2003.11.19

というわけで604-8Hと620Bのセッティングを行った。604-8Hはさすがに重く約15kgもある。毎度のことながらエンクロージャーに取り付けるのは至難のわざだ。二人がかりでユニットを支えてもうひとりがボルトを締める。マグネットのある後の方が重いので垂直に固定するのが15kgという重量以上に難しい。単に15kgのものを持つだけなら別に難しくないが、きちんと垂直に支えていなければならないので面倒なのだ。

純正のネットワークであるが、配線するには端子にケーブルをハンダづけしなければならないのが現物を見て判明した。これも面倒なのでネットワークによる駆動は瞬時にボツにしてマルチでいくことにした。2本のSPケーブルはバスレフ穴から出す。ウーファー用が日立SX-405(OFC)、ツイーター用がカナレ4S6である。どちらも細くて頼りないが、これより太いケーブルはユニットの端子には入らない。純正ネットワークは不要になったが無いと不細工なのではめ込んである。

仕事が終わってから作業を行ったので今日はここまでだ。急遽マルチになったのでチャンデバやプリを持ってこなければ音出しができない。TU-8730も必要だ。続きは明日ということで・・・

2003.11.20

今日は雨天だったが、待ちきれず機材を持ち込み604-8Hのセッティングを行った。使用機材は、

DAT パイオニアD-05
CDP TEAC CDP-1850
プリ ヤマハ A2000Aのプリ部
チャンデバ ベリンガー
パワー  Elekit TU-8730(ドライバ) 
      Phonic XP3000(ウーファー)

2WAYだとかえって調整は難しい。ある帯域に不満があってもそこだけレベルを増減させるというわけにはいかない。A2000Aのトーンコントロールはターンオーバー周波数がLOWが150Hzと500Hz、HIGHが3KHzと8KHzに切り替えが可能なので、これとチャンデバのレベルコントロールをいろいろ調整してなんとか満足いくところまでセッティングすることができた。

意外だったのはベリンガーについているCDホーン補正スイッチの効果だ。近年のワイド指向性ホーン(JBLバイラジアル、ALTECマンタレー、EV CDなど)は高域になるほど軸上のレベルが低下する。これを補正するために純正のネットワークにはイコライジング回路が組み込まれている。マルチの場合も純正のチャンデバには補正のためのイコライジングされた周波数ボードが用意されている。

ベリンガーにもこの補正用のスイッチがついていたので試しにONにしてみるとこれがなかなか良い。曇りがちだった中高域が急に生き生きと鳴ったのには驚いた。どれもおもちゃのようなベリンガーの製品だが、やはりスイッチは伊達についているわけではないようだ。

メインソースはSPUでアナログをDATに録音したテープである。50〜60年代JAZZが中心であるからウチのA5の音をめざして調整をおこなった。

ウーファー部は515とほとんど同じであるが、フロントロードで中低域が盛り上がっているA5とバスレフの620Bでは当然音は異なる。100Hz以下があまり出ないのは同じであるが620Bの方がフラットで素直な音だ。ウッドベースやスネアの空気感が絶妙のA5と比べるとこの辺は物足りない。
その代わりフラットな分重低域まで伸びているように聴こえる。2231やガウスのような重低音感はないが、最近録音のソースもなんとか聴けるレベルである。2KHzまで受け持っているわりにはヴォーカルなども緻密で艶かしい。さすがALTECである。

ドライバ領域は1インチスロート+小型ホーンという先入観からか、しゃりしゃりした薄い音に聴こえる。288-16G+311-90が出す重みのあるエネルギー感は出ない。やはり一度大型コンプレッションドライバの出す音にに慣れてしまうと後退は難しい・・・。もっとも世間では1インチドライバどころか、もっとしょぼいドームツイーターでなんの不満もない人が大多数だが。

もちろんA5と同じ音では面白くもなんともない。これはレコーディングモニターらしい精密な音をめざして調整していこうと思う。

アキュフェーズF20を入手した。BigBlockのDBXに換えてつかうつもりである。やはりアキュフェーズのチャンデバが一番信頼感がある。今は70Hzのボードしかないのでスタンバイ状態だ。

2003.11.21

同じような写真ばかりで申し訳ないが、今日はAIR THIGHT のパッシブアッテネターとCSE R-50を持ち込んだ。早速R-50をDATデッキの電源として接続するが、正直なところ効果の程はよくわからない。ところがCDPを接続したところ低域が締りはっきりくっきりした音になった。これは結構な変化である。

