。いや、こういうありきたりの書き方は、スイッチを入れて初めて鳴った音のおどろきをとても説明できていない。
何度も書いたように、アンプの回路設計は普通にできた。デザインや仕上げにも人一倍うるさいことを自認していた。そういう面から選択を重ねて、最後に、マランツの回路にも仕上げにも、まあ一応の納得をして購入した。さんざん自作をくりかえしてきて、およそ考えうるかぎりパーツにぜいたくをし、制作や調整に手を尽くしたプリアンプの鳴らす音というものは、ほとんどわかっていたつもりであった。
マランツ7が最初に鳴らした音質は、そういうわたしの予想を大幅に上回る、というよりそれまで全く知らなかったアンプの世界のもうひとつ別の次元の音を、聴かせ、わたくしは一瞬、気が遠くなるほどの驚きを味わった。いったい、いままでの十何年間、心血をそそいで作り、改造してきた俺のプリアンプは、一体何だったのだろう。いや、わたくしのプリアンプばかりではない。自作のプリアンプを、先輩や友人たちの作ったアンプと鳴きくらべもしてみて、まあまあの水準だと思ってきた。だがマランツ7の音は、その過去のあらゆる体験から想像もつかないように、緻密で、音の輪郭がしっかりしていると同時にその音の中味には十二分にコクがあった。何という上質の、何というバランスの良い音質だったか。だとすると、わたくしひとりではない、いままで我々日本のアマチュアたちが、なんの疑いもなく自信を持って製作し、聴いて来たアンプというのは、あれは一体、なんだったのか・・・・・。日本のアマチュアの中でも、おそらく最高の水準の人たち、そのままメーカーのチーフクラスで通る人たちの作ったアンプが、そう思わせたということは、結局のところ、我々全体が井の中の蛙だったということなのか・・・。」 |
その後、瀬川氏はJBL SA600の透明感と解像度の良さにも驚き、最後にマッキントッシュC22の豊麗きわまりない潤沢な音質の良さに圧倒されたという。だが、やがてJBLはアンプから撤退し、マランツは量産メーカーになり、マッキントッシュはトランジスタ化されて音が変わってしまい、1973年マークレヴィンソンが出てくるまで瀬川氏は淋しい思いを味わうことになる。
2004.2.7
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昨晩は、アムクロンのプリアンプDL2が載っているので、ステサンNo.52 1979 AUTUMNを引っ張り出してきて読んだ。ところがこれが実に面白かった。
面白いのはDL2の記事ではなく、巻頭の「続・五味オーディオ巡礼」、特集の「いま話題のアンプから何を選ぶか」に寄せている瀬川冬樹氏のアンプ遍歴が、である。
まず「続・五味オーディオ巡礼」であるが、岩竹義人氏を訪問してこれ以上はないというまでこきおろしてしまっている。五味氏曰く・・・ |
「(前略)さて鳴った音を聴いて二の句がつげなかった。形容を絶する悪い音である。高域はたとえばヴァイオリンの弦ではなく、機械的なツイーターが鳴っている。それも無機的で甚だシャリつく音である。ソプラノの声も音程が上がると、まるで鉄製のノドチンコが鳴るみたいだ。耳を覆いました。せめてピアノならと聴いてみたが、これがまた安っぽくてお話にならない。(中略)。
オーディオ知識に造詣の深いことも僕らの比ではない(中略)そういう人の装置なら、悪い音の出るわけはないと思ったのがこちらの早とちりだ。私は聴いていて腹が立ってきた。大努力をして大愚作をなすという言葉があるが、まさに岩竹氏はこの典型ならんと思った。でも案内してくれた知人の手前、はっきりそうと罵倒するわけにもいかないので、黙って針のむしろに座らされたような悪音のひどさに耐えていた。(中略)
岩竹氏はアンプを自作されるようだが、およそアンプをいじれる人の家の音が美しかったためしは、私の聴いた限りでは、ない。皆さん、なまじアンプをいじれるのでかえって物理特性の歪など矯正せずにいられなくて、結局、総合的美音を破壊しているか、歪の無さを以ってたれりとする為だろうかと、思う。
再生音は、無限にナマに近づけるのが理想なのはわかりきっているが、さてナマにさえなれば、あの安物のピアノの音が鳴ってもいいのか?スタインウエイとベーゼンドルファーさえ、最も美しい音は、音程によってちがう。遂にスタインウエイの輝く高音で、ベーゼンドルファーの重厚中低音を併せ持つピアノは存在しない。音とはそういうものだ。
ましてや歪を避けられぬ専らホームユースの再生装置で、一ヶ所や二ヶ所歪をなくしたって何になる。所詮、生そのままは望めないなら、その歪を聴覚上の美音に変えるのが製作者の腕の見せ所ではないのか、とさえ私は思っている。(後略)」
さらに面白いのは岩竹氏が五味氏にあてた一文である。
「剣にもいろんな流儀があり、それぞれに長所・美点があると思う。五味さんにお願いしたいのは、ご自分の流儀でバッサリ切られるのもよいが、他の流儀に関しても深い理解と愛情をもって巡礼していただきたい。」
まったく、今も昔もやってることは全然かわらないようだ。岩竹氏が五味氏にあてた一文など、日頃私が回りからさんざん言われていることにそっくりではないか(笑)。自分が気に入らなければバッサリ切る。そこにはちゃんと自己の見解を入れることを忘れない。五味氏の偉大なところはそこにあったのかと思う(ついでに私も・・)。
この文の最後はこう締めくくられている。
「拙宅で岩竹さんの改良型アンプ(マッキンMC275)は惚れ惚れするいい音で鳴っている。私としては岩竹さんを抱きしめたい気持ちである。それだけに、私の生涯をかけたオーディオ観で忠告する。
あなたのスピーカーは悪いのです。」 |
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瀬川氏のアンプ遍歴については後日。
2月3に紹介した「CREAM LIVEU」であるが、某所で「このLPが発売された時、日本盤では(6)がHideawayと表記されており、今となってはpremiumものである。」という情報を得た。私はこれを中学生の時に買ったのだが、まさしく6曲目はHideawayと表記されている。解説にもフレディキングのHideawayとはっきり書いてある。本当はSteppin'
Outという曲らしい。ま、どちらにせよプレミアものを持っているというのは気分が良いものだ。
iPOD 6509曲
2004.2.6
604-8Hのドライバ用アンプ、YAMAHA B4があと3台も余っているので、もう一台を自宅から持ち込み片chずつを使用してモノラルで鳴らしてみた。もちろんB4はモノラルにはできないので、それぞれの片chは使用せず遊ばせておくだけである。これのメリットは
@左右のクロストークがないのでセパレーションの向上
A片chしか信号を流さないので電源に余裕ができる
B一台多い分アンプの発熱で部屋がよく暖まる
の三つである。もっともB4は純A級で使用するのでAは関係ないだろう。純A級だと信号が流れていなくても電力は最大限消費されるから。だが@のセパレーションの向上はおそらく皆さんの想像以上である。モノラルパワーアンプを使用すると、それまでのステレオパワーアンプとははっきりわかるほど違いが出る。いままでなんとなく左右のSP間でもたついていた音が、急にサッとSPの外側まで広がるのが誰にでもわかる。はっきり言って、これは事前の想像を越えている。 |
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CDのクロストークが90dBとかに対してアナログは20〜30dB程度だといわれている。だが不思議なことにCDとアナログを比べてそういうことは感じない。アナログがセパレーションに問題があって、まるでモノラル録音に聴こえるなんてことは全然ない。ステレオパワーアンプのクロストークなどもおそらくCD並にあるはずだ。だがモノラルアンプとステレオアンプのセパレーションの違いは非常に大きく感じる。この辺も案外知られていない盲点ではないだろうか?
もうひとつ知られていない盲点といえば、アナログディスクのスクラッチノイズがある。これはディスクの傷やゴミをカートリッジの針先がこすって出す音である。「パチパチ」とか「プチッ」というやつだ。実はこれも再生装置のレベルによって全然違うのである。俄かには信じられないかもしれないが、ターンテーブル、トーンアーム、カートリッジにハイグレードなものを使用すれば、このようなノイズはほとんど気にならないレベルまで落とせる。これは装置全体のトランジェント(過渡特性)が良いということだ。こうなると「プチっ」は、もはやもっと短時間の「フッ」としか聴こえなくなる。事実、拙宅のスペースデッキ+シリーズX+HELIKONだとこういうノイズは極小である。針をディスクに落としても演奏が始まるまで何も聴こえない。いかにも今からアナログを聴くのだという、あの「パチパチ」音がないのである。だからしばしば入力セレクタが間違っているのかとあわてたりする。そこに突然大音響とともに音楽が鳴り出すので皆さん非常に驚く(自分自身もいまだにこれは馴れない)。だから拙宅ではアナログディスクを掃除するようなグッズはなにも必要がない。ホコリがついていようが、傷がつこうが全然音には影響ないのである。アナログ愛好家のOTKさんやpippinnechoesさんが、ホコリも掃わず私があまりにもディスクを無造作にかけるのでちょっと面食らっていたが、こういう理由があったのだ。単にズボラなだけではないのである(笑)。ディスクのホコリを目の敵にしてブラシで取り、静電気防止スプレーをかけ、それでも不安で正体不明の薬剤で洗ったり、メラミン樹脂のスポンジでこすったりしているのを見ると、何を無駄な努力を・・・と言いたくなる。
今回のパワーアンプの左右分離は1.7KHzより上の領域だけだったが、やはり同じような効果が得られた。だが500Hzあたりから指向性の影響は大きくなるので604-8Hの場合はウーファーも対策が必要だ。やはりここはXP3000ももう一台用意してウーファーも左右を完全に分けたいところである。この場合XP3000は特にブリッジにする必要もない。今のステレオ片ch分のパワー、ドライブ力で十分である。もちろん、もう一台入手したらブリッジ接続(1100W
8Ω)などというバカなことも実験してみるが、今のパワフルな低域を考えるとそこまでやる必要もないかな、と思っている。
iPOD 6421曲
2004.2.5
今日は休日だったのだが、日曜からちょっと体調を崩しているのでどこにもいかず自宅で静養した。お勤めの方や一般の経営者と違って代わりがきかない仕事である。急に休めば多大の迷惑を各方面にかけることになるので健康には人一倍気をつけねばならない。前の日飲みすぎたとか、ちょっと体調が悪いとかでいちいち休んでいては商売にならない。
幸い独立して11年、一日も休まずにやってこれた。要は気力の問題である。オーディオも仕事も同じで、気合いが入っていないとロクなものにはならない。ズル休みばかりで仕事も満足にしてないのにオーディオだけは一流なんてことはあり得ないと思う。販売店のいいなりになっていくら大金を投じても、最後に音を判断して決断するのは本人である。日頃から気の抜けた生活をしていれば、自ずから出てくる音もそれなりのレベルで止まってしまうのだ。
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これは単なる精神論ではない。何事も瞬時瞬時の細かな判断と決断の積み重ねが最終結果を左右する。そこには集中力と気力が必要である。システムをまとめるときもそうだし、他人のシステムを聴いてそれを自分なりに消化する時もそうである。
いつも呆れるのだが、拙宅に聴きにこられる方は誰もBigBlockなりA5なりがどういう接続で鳴らされているかをほとんど理解していない。そんなことはこのHPをちゃんと読んでいればわかるはずである。もし、わかりにくければそのポイントだけを質問すれば良いことだ。だいたい他人の貴重な時間を煩わせて聴かせてもらうのにそんな丸腰でくるのは失礼ではないか? |
日頃から真剣に自分のオーディオについて考察を怠らなければ、目標とする他人のシステムのことも自ずから気になってちゃんと頭に入っているはずだし、(たとえば)BigBlockの各ユニットがどのアンプで鳴らされているか?なんていう愚問が現場で出てくるはずはない。そういう人は仕事もそんな程度で適当にやっているに違いない。というか何もしなくても、何も考えなくても、とりあえずいるだけで給料がもらえるような職場がこの世にはあるらしい。結構な世の中ではある。