次はウーファーとドライバの位相合わせである。昨日一応ドライバ側を正相、逆相と両方聴き比べて逆相にしてある。ベリンガーはLOW側にディレイがかけられるのでこれを試してみようというわけだ。
ウーファーはドライバよりおよそ20cm程前にある。ということは音速は秒速340mであるから20÷34000×1000=0.59msecほど進めればよい。早速やってみるが、なぜかディレイをかけていくにしたがって高域がおとなしくなっていく。ドライバの方が早く音を出す方向にもっていっているはずなのに予想とは逆の結果であった。これは想像だが位相が合ったことでクロス付近の盛り上がりがなくなって大人しい音になるのだろうか?どっちにせよ好みの音ではないのでディレイはヤメにした。

次はAIR TIGHTのATL-10Aだ。これは増幅回路を持たないパッシブアッテネーターである。こういうのは音の鮮度が良いとかいうが、概してそれは絵に描いた餅であって、出力インピーダンスが低くできないので力感に乏しい音になりがちである。はたしてこれはどうか?

AIR TIGHTのATL-10Aであるが、さすがに増幅回路が無いだけにすっきりとした歪みのない音がする。そのためチャンデバのドライバ側を2dBアップする必要があった程である。心配した低域の押し出しもあまり不満はない。このATL-10Aはボリュームをノーマルより高品質なものに交換してあるからその成果が出ているのかもしれない。もともとボディも高剛性で、中身がほとんどないのにズッシリと重い。案外これはお買い得製品だったかもしれない。
だが、本当のところはYAMAHA A2000Aのプリ部がお粗末すぎるだけかもしれない。プリアンプはスピーカーの次に音を決める最重要パートだ。ここにお粗末なものを使っていれば絶対にいい音は出ない。残念ながらプリアンプにはアムクロンのような業務用のいいモノがないため、どうしてもオーディオ用の高価なものを使わざるを得ない。経験から言うと定価ベースでいえば80万以上のものでないと使い物にはならない。
ATL-10Aはパッシブアッテネーターであるから強力な電源トランスやラインアンプなどが不要だ。ボリュームさえいいモノを使えば結構使えるのだろう。当分はこれでいってみることにしよう。

先日CSE R100をオークションで購入し、ガラードで好結果を得たことは報告した。今回Hi-Fi堂にR100とR50がまとめて売りに出ていたので(安かった)速攻でゲットしたのだ。R50を604-8HのCDPに使って良かったため、R100を家に持ち帰りワディア21につないでみた。
昨夜、pippnechoesさんの襲撃に備えてBigBlockで久しぶりにCDを聴いたのだが、どうも低域に不満(不安?)があった。F20の周波数ボードが70Hzしかないので、これを使った場合のシミュレーションでとりあえずDBXでクロスを70Hz〜150Hzまで変化させてみたりしたがどうも思わしくない。結局クロスを125Hzに上げることで妥協したのだった。

ところが今晩R100をワディア21に接続して昨夜と同じCDを聴いてみると低域が全然違う。昼間のR50の効果とと同じで硬くて締まった低音がモリモリ出てくる。もともと低域の量に関しては問題ないので、こうなると完璧に近い。どうもCSEは回転系に効果があるようである。もっともスペースデッキとは相性が悪かったが。

ガラード用のR100の出力コンセントがひとつ余っている。これをCEC TL51に使えばさらにいいかも。まあ、とりあえずこれで日曜の備えは終了だ。

2003.11.22

しんたさんにお借りしたままのデジタルイコライザー兼DAC BEHRINGER DSP8024を604-8Hに使ってみることにした。これはデジタルインで使わないとノイズが多くてダメらしい。そこでCDトランスポートはAES/EBU出力のあるCEC TL5100を使う。後はDSP8024専用デジタルインターフェイスとAES/EBUのデジタルケーブルが必要だ。サウンドハウスに専用インターフェイスとZAOLLAのAES/EBUデジタルケーブルを注文する。TL5100とDSP8024をデジタル接続し、内蔵DACを通してアナログ出力する予定である。これならイコライジングしなくても今のTEAC CDP-1850よりはいい音がするだろう。