BigBlockのような大型マルチアンプシステムが最初からあんなにいい音で鳴るのが不思議だという人がいたが、私からすれば不思議でもなんでもない。日々の研鑽を怠らなければあれぐらいは当然のことである。私が聴きもしない他人のシステムを誹謗中傷するといって非難する人がいるが、それも同じことである。ここで根拠のないことを書いたことは一度もないと自負している。その家で実際にそれを聴いたことはなくても、過去の膨大なデータ(含む経験)に基づいて演繹すれば結果は大体想像がつくというものだ。それが科学というものであろう。問題はそのデータ量であって、日頃からたいした考えもなしにオーディオをやっている人と真剣にやっている人では全然違うのである。ましてやそれが何十年もの差になっているのである。それは上述の例をもってしてもご理解いただけると思う。
2004.2.4
キッチンにB&W N802を置いている(笑)例の某サイトを久々に覗いたら、調整を繰り返したあげく、最近N802で50、60年代JAZZがいい感じで鳴るようになったとかオーナーが自画自賛していた。もちろんまわりの取り巻き連中もあいも変わらず「よいしょ」のお追従をしているのは言うまでもない。
まったく「井の中の蛙大海を知らず」というか、「志が低い」というか、どこまでも洒落モノを決め込んでいたいのか、マンハッタンJAZZクインテットとかの訳のわからない最近のものがなんとか鳴るというのならまだしも、よりによって60年代JAZZがいい音で鳴るなんていう大言壮語はやめてもらいたいものだ。この手のJAZZはBigBlockだっていまだ満足に鳴らないし、JBL43○○でもマトモに鳴っているのは聴いたことはない。604-8Hもいまだイマイチである。
50年代のスイング系の眠たいようなものならなんとかそれらしくは鳴るだろう。だがブラックパワーが炸裂する60年代JAZZを当時の熱気をもって再生しようとすれば、重たいロングストロークウーファーにしょぼいドームツイーターでは絶対に無理である。ハイパワーアンプで強引にドライブしたからっといって、それは人力でダンプカーが押せないから代わりに馬にでも曳かせようというのと同じことで、不可能なことには変わりはない。
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JAZZといえばやはりA5だ。上記の文を読んで俄然闘志が湧いてきて久方ぶりにA5を聴いてみた。最近は604-8Hばかり聴いているので、A5の288-16G+311-90の濃厚な中域はやはり素晴らしいと改めて感心する。それに大型ホーンドライバを500Hzから使っているのでスケール感が604-8Hなどとはまったく違う。
あたかもこの「KULU SE MAMA」のジャケット写真のようにコルトレーンが左右のSPの間にスクっと立っているかのようである。残念ながら昨年の暮れに515B用のデバイダをベリンガーCX3400にしたせいか、以前よりも低域がボンつくようだ。変更してから満足に聴いていなかったのでちょっと違和感を覚えた。このへんの相性はたいへん微妙である。604-8HではCX3400の方が引き締まって良かった。だがA5だとF25もCX3400も低域に関してはどっちも捨てがたい味がある。その時の気分で選択するしかない、ここは。 |
iPOD 6366曲
2004.2.3
ご想像のとおり、最近はオーディオは停滞している。BigBlockは先週pippinechoesさんとしんたさんが来た時に聴いて以来聴いていない。A5にいたっては今年はまだ一度も聴いていないかも。
もったいない話ではある。なんせ小樽の黒ポストさんなど、これを毎日好きなだけ聴けるなんて、なんとも羨ましい、いいないいな、と嘆きながらお帰りになられたほどである。
理由ははっきりしている。寒いから・・。どっちも専用の部屋で暖房はエアコンしかない。エアコンだといくらつけても足元が冷え冷えして落ち着かないのである。やっぱり冬はコタツか床暖房でヌクヌクしたい。そう思っているので自然とオーディオルームはご無沙汰になるのであった。
昼間、仕事場のBGMでこれ→がかかっていたのでどうしても聴きたくなって昨晩はやっと気合いを入れてBigBlockで聴いた。A面をSUMIKO、B面をHELIKONで聴いてみたが、やはりHELIKONの素晴らしさは圧倒的である。低域から高域までどこにも隙がない。録音が古かろうが悪かろうが、それなりに聴かせてくれる。 |
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このCREAMのLIVEは素晴らしい。ドラッグでおかしくなった70年以降の手抜きクラプトンとは別人である。昔から実力あるバンドはみんなそうだが、CREAMもスタジオ録音はたいしたことはなくてもLIVEになると魅力が100倍ぐらいに増幅される。それこそ40年の長きに渡って進歩なしのSTONESみたいに、CREAMもこの路線で偉大なるワンパターンで続けて欲しかった。
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CDからiPODへの転送はやっと6000曲を越えたが、実はまだこのCDラック内のものは手つかずである。転送が終了したのは、普段よく聴くので手元に置いていたものや、ラックに入りきらないので床に転がっていたものだけだ。これはあと何枚あるのだろう?たしかこのラックは600枚収納とかだったような気がする。ということはあと6000曲近くあるということか?ウーン、ちょっと気が重くなってきた。
・・・と言いつつ実は単なる自慢話なのであった。 |
iPOD 6213曲
2004.2.2
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隣どうしなのだが、千葉から茨城の道のりは遠い。高速だと湾岸線で東京まで出て、そこから埼玉経由で常磐道で行くことになる(緑のコース)。一般道だとR16がメインで、そこから適時利根川を渡ることになる(ピンクのコース)。距離はこっちの方が近いが、混んでるのと信号ばっかしなので時間的には似たようなものである。
昨日はヤボ用があったため、先に成田方面に行ったので、そこから利根川西岸をさかのぼった(ブルーのコース)。どこまでいっても田舎道で、しかも混んでいるのでぜんぜん進まない。ちょっとした街中に入るととたんに渋滞を繰り返す。おかげで体調は悪くなるは、約束の時間に1時間も遅れるはで、さんざんなスタートになってしまった。 |
全然関係のない話であるが、最近吉川栄治の「三国志」を読んでいる。中国といえば広い国というイメージがあるが、当時の中国といえば北は北京、南は南京、西は成都ぐらいまでで、それぞれ直線距離にすれば日本列島の全長と変わらない。インターネットも電話も無線も新幹線もない当時にすれば天文学的距離だと思うのだが、それにしては情報がやたら正確迅速に伝わっているし、大軍を率いてお互いにマメに攻めあっている。考えてみれば僅か60kmぐらいをクルマで移動して文句をいうのは贅沢な話ではある。
前置きが長くなったが(笑)、午後2時に8BALLクンところに到着した。ドアを開けると彼の好きなヒップホップがゆったりと流れている。先週のpippinechoesさんところの4350はバッフルが真っ黒だったのであまり大きく見えなかったが、このブルーバッフルだとさすがに大きく見える。音量は低め、6畳ぐらいの細長い部屋の長手方向にに無理やり4350を押し込めてあるので試聴位置はSPから1mぐらいしかない。左右のSPのセンター間は3mぐらいか?「音の殺し屋店長」のところのパラゴンよりもさらに極端な配置である。「音の殺し屋店長」のところも1mぐらいに接近して試聴するのだがパラゴンの方が多少は左右の幅が狭いような気がする。
とりあえず、お約束のF25のレベルをチェックするとLOW(KSA100U)が-4dB、HIGH(KSA50)が-14dBであった。両者のアンプのゲイン差がどれぐらいあるのか不明だが、一聴してこれはHIGHを絞りすぎ、-9dBまで上げて丁度ぐらいであった。ちなみにLOWもわざわざ絞ってあるのは、その分プリアンプのゲインを大きめにとって、プリの残留ノイズの影響を減らすためだという。なるほど、これはいい考えだ。 |
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持参したCDをいろいろかけてもらったが、どうもノリが悪い。中低域が凹んでしまっているようである。高域は絞り気味なのとKSA50の面目躍如でキツイ音は出ない。これはいいことだ。長岡鉄男みたいなキーキーいう音は好みではない。この辺はDW'S会長(ナゾ男氏)、私、8BALLクンと好みが一致している。
個人的にはJBL43シリーズをうまく鳴らすコツはミッドバスの下をいかに出すかにあると思っている。250Hzなり、290Hzなりのクロスというのはまことに中途半端な数字で、たいていはその下の200Hz前後が痩せてしまっている。おそらくミッドバスのバックチャンバーの容積が不足しているのだろう、ウーファーとのつながりが悪いものが多い。ミッドバスはローカットせず、スルーで鳴らしてもいいくらいだと思っている。8BALLクンもなぜかスロープを24dB/octにしていたので、これを18db/octに変えた。これで多少はよくなったような気がするがまだまだエレキベースやスネアの「ズンッ」という衝撃が出てこない。その下は十分でているのだが。
最後は奥の手、マッキンC34VのEQで調整する。150Hz、500Hzを少し上げるとちょっと良くなってノリとタメがでてくる。調子に乗って500Hzを上げすぎるとヴォーカルが荒れてくるので限度があるが、この辺はベリンガーDEQ2496なんかを使えばもう少し追い込めるのではないだろうか?だが、全体的には変な音も出ていないし、まあまあだというのが感想である。いつも聴くのがヒップホップみたいなゆったりとしたものが多いということなので、私の調整など方向が違うのかも。
昨日は初めて4350をくつろいでゆっくり聴けたような気がする。4350、4355というのは当時の時代の要請なのか箱の奥行きが少ない。そのためホーンも小型だしミッドバスのバックチャンバーの容積も最小である。そのしわ寄せでクロスが250Hz、1KHzなどという奇怪なものになってしまっている。せっかくの4インチドライバであるから、大型ホーンで500Hzぐらいから使うのが正統なやりかたである。ミッドバスだってバックチャンバーの奥行きを広げてもっと下の150Hzぐらいから使えればウーファーも生きてくるというものだ。それに30cmものコーンユニットが1KHzまで再生するなんて、想像しただけで気持ち悪い。いかにも紙臭い音が出てきそうではないか(604-8Hだってそうじゃないかといわれそうだが、あれはまた別物である。ユニットの格が違うのだ)。
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発売当時はJBLのフラッグシップ、今は98年発行の「JBLモニターSP研究」での故朝沼氏の絶賛で、4350は「いい音」がすると信じられているらしい。ポンと置いただけの4350が「グレートジャズトリオ」を驚愕の音を出したとは、今にして思えば眉唾もんか、日頃エラソウなことを書いていても朝沼氏が使っていたS7500なんてたいした音ではなかったということである。私も一度はだまされてオーナーになったくちである。だが上述のとおり、この構成には致命的欠陥があるように思う。いつも書いてることだが、大型ホーンを追加してマルチアンプ駆動するのが一番いいのではないかと思うのだが。ま、面倒はキライだとか、カッコが第一とか言ってるうちはそこそこの音しか出ない。そこで本人が満足してれば、それはそれでご同慶の至りであるが・・・。 |
iPOD 6166曲
2004.2.1
8BALLクンところへ行ってきた。さっき帰ってきたところである。
予想に反してなかなかいい音していた。詳しい感想は明日ということで。
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iPOD 6048曲
2004.1.31
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NAOKさんのプリアンプにステンレスと真鍮の大型重量級ノブを取り付けて試聴してみた。1.5mmと2mmの六角レンチで締めるだけなので簡単なのだが、なにしろ今までやったことがないのでなんとなくやる気が起きなかったのだ。それに、六角レンチはあるが、購入してから日が経つとどれが2mmでどれが1.5mmなのか皆目検討がつかない。整理整頓ができない性格なのでラベルがないともうお手上げである。同様にCDRやMDとかも録音しぱなっしで無記名のものばかりである。なにが入っているのか聴いてみなければわからない。録音したときにちょっと記入すれば後で後悔しないのだが、これが面倒でどうしてもできない。