キングクリムゾン「太陽と戦慄」を久々に聴いた。だがやはりこれは世紀の駄作であった。

ベリンガーのチャンデバはバランスしか入出力がないので機器の接続には苦労する。プリとデバイダの間は最初左のような変換ケーブルを使っていたが、さすがに1本400円ぐらいの安モンに気が引けて、XLR(オス)−ピン(メス)の変換コネクタを用意してZAOLLAの銀線ピンケーブルに変えた。同時にCDP−プリ間もオマケの赤白ケーブルからカルダスクロスに交換した。

ここまでやると低域にもう一層力が出てくる。中高域はあまり変化は感じられないが、下は引き締まってなかなかいい感じだ。

ここまできて山下達郎なんかを聴くと「まあまあやなあ」などと思っていたのだが、事前の予想に反してロック系はよくてもJAZZがイマイチである。ウッドベースに締りがなく、サックスがゴリゴリといわない。とてもじゃないがミュージシャンがそこに立っている、などというのには程遠い。ドラムの打音もパチンパチンではなくベシャッ、といった感じだ。ウーン、どこが悪いのか?今までの経験からすると、クロスが高くなればなるほど低域の締りがなくなってくる。ベースがボワーンとするのはそのせいだろう。やはり2KHzまで受け持つウーファーが苦しいようだ。

オリジナル派にはしかられそうだが、なにも2WAYに固執する必要はない。例えば409-8Eをウーファーとドライバの間に入れて3WAYマルチにしてみるのも面白いかもしれない。クロスを500Hz、3KHzぐらいにすれば両方の弱点も克服されるかも。こいうのがすぐ実験できるのがマルチのいいところだ。来週さっそくやってみることにしよう。

今日はJBL4350を昨日導入したばかりのpippnechoesさんが来られる。ソナスファーベルから4350という節操のない(笑)変遷だが一体どんな音が好みなのだろう。HPを見ていると、オーディオマニアというよりは少しヲタクの入ったコレクターといった感じである。収集対象はステレオサウンドや菅野沖彦録音もの、宮沢明子と全然統一感がない。
だいたいビートルズのファンというのが不気味である。私の年代にはビートルズの熱狂的なファンはいない。物心ついた時にはビートルズはすでに解散していてジミヘンやクリームから発展したハードロックが主流であったのだ。だからビートルズなどメロディメーカーとしての功績は認めるが演奏内容にはなんの魅力も感じない。わざわざ大袈裟なオーディオ装置で聴く気などおきない。なるだけ音量を絞ってラジカセなんかで聴くのがちょうど良い。どこでどう間違ってビートルズなんかの「熱狂的な」ファンになったのか?

どうやら音は二の次、生まれたばかりのヒナ鳥が最初に見たものを親と信じるのと同じで、第一印象に強烈に支配される人のようである。そういえばアナログプレーヤーはなぜかトーレンスレファレンスである。カッコはいいがおよそロックを聴くものが使うプレーヤーではない。大袈裟なカッコのくせにフラフラのフローティングターンテーブルは気に食わないし、純正のアームもカートリッジが限定される。いろんなプレーヤーを使いこんで最後に「面倒だからもういいや、これなら人に後指さされることもないし」とあきらめの心境で使うプレーヤーであろう。
はたして今回の4350もその音を十分理解して導入したのか怪しいものである。おそらくごんたさんや紫音♪さんところで実物を見て、(音ではなく)その佇まいに感化されたに違いない。いつかはJBL、JBLなら一番エキセントリックな4350と単純に考えてしまうのがこういう人達の行動パターンなのだ。

これは決してケナシテいるのではない。まあ、私だって同じようなものであるから。メーカーや雑誌の受け売りで右に倣え、寄らば大樹の影でエラソウなことをほざいている自称ハイエンダーにならないだけエライではないか。

2003.11.23

2003.11.24

というわけで、昨日は予定どおりpippinechoesさんが拙宅にいらっしゃた。おまけにあの(といっても読んだことはないが)「オーディオベーシック」誌の編集長であるK氏も一緒であった。オーディオ誌の編集長ともなればいろんなところでいろんな音を聴いてこられたはずである。オーディオよりもソース重視の音楽好きのpippinechoesさんだけなら余裕だが(笑)、これは相手が悪い。最初はちょっと緊張した。

ネットではいろいろやりとりをしていたがpippinechoesさんに実際お会いするのは初めて。60年代〜70年代初頭のブリティッシュロックがお好みということで、ビートルズ、エリッククラプトン、レッドツェッペリン、ピンクフロイド、キングクリムゾンあたりがメインのようだ。まあ要するに典型的なロック少年だったのだろう。どちらかといえばアメリカンブルースロックが好きな私とは微妙にスタンスが異なる。それでもオーディオの話ではなく、音楽の話が「通じる」のは楽しい。訳のわからないヴォーカルものやJ-popなんかを持ち出されては、いくら録音が良いとかいわれてもなんの感動もない。K氏のほうはとといえば編集者には似つかわしくなく、やたら寡黙で不気味である。一体どんな音楽を普段聴くのだろう?