というわけで、ノブは新たに新しい六角レンチセットを購入しなおし、やっと取り付けることができた。しょぼい筐体には不釣合いな超大型ノブである。果たしてこれで音が変わるのだろうか? |
音は確かに変化する。ほんの僅かであるがピアノの高域(2KHz〜4KHzあたり)のキンキンしたのが抑えられ、シンバルも分解能が上がり厚みも出る。全体にうるささが減って聴きやすくなったような気がする。一番はっきり違いがわかるのは聴衆の拍手である。それまでは耳がつぶれそうにうるさかったのが普通になった。
やはりプリアンプはシステム全体の音を左右するポイントだ。ここはケチらずマトモなものを入れなければいつまで経っても満足には鳴ってくれそうにはない。だが、難しいのは値段が高ければなんでも良いというわけではないということである。おそらくアキュフェーズやマークレヴィンソンなんかは音が細くなりすぎてだめだろう。かといって管球式は音が寝ぼけたようになるような気がして使いたくはない。やはりラックスかマッキンの暖色系が合うと思う。となればC100AかC9ということになってしまう。いくらラックスやマッキンでもC7やC40などいまさら使う気にはなれない。上級機と比べると音が濁りすぎている。
先日もしんたさんとpippinechoesさんとで話題になったのだが、ローリングストーンズを聴いてなにか感動するものがあるのだろうか?曲はチンケ、歌はへた、演奏は中学生レベル。皆がいいというからと言って貴重な時間をさいて聴くほどのものはなにもない。彼らがデビューした1960年代初頭なら確かに白人ブルースバンドの先駆者としての存在価値はあった。だが、その後ジミヘンやクリーム、ジョニーウインター、フリーなどの本格的ブルースロックバンドが出現したからには、それ以降、30年以上の長きに渡ってただのヘタウマバンドに成り下がっているのではないか?
同じく妙に日本では人気のあるのがこれ→。パンクの台頭で落ちぶれた二流プログレミュージシャンが、やり手のプロデューサーに「こうやれば売れまっせー」とそそのかされて作った駄作。プログレ界の「吟遊詩人」(笑)ジョンウエットン率いるUKである。70年代初頭のプログレ全盛期を知るものにとっては(歓喜ではなく)痛恨の涙なくしては聴けない。これがプログレだ!、なんて間違っても言ってもらいたくない。これはプログレの皮をかぶったただのPOPSである(だから素人筋には人気なのかも)。
ところが、これはプログレ命のヲタク筋にも人気がある。パンクやダンスミュージックばかりで気合いの入ったプログレ大作がすっかり出なくなった80年ごろに、突如現れたUKが救世主のように見えたのも無理はないか。思うに彼らは他のジャンルにまったくうといから免疫というものがなかったのだ。本物のJAZZやブルース、POPSを多少でも聴いていれば、こんな中途半端なヘンチクリンはおかしいとわかるはずなのだが。プログレ一筋だとメンツさえ良ければ演奏内容などどうでもよいということなのか?げに恐ろしきはヲタクパワーである。 |
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明日はこれもJBL4350を導入して3ヵ月という8BALLクンを訪問する。プリがC34V、パワーアンプはKSA50+KSA100Uという布陣である。pippinechoesさんとこといい勝負。ご〜るでんBALLクンから借りたなにか秘密兵器があるらしい。
iPOD 5946曲
2004.1.30
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昨日は所要で東京に行った。もちろんクルマである。時間に遅れそうだったので首都高湾岸線をガンガン飛ばす。関東のクルマはマナーが良いので走りやすい。
高速の追い越し車線をリミッターをしばしばあてながら飛ばす時は、昼間でもヘッドライトを点灯すればよい。ロービームで十分である。○50km/h以上出してグングン前車に迫ると、何事か?と驚いてみんなはじけるように走行車線によけてくれる。料金所直後のややこしいところもこれでOKである。追い越し車線に出ようか、というそぶりを見せても、後からライトを点灯した得体のしれないクルマがくるのを確認したとたん(あわてて)走行車線に戻っていく。まるで無人の荒野を行くが如しであった(笑)。 |
これが最近練習している、プログレ史上最高傑作と言われているYES "FRGILE"の中の"MOOD
FOR A DAY"である。ワルツリズムのクラシック(スパニッシュ?)ギターのソロだ。この曲は中学生の時からであるから、おそらく1000回以上は聴いているだろう。改めて曲のコンセプトなどを考えてみたが、かえって聴きすぎたせいかよくわからない。タイトルからして昼下がりのけだるい雰囲気を現したものではないかと思う。
それほど難解というわけではないが、オリジナルの正確なタッチや練り上げられた強弱のつけかたまでコピーするのは至難の業である。やはりなんでもその道のプロには敵わない。これ一曲仕上げるのにもう一ヶ月以上かかっている。弾きたい曲は無限にあるというのに、気ばかりあせっている毎日である。 |
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iPOD 5783曲
2004.1.29
最近は夜中にかけてパソコンの前に居座ってずっとギターの練習をしている。毎日飽きることなく同じ曲ばかり練習している。ギターを弾いているときは頭がヒマなので結構くだらないことを考えてしまう。こんなことどうでもいいことだけど・・ご参考までに。
@権威主義的オーディオマニア |
SONYやアキュフェーズなどの理詰めのブランドや音響のプロ、技術系雑誌の権威筋の記事などに心酔している。挫折した中途半端な理系人間に多い。高度な理論や技術に対して大いなるコンプレックスを抱いている。歪みや周波数特性の僅かなピーク、ディップも許せない。定在波や床の共振も目の敵にする。測定器や補正機が大好きで結果的に無味乾燥、人畜無害な面白みのない音に仕上がっている。ソースは録音の良いものしか聴かない。ノイズのないCDやSACDが最高だと思っている。音楽には無知に近い。音楽が嫌いな人も中にはいるらしい。
推定CD保有枚数100枚。LP0枚。 |
Aブランド主義的オーディオマニア |