ひととおり話をしたあと、ここは一発、挨拶がわりということでMISSING PERSONS "RHYME&REASON"をかける。ビルブラフォードの後釜としてUKに入ったテリーボジオが奥さんのデールボジオをヴォーカルにして結成したプログレハード系&ヴィジュアル系バンドである。カッコはヴィジュアル系だが演奏内容はなかなか高度で気合いが入っている。80年代の録音であるから音も良い。
ダンサンブルでノリのいいメロディにテリーボジオの重量級ドラムが炸裂して、これにシンセやギターが絡む。この一撃でお二人はすっかりノックアウトされたようであった。

話をしてみるとK氏も相当なロックファンであることが判明した。3人の年齢もひとつずつしか違わない。こうなれば遠慮は不要だ。ドービー、ブラックサバス、EL&P、ピンクフロイド、YESなど往年のロックを次から次へと矢継ぎ早にかけていく。BigBlockは絶好調である。
最後にpippnnechoesさん持参のエリッククラプトン(オリジナルUK盤とモービルフェディリティ盤)、ビートルズ(Please Please Me オリジナルモノ盤)をかけた。乾いた荒々しい音がオリジナルUK盤らしくて、いままでいろんなところで聴いたこのレコードが今回最高に良く鳴ったらしい。

途中、K氏に「ユニットもアンプもバラバラの5WAYマルチなのにつながりに違和感が全然ないですね。よくここまで音をまとめましたね」といわれた。そういわれると確かに自分でも不思議な気がするが、逆に当然のことであるとも言える。やはり音楽を知らない単なる機械好きのオーディオマニアではなく、こういう年季の入った音楽ファンでなければ「いい音」というものが何たるかを理解できないだろう。pippinechoesさんにしても私にしても30年以上聴き続けてきて、こう鳴れば気持ちよく聴けるという音色やエネルギーバランスが身にしみてしまっている。だから私が自分でいいと思えるように調整したBigBlockやA5が彼らにもいい音に聴こえるのは当然のことなのだ。

こんな風にも尋ねられた。「これ全部自分ひとりで構想を考えて作ったんですか?」。ユニットの選定、箱のデザイン、アンプの組み合わせ、クロス周波数の決定など、たしかに言われてみれば選択肢は無限にある。JBL4350を吊るしで買ってきて指定通りのクロスで鳴らすことと比べたらBigBlockなど複雑怪奇な怪物に見えるのだろう。誰かに教わってやっていると誤解されても仕方がないか。
だが別に誰かに教わったわけではない。絶えず情報のアンテナを張り巡らし、あらゆる書籍を何度も読み返し、機会があれば実験してみる。もちろん失敗もある。要は理想とする音のイメージに近づくための執念があれば簡単なことなのである。

pippinechoesさんにも明確な音のイメージはある。4350も十分とはいえないがまあまあの線はいっている。後はこれを自分のイメージ通りに鳴らすだけだ。それにはいくらレヴィンソンでもNo.29Lじゃ無理だろう。トーレンスもいずれはネックになるに違いない。これは襲撃が楽しみだ。なるだけ早期に行って問題点を指摘することにしよう(笑)。

2003.11.25

昨日は休みだったので604-8Hをじっくり聴いた。5秒ほど熟慮の末、「FREE LIVE!」「YES RUDDER」「JOHN CORTRANE&KENNY BURELL」の三枚を家から持っていった。
ここは休みの日は爆音が出せる。拙宅に来られた方ならおわかりだろうが、あのBigBlockよりも大音量を出して聴いてみた。相当の爆音である。

604-8Hはまだ音の傾向がはっきりと掴めない。重低域まで伸びてはいるが中低域の張り出しが弱い。中高域は賑やかでやや薄っぺらい。高域はあまり出ていない。こういう印象である。
一枚目にFREEをかける。70年ごろのライブ録音、荒っぽい音であるがドラムやギターは結構生々しく入っている。これはとてもよかった。BigBlockよりも良いぐらいだ。A5とBigBlockの中間ぐらいの重量感の低域がドンピシャである。中域が張っているのでヴォーカルもくっきりと出てくる。なによりもスネアがスコーンと抜けるところが最高である。

50年代〜60年代JAZZだとA5の方が引き締まっていいが、70年頃ののロックになると604-8Hがちょうど良い。これをpippinechoesさんが聴いたら狂気乱舞することだろう。
続いて最近の録音であるYES RUDDERをかける。これはイマイチであった。低い方は悪くはないが上がシャカシャカいって耳がつぶれそうだ。あわててドライバのレベルを2dBぐらい下げた。だがヴォーカルはとても良い。これだけでも聴いてみようという気になる音だ。

だがやはり古いJAZZはもうひとつであった。録音の古さがやたらと耳について音楽が楽しめない。当時の人工的なエコーがわかりすぎてやたら不自然に聴こえる。やはりこれはモニタースピーカーなんだと納得させられる。

最後にたいした期待もせずに「モーツアルト ピアノコンチェルト20番 ルービンシュタイン」を聴いた。録音データも不明の廉価盤である。ALTECでクラシックがマトモに鳴るとは誰も期待しないだろう。だがこれはFREEに負けず劣らず良かった。なんといってもピアノの音が絶品である。中高域が張っているので硬質な響きなのだが、これがかえって緊張感を醸しだしてとても生々しい。A5だと厚みがありすぎてまろやかに鳴るし、BigBlockは中低域が勝ってしまう。このへんのバランスが絶妙であった。そしてこっちは自然のホールトーンが大変キレイに出る。同軸フルレンジの利点である。弦が荒っぽくなるかと思ったが、オーケストラの中の弦だからキツクなることもなく問題なかった。これがヴァイオリンソナタなどだとちょっとつらいだろうがオケならやはり大型フロアー型のメリットの方が大きい。なんといってもスケール感が全然違う。

604-8Hシステムはムカイの御影石ボード(40kg)に御影石ブロックで3点支持で設置している。アンプ類はいまのところ床に直置きで積み上げたままだ。振動に特に弱いTU-8730がSPの直前にあるなど問題は多い。明日にはムカイの御影石ボード(30kg)とタオックSS-3というラックが届く予定である。これでちゃんとセッティングを行えば締まりのない低域も少しはしっかりするだろう。中高域の荒さも多少解消されるかも。
同じく明日にはDSP8024用のデジタルインターフェイスも届くので、CDTをCEC TL5100、DACをDSP8024にすることができる。これで一段とクオリティアップする予定である。

2003.11.26

ヘンなサイトのヘンな管理人から因縁をつけられている。詳しい経過は皆さんご存知だと思うので省略するが、ご覧のように脅迫まがいの脅しをかけられている。もしこのサイトが突然おかしくなったり更新がとだえたらそれは某サイト管理人の仕業だと思って欲しい・・・。

今日は午前中にすべてのブツが届くはずだったが(例のごとく)手違いでムカイのオーディオボードとタオックのラックしかこなかった。DSP8024関係のパーツは夜自宅に届いたので何もできなかったのだ。
左が届いたムカイの白御影石ボードである。重量約30kg、これで一枚¥5000である。604-8Hの下にひいているものは重量が約40kg、一人ではとても運べない。ヤマトのおにいさんは一人で運んできたけど・・。
一枚はパワーアンプ、もう一枚はタオックの下にひく予定である。

帰宅するとサウンドハウスからブツが届いていた。ZAOLLAのAES/EBUデジタルケーブル、DSP8024用デジタルインターフェイス、XLR(オス)−ピン(メス)変換コネクタ4個である。

写真の冊子はpippinechoesさんが編集されている「働く広場」である。障害者や高齢者の雇用問題を扱ったものだ。なにを隠そう私は学生の頃ボランティアをやっていたのでこういう話は詳しい。
pippnechoesさん、冊子をお送りいただいてありがとうございました。拙宅の訪問記もそちらのHPに書いていただいた。この場を借りて厚く御礼申し上げる次第である。

2003.11.27

機材が揃ったのでセッティングを早速行った。タオックSS-3を御影石ボードの上に置き、機材を設置する。SS-3の足はスパイクになっていて必要に応じてスパイク受けを使用するようになっているが、今回は御影石に直接スパイクさせた。
SS-3はフレームは例の鋳鉄のようだが棚板は普通の板のように思える。結構重量があるが叩くと鳴きが出る。案外たいしたことはないのかもしれない。ムカイにこれと入れ替える専用の御影石ボードがあるのでこっちに変更したほうが良いかも。