JBLやマークレヴィンソン、マッキントッシュなどのミーハーブランドが大好き。自分が惚れこんだブランド一筋で他のメーカーには見向きもしない。クルマや時計と同じでそのブランドの薀蓄を語れば右にでるものはない。理系ではなく文系出身者に多い。技術的なことは何も理解していないが、受け売りで細部まで暗記しているので、一見するとわかっているように見える。とにかく雄弁で、あちこちのBBSにいかにもわかっているような文学的かつあいまいな書き込みをしまくる。耳の悪さは救いようがなく、平気でヘンな音を出しても本人は一生気づくことはない。惚れこんだ装置を長く使って、あまり買い換えない。愛情を持って機器に接すればいい音を出してくれると本気で思っているらしい。
推定CD保有枚数50枚。LP50枚。 |
B自己陶酔型オーディオマニア |
とにかく高けりゃいいと思っている。ショップのカモとも呼ばれている。自称「ハイエンダー」。中味には無知で、なんでもその価格でしかモノの価値が判断できない。文系も理系もない、代わりはいくらでもいるので、会社を休んでも誰にも迷惑もかからないような世間知らずのお人よしが多い。公務員も当然多し。SP間にサウンドステージが出来たとか、奥行きが何mもあるとか、普通の人が聞いたら噴飯ものの会話を平気でする。SPを1ミリ動かしただけで音が激変するように聴こえるらしい。肝心の音色やエネルギーバランスは無茶苦茶。訳のわからない教会録音ものやヴォーカルものが大好き。音楽性には無頓着である。というかやっぱし音楽のことは素人。歌い手の唇や舌の動きが見えるようだといって自己満足している。そんなもん見えたって気持ち悪いだけ。
推定CD保有枚数200枚。LP0枚。 |
Cコレクター型オーディオマニア |
幼少にみぎりに欲しくても買えなかったことへの裏返しで物欲の塊である。若い時に苦労した叩き上げの体育会系多し。一度手に入れた装置は絶対に手放さない。じっくり腰をすえて聴く時間もないので、購入してちょっと聴いてはほっぽりだしてある。レコード、CDが何万枚とか言って自慢しているのも同じ人種。そんなもん一生かかっても聴けない。1枚のレコードを100回は聴かないとホントのところはわからないのに何万枚も集めてどうするのか?付け焼刃の教養本をつまんではいるが、真の教養が身についていないので文章は拙稚。ときどき馬脚を現して、おかしな表現をWEB上にさらして笑いものになる。
推定CD保有枚数10000枚。LP20000枚。 |
D音楽愛好家系オーディオマニア |
ROCKでもJAZZでも、とにかく死ぬほど音楽が好きで、それをいい音で聴きたいためにオーディオにも関心があるというタイプ。目的がはっきりしているため手段を選ばず邁進するのでいい音を出している場合が多い。中にはミュージシャンをめざして挫折したものもいるので、自分のご贔屓のミュージシャンを神格化するのが欠点。ブランドや権威筋には無頓着で自分の耳で聴いていいと思った装置を躊躇なく導入する。総合的かつ音楽性を最重要視するのでどうでもいいような細かいことには拘らない。CDなどのデジタルソースの限界もわきまえていて、とっくに見限っている。アナログディスクがメイン。耳がいいので他人のヒドイ音はたちどころに看破してしまう。それを正直に容赦なく言うので@〜Cから目の敵にされている。
推定CD保有枚数1000枚。LP500枚。 |
E芸術家系オーディオマニア |
カメラマン、画家、デザイナーなどの一般社会をスピンアウトした芸術家がオーディオにのめりこんだタイプ。やはり一般人とは違う感性を持っていてユニークなオリジナリティあふれるオーディオを展開する。職業柄デザインの悪いものは受け付けない。音が悪くても平気。他人と違うということに異状にまで拘る。出てくる音より、オーディオ装置と自分との関わりがどれだけお洒落かに重点があるのだから、ある程度の妥協は仕方がないと(本気で)思っている。もちろんお勉強は苦手だから理屈はわかってはいないが、意味不明の芸術家用語を駆使して素人を煙にまくのでWEB上ではでかい顔している。
推定CD保有枚数400枚。LP200枚。 |
ま、他にも「自作派」だとか「国産派」だとかいろいろあるだろう。「長岡教」とか「江川派」というのもあるらしい。要は皆さんお好きなように、ということである。同じホーン型SPを使っていても@AとDでは絶対に相容れることはない。目的も手段もまったく違うから。それを「音は人なり」だとか「オーディオを通して人の輪を拡げたい」だとか言って無理をして群れても何も得るものはない。顔は笑っていても心の中まで違うタイプの人間を受け入れることはできない相談だ。
iPOD 5647曲
2004.128
このページもpart7もそうであるが「背景画像を固定」というワザ(というほどのものでもないが)を使っている。スクロールしても背景画像は動かず、本文等だけが動くというものだ。別にこうしたからって特にご利益があるわけはないが、ちょっと斬新なイメージがあるかと思って自分では気に入って採用している。
このやり方はわりと簡単で、CSSという構文をHTMLソースに追加記述すればよい。HTMLソースの頭の<HEAD>の次に
<STYLE type="text/css">
<!--
BODY {
background-color: #FFFFFF;
background-image: url("画像のパス");
background-repeat: repeat;
background-attachment: fixed;
background-position: left top;
}
-->
</STYLE>
と記述する。問題は「画像のパス」で、http://www.ではじまるサーバーのアドレスを記述する。たとえばこのHPのサーバーだと
http://www.azusadental.com/画像ファイル名 である。もちろん背景画像ファイルをサーバーに置いておかなければいけないが。
ALTEC LANCING PROという会社から604-8Lというのが発売されているらしい。ALTEC自体は既にEVに吸収合併されて消滅したと聞いているが、これは新しい会社なのであろうか?604-8Lの外観は最終モデルの604-8Kとそっくりであるが、特筆すべきことにドライバのトッププレートにLANCINGのロゴが入っている。かつてはLANCINGのロゴが入ったモデルは515だけであった。これはALTECが、515の開発者であるJ.B.LANCINGに敬意を払ってずっとロゴをいれていたものだ。
だいたいALTECがLANCINGを吸収合併してALTEC LANCINGという会社が1940年に生まれ、その後1945年にJ.B.LANCINGは独立したため、ただのALTECに社名が戻ったはずである。ALTEC
LANCING PROとは如何なる会社なのだろう? |
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調べたところHPがあった。以下、そこでの記述
Established in 1937, today Altec Lansing Professional is a leading
manufacturer of high performance, high quality professional audio systems and
components. Altec Lansing traces its history to the group of Western Electric's engineers
who developed the first commercial professional sound system for the movie
"The Jazz Singer" starring Al Jolson. This "talkie"
revolutionized motion picture sound, and marked the starting point of the
twentieth century audio revolution.
Altec Lansing celebrates the company's rich heritage in the professional
audio industry. Our history of technological innovation is unmatched. Learn more
about Altec Lansing's Heritage via our heritage timeline.
True to its heritage, Altec Lansing echoes the sentiments of Mr. Jolson, who
sang to the movie audiences of 1929, "you ain't heard nothing yet!"
GoogleでALTEC LANCINGを検索したらやたらパソコン用のスピーカー関連のサイトが出てくる。ということはALTEC
LANCINGという会社なりブランドはパソコン用SPメーカーとして、ずーっと存在していたのだろうか?繰り返すが、かつて515Bや288-16G、A5、604-8Hなどを製造していたのはただのALTECという会社である。
iPOD 5560曲
2004.1.27
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昨日の予定どおり早速ベリンガーのアナログ入力を試してみたが、やはりこれはずいぶんと音質が落ちる。小音量だとあまり気にならないが、大音量にするとちょっと聴いていられなくなる。音の伸びがなくなり、ダイナミックレンジがせばまってしまう。それにSNが悪くてテープヒスのようなノイズも乗ってくる。どんなシステムもそれらしく聴かせると思っていた、ホリーコール「Don't
Smoke In Bed」も声がおかしくなって別人のようになってしまった。
試聴にはSRC2496をDACとし、これのアナログ出力をDEQ2496に入力した。SRC2496のDACとしての実力は先日BigBlockで確認したので、まあなんとか使えるはずだ。やはり問題はDEQ2496のADコンバータにあるということになる。
もとのDEQ2496デジタル入力オンリーに戻したら、いつも不満だらけの604-8Hがずいぶんいい音に聴こえた。 |
プリアンプはここのところNAOKさんにお借りしているバッテリー駆動のものを使用している。ちゃっちい筐体に反して音はなかなかどっしりしている。真鍮とステンレスのノブは2mmの六角レンチを用意したのだがやはり取り付けできない。仕方が無いのでノブなしでダイレクトに使用している。ノブはなくてもヴォリュームは回せるし、セレクターは固くて回せないが入力は1系統なので必要ない。音だけを考えたらこれが一番いいはずだと思うのだが?
604-8Hはいつも意地になってレコーディングスタジオ並の大音量を出して聴いていたのだが、今日はフト、魔が差したように普通の音量にして聴いてみた。DEQ2496はデジタル入力に戻している。普通の音量といっても自宅でBigBlockやA5を聴くぐらいの音量であるから、一般家庭ではなかなか出せない大音量である。そうしたらなんと、とってもいい音で鳴るではないか。きつくてなんとかしたいと思っている中高域もちょうどいい感じであるし、軽くてフワっとしつつ芯のあるALTEC特有の低域も薄くはならない。これぐらい鳴るのなら贅沢をいわなければもう十分かもしれない。
604-8Hを聴くのは昼休みの1時間ぐらいである。休日はこっちに来ることは滅多にないので聴けない。考えてみれば贅沢な話である。最初は小型SPを小音量で鳴らして仕事のストレスを癒してリラックスしようと始めたのだが、結局こういう風になってしまった。まったく絵に描いたような展開で、これはまさしく一種の病気に違いない。
iPOD 5372曲
2004.1.26
昨日の収穫(?)はベリンガーDEQ2496のアナログ入力がまあまあ使えるということであった。もちろんBigBlockレベルだとちょっと無理かな、という危惧はある。だが604-8Hならいけそうな気がする。というのは実はDEQではなくてチャンデバのDCX2496をアナログ入力で使いたいのである。
世の中にはアキュフェーズDF35というデジタルチャンデバが存在する。これも標準ではアナログ入力で内部でAD変換し、再度DA変換してアナログ出力している。これの音が悪い、というウワサは聞いたことはない。もっともほとんどの人はオールアキュフェーズシスコンでデジタル入力で使っているのだろう。