その前にDSP8024にデジタルインターフェイスを装着したのだが、天板をはずすのにネジが硬くてたいへん苦労した。造りが悪いので無理やりネジ留めしてあるのだろう。10本ほどネジをはずせばはずれるのだが1本がどうしてもはずれない。無理やりやったらネジの頭をなめてしまった。仕方が無いので仕事道具を使って新たにマイナスの深い溝を掘り、大型のマイナスドライバーでやっとはずすことができた。これだけに1時間以上かかってしまった。まったくいつものことだが、こういうのはすんなりいった試しがない。必ずどこかでつまずいて時間がかかってしまう。

天板さえはずれればあとは簡単である。ボードを差
し込んでXLRコネクターを取り付ければ完了だ。

これでやっと音だしができるようになったのだが、DSP8024は機能が多すぎて使い方がよくわからない。EQもリアルタイムアナライザもいらない、DACさえ使えれば良いのであるが標準はアナログ入力なので、これをデジタル入力に変更するだけでもメニューを探し出すのに苦労する。
5分ぐらいあれこれボタンを触ってやっとデジタル入力にすることができた。ただマニュアルにはデジタル入力はサンプリング周波数が自動的に32KHzになるとか書いてあるような気がする。時間がなかったのでチラッとみただけで終わってしまったが、はたして大丈夫なのだろうか?

とりあえず音を出してみた。なんかヘンな音である。中高域がやたらキツクて中低域に腰がない。月曜日に聴いて感動したモーツアルトやFREEが全然良くない。これは一体どうしたことか?CDTもDACも変わっているし、床に直置き積み上げからラックに入れたし、一度に大幅な変更をしたから音が変わるのは理解できるが、まったく良くないというのはどういうわけだろう?試しにCDPをTEACに戻してみた。DSP8024もパスである。これの方が多少いいがやはり先日の切れ味は出ていないような気がする。特に中低域の凄みがなくなってしまった。

時間がないので試聴は15分程度しかできなかった。後日ゆっくり聴きなおしてみることにする。それにしてもDSP8024のサンプリング周波数のことは気になる。

2003.11.28

DSP8024のマニュアルを再度確認したところ、やはりオプションのAES/EBU使用時はサンプルレートが32KHzに固定と書いてあった。
なるほど音が悪いはずである。これでは使い物にはならない。いまどきサンプルレートが32KHzのものなど一体誰が使うのだろう?
新型のDEQ2496だと標準でデジタル入力もついているしサンプルレートも44.1KHz以上のようである(マニュアルによる)。DACも最新のもだろうしこっちの方が良いかもしれない。

それにしても某サイトにはDSP8024のデジタル入力で内蔵DACを使って再生するとCEC TL5100Zの内蔵DACよりいい音がした、などといういい加減な記事が載っている。もちろんDSP8024がデジタル入力でサンプルレートが32KHzになるなんてことはまったく書いていない。おそらく気がついていないのだろう。ちなみにTL5100ZとZがつけばDAC内蔵モデル、ただのTL5100がCDTである。

オーディオなんて個人の趣味であるし、すべてが自己責任でやっているものだからこの記事に騙されたとかいうつもりは全くない。音の良し悪しなんて主観的なものだから極端な話、44.1KHzより32KHzの方がいい音だと主張したってかまわないだろう。現にCDとSACDをブラインドテストで聞き比べればCDの方が音がいいという人が結構いるらしい。
だが、あえて苦言を述べさせてもらえばここのサイトの記事はデータやスペックの誤りが多いし、記事も機材の導入のことばかりで中途半端な尻切れトンボが多い。機材を山のように溜め込んで自己満足するのも趣味のうちだが、能力の限界を超えていて情報を整理できないのにWEBでいい加減なことを載せるのは迷惑だ。

2003.11.29

というわけでDSP8024はあきらめて、TEAC CDP-1850に戻した。換わりにDEQ2496を注文したので月曜日にはTL5100+DEQ2496で鳴らすことができるだろう。

今日も604-8Hを聴きこんでみたが、どうやらドライバ領域が汚い音を出してるのが判明した。TU-8730と相性が悪いらしい。A5の288-16Gとはこれ以外にない、という相性の良さを発揮するTU-873(0)であるが、同じALTECでも1インチとは相性が悪いのか?
そこで意を決してTU-8730をやめ、YAMAHA A2000Aのパワーアンプ部を使ってみることにした。YAMAHAサウンドは精緻な温度感の低いモニターサウンドといった球のアンプとは正反対のイメージだが案外ドライバ+ホーンとは合う。まあ、なんでもそうだが合うか合わないかは実際使ってみなければわからない。

2003.11.30

昨日はA2000Aにつなぎ換えただけで終わってしまったので、今日はまた休みを利用して604-8Hをじっくり聴いてみた。
これでやっとマトモな音になったというのが感想だ。濁ったような荒さがとれて中高域が澄んでいる。左右のセパレーションも優秀である。さすがはメーカーが威信をかけて開発していた80年代の製品だけのことはある。中域が薄くなるかと心配したがそのようなこともなく、なかなか艶やかに鳴ってくれる。贅沢を言わなければドライバ領域はこれで十分かもしれない。逆にPhonic XP3000の軽くて乾いた低域が欠点として目立つようになってきた。

TU-8730でうまくいかないのは604-8Hとの相性ではなく、デバイダとの相性が悪かったのかもしれないと考えている。TU-8730の入力インピーダンスが低すぎるかベリンガーの出力インピーダンスが高すぎるのだろう。一般に機器の接続はロー出し、ハイ受けが基本である。これが上手くいかないと本来の性能が発揮できない。どちらも廉価な製品だから、組み合わせた場合不幸な結果になることは十分考えられる。どちらかがしっかりしていれば大丈夫だったかもしれない。

調べてみたところベリンガーCX3400の出力インピーダンスは60Ω、TU-8730の入力インピーダンスは65KΩであった。A2000Aのパワー部の入力インピーダンスは1MΩである。だが一般にプリアンプやパワーアンプのの入力インピーダンスは50KΩ以下である。TU-8730はカタログスペックを見る限り低いわけではない。ベリンガーの出力インピーダンスも十分低い(バランスとしては)。この辺は謎である。

2003.12.1

ベリンガーDEQ2496がやってきた。DSP8024と比べると高さが半分、奥行きも2/3ぐらいしかない。チャンデバのCX3400と同サイズだ。
これはDSP8024(9024)より少し多機能のモデルだ。ADC、DACとも96KHzサンプルレートである。

基本的にはスタジオやPAの現場で使うイコライザである。ただアナログではなくデジタル処理をするためADCやDACを搭載している。当然デジタル入力も可能である。DSP8024はこれがオプションでしかもサンプルレートが32KHzに固定という仕様だったのでボツになったわけである。
今回の狙いはイコライザにあるわけではなく、自宅では出番がなく余っているCEC TL5100からデジタル入力でDEQ2496内蔵DACを使えば、現用のTEACよりいい音がするだろうというだけである。オーディオ用のDACとなるとまともなものは最低10万はする。38000円のDEQ2496がどこまで使えるか興味のあるところであった。

DEQ2496は単体DACだけでなくいろいろな機能がついている。

@GEQ 1/3oct
APEQ パラメトリックイコライザ
BDEQ ダイナミックイコライザ 詳細不明である、なんのこっちゃ(笑)
CFBD フィードバックデストロイヤー 
DWIDTH サラウンド機能のようである
EDYN コンプレッサー エキスパンダー
FRTA リアルタイムアナライザー
GAUTO EQ  DG38とおなじマイクで測定してフラットにする機能
HPINKNOISE GENERATER
IDELAY

この中で使えそうなのは@AGぐらいであるが、それにしてもよくこんな低価格で小さい筐体に機能を詰め込んだものだと感心する。オーディオ用だと恐らく100万はくだらないであろう。

とりあえず内蔵DACのみを使用してみた。TL5100とDEQ2496をXLRデジタルケーブルで接続する。DBX DRIVERACやDSP8024もそうだが、この手のデジタル機器は初めて操作するときはパネルを見てもさっぱり要領を得ない。略号で記されたボタンが漫然と並んでいるだけで、ボタンの意味まではなかなかわからない。それに間違えたときにもとに戻る方法もよくわからないので無闇に操作するのが恐ろしい。
DEQ2496のパネルを精神を集中させてぐっと睨むとIOというボタンがあった。入力切替はこれに違いない。このボタンを押すと、果たして中央の液晶画面が切り替わり入力をどれを選ぶかの図が現れた。ここで大きいつまみをグルっと回すと、画面の図も変化して内部の接続状況が切り替わる。入力をXLRデジタルに切り替えると無事音がでた。出力はもちろんアナログである。