ご存知のとおり、ウチにはDG38があって、これもオプションのアナログ入力ボードをつけている。ほとんど使ったことはないがLPレコードの出力を入れたところとても聴けないヒドイ音だったことは覚えている。だが、これは入力レベルが適切でなかったのが原因だった可能性がある。うまいことフルビットを使い切る設定にしないとちゃんとAD変換されないらしい。
だからDCX2496も設定をつめればアナログ入力でもなんとか使えるのではないだろうか?そうすればプリアンプでヴォリュームコントロールもできるし、アナログディスクも聴ける。ディレイもかけられるしツイーターを足して3WAYにもできる。クロス周波数やスロープの変更も自由自在だ。
KENWOODの業績が好調らしい、と日経に載っていた。過去最高益だそうである。人員を45%削減し事業絞込みで売上高も30%減らす。新規参入の携帯電話から撤退し、伝統の家庭用AV機器に集中した。社長曰く「参入は少なく、退出が多い。市場はしっかりとある。ムダさえなくせば、収益は安定的に上げられる」。無線機やFMチューナー、日本初のソリッドステートアンプやDCアンプなど、宣伝が下手でいつもセカンドポジションのメーカーであったが技術はしっかりしている。これからも頑張って欲しいメーカーのひとつである。
iPOD 5229曲
2004.1.25
というわけでpart8の巻頭を飾るのはpippinechoesさん訪問記である。続きは今晩・・・・
ようやく長い一日の予定が終了した。今日は午前10時にpippinechoesさん宅を訪問し、午後3時からしんたさん宅に移動し、午後7時から拙宅へ移動したのであった。
pippinechoesさんところの4350レイアウトがどうなっているのか?彼の写真が拙いせいもあるが(笑)pippinechoesさんところのHPではなかなかわかりづらい。マンションのリビングルームだと聞いていたので結構広々としているのかと思っていたら、キッチンと一緒の部屋で実質10畳ぐらいのスペースであった。ご覧のように4350とラックとコタツで部屋は満杯である。天井も普通よりちょっと低め、よく言えばアットホーム、悪く言えば穴倉にもぐりこんだような圧迫感がある。そういえばどっかのお洒落系サイトもキッチンの隣にスピーカーを堂々と置いてあったような。最近覗いていないがB&W
N802は料理の油でまみれていないだろうか?きっとガーリックの匂いが染み付いているだろうな。他人ごとながら心配になる。
システムは上の写真のとおりである。補足するとプリアンプがマークレヴィンソンNo.38L(SL相当)、パワーアンプがマークレヴィンソンNo.29L×2、CDPがWadia6といったところだ。チャンネルデバイダもレヴィンソンである。まあ、相当偏ったラインアップといわざるを得ない。音は二の次三の次、ブランドとタイミングで選んだらこうなりましたという典型である。トーレンスレファレンスなんて、でかいし、重いし、おまけに音はたいしたことはないしで邪魔物以外の何物でもない。
とりあえず音は出ていた(爆)。No.29Lという非力なアンプで4発の重いウーファーを駆動しているので低域は「バスーン、ドスーン」と締まりのないこと夥しい。ミッドバスから上は相変わらず出来の悪いネットワークのせいで濁りがある。なによりも音色が暗い。まるで4350が穴倉に押し込められて自身の不幸を嘆くかのごとくイジイジしたサウンドである。もし、こんな透明感のない中高域で満足してるようなら、その人は相当耳が悪い証拠である。
もちろんpippinechoesさんもこれに満足しているわけではない。去年BigBlockを聴いてショックを受け、私に「なんとかして」と診断とチューニングを依頼されたというわけである。
だがチューニングといってもこのラインアップではどうしようもない。要はベリンガーDEQ2496のEQでなんとかロックがまともに聴けるようにしてくれということなのである。仕方がないのでDEQ2496のAUTO
EQでフラットに補正し、あとはパラメトリックEQで調整することにした。低域の量感を出すため100Hz以下をなだらかにブーストし、グルーヴ感を出すため300Hzも盛り上げ、暗い中域の改善のため1KHz近辺を5dBほどアップする。逆にキツクなりがちな4KHz周辺は2dBほどダウンさせた。
これでなんとか聴けるようにはなったが、EQで改善されるのはエネルギーバランスだけで、締まりのない低域や濁った中高域がこれで改善されるわけではない。チューニングといっても世間でまことしやかに言われているような小手先の姑息な手段は実はほとんど効果がない。それは単なる自己満足にすぎない。根本的な解決にはパワーアンプの交換とかネットワークを廃して直結マルチアンプにするとかの手段がどうしても必要だ。だがpippinechoesさんはそこまではやる気はないらしい・・・。
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趣味のオーディオには学校も試験もなんにもない。まったく楽しい楽しいゲゲゲの鬼太郎の妖怪の世界と同じである。だからどんな音を出しているかなんて実際に聴いて判断するしかない。だが、これも問題があって、一貫した判断基準がないから聴く人のレベルによって判断基準が異なるわけである。
要するに世の中、下には下があって、そういう人にとってはこういう出来損ないの吊るしのJBLでも十分満足なのである。解像度オンリーのいびつなハイエンドもまたしかりである。そういう低レベルの人間が集まってネット上で「良い」とか「素晴らしい」とかお互いを慰めあっているだけである。
JAZZやROCKを気持ちよく聴くためには高能率な15インチウーファーと4インチドライバ、そしてマルチウエイマルチアンプ駆動は不可欠である。それは一般家庭の部屋でも変わりはない。いや、むしろ大音量を出せない一般家庭こそ繊細な調整が可能なマルチウエイ |
マルチアンプは必須であろう。
pippinechoesさんもせっかくJBLを買ったのだから、音をあきらめてブランド物の装置を揃えるだけで満足せず、もう一段の高みを目指して欲しいと思った。音楽を知らないその辺の口ばっかりのオーディオマニアと違って、pippinechoesさんには長年ロックを聴いてきたという立派な資産がある。これを活かせばそれこそ真の「素晴らしい」音が出せるはずである。
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