音はなかなか良い。まず低域の力感がTEACとはまったく違う。一体いままで何を聴いていたんだろうというぐらい違う。さすがに15000円のCDPは音が悪い、というのを実感した一瞬であった。クラシックとともにもっとも苦手そうな最新録音のBlackミュージックの重低音まで軽々と再生するにはちょっと驚いた。Phonic XP3000もこれだとなかなか良い。これはDACというよりトランスポートの違いだろう。TL5100もBigBlockでは力不足であるが、シングルウーファーでコーン紙の硬い515系にはその柔らかい傾向の音がやはり合うようである。
中高域はベルトドライブ特有の滑らかさで聴きやすい。1インチのキツメになりがちなところをうまく抑えてくれるようだ。CDの音ははもうこれで十分といった感じである。

ところでべリンガーにはDCX2496というのもあって、これはDEQ2496と同じようなデジタルEQに加えて(おそらく)3WAYのデジタルチャンデバも内蔵している。今回DEQ2496を注文してから気がついたのであるが、これでも値段は5万円を切っている。今度はこれも使ってみたいと思うようになってきた。どうやらベリンガー病にかかったようである。

2003.12.2

DEQ2496だが、デジタル入力で使うかぎり特にノイズの発生もなく快適である。使い方も馴れれば簡単だ。ボタンを押して機能を選択すれば液晶画面が切り替わる。あとはグラフィックを見ながら三つのノブを回したり押したりすれば良い。すべて視覚的に理解できるようになっているので落ち着いてやれば難しくない。

AUTO EQを使ってフラットに調整しようとしたがECM8000という専用マイクにはケーブルが付属しておらず今日は断念した。コネクタを見る限り普通のバランスケーブルでよいようだが。

IO設定画面 内部でどういう接続になっているか一目でわかる

GEQ画面 200Hz以下と10KHz以上を持ち上げている

RTA画面

DSP8024がデジタル入力がオプションでしかもバランス専用だったので、DEQ2496もそんなイメージがあったけど、考えてみればDEQ2496には光入力もある。それならこれを使ってDATからもデジタルで入力できるかもしれない。、問題はDATが96KHzサンプルレート録音であることだ。DEQ2496も96KHzに対応している(はず)だが、光ケーブルがはたして対応しているのだろうか?これもやってみないとわからない。
とかなんとか妄想を膨らませていたが、確認してみるとDAT側は光は入力しかなかった。同軸なら入出力があるのだが。というわけでこの案はボツである。

こんなモードもある VUメータ LNP-2Lみたい(どこが?)

2003.12.3

ごんたさんにフェライトマグネットの2405Hをお借りしたのでBigBlockの2405(アルニコ)と聴き比べを行った。ごらんのように外磁型の2405Hは非常に情けない不細工な格好をしている。やはり美しいモノからはいい音がする。アルニコのスマートな形と比べると、もう聴く前から勝負は決しているといった感じである。

2405から2405Hに換えると急に音が賑やかになる。データ上は同じだがおそらくレベルも微妙にちがうのだろう。だがそんなことよりも音の出方がかなり違うようだ。2405Hでは音が軽くてシャラシャラと鳴る。なんか安っぽい音だ。アルニコの方が音が重い。ヘタをするとガラスを叩いたような音にもなるがシンバルの音はこっちの方がリアルだ。
だが、これは好みの問題かもしれない。どっちでも好きな方を取れば良い。それにアンプを代えれば多少は印象も違うだろう。その程度の違いである。ブラインドで比べればわからないかも。しつこいようだが2405Hは形が悪い。毎日にらみながら聴くのだからこの不細工さは致命的だ。

ところで某BBSでスーパーツイーターのことが話題になっていた。完成品にスーパーツイーターをコンデンサでローカットして追加するわけだが、よく読んでみると本体と能率を合わせるためにみんな抵抗型のアッテネーターをかましてしまっている。これではダメである。これで音が良いとか悪いとか言ってるようではまだまだ勉強不足といわれても否めないだろう。私のようにマルチアンプなら問題はないが、ユニットに直列に抵抗を入れればどんないいツイーターも台無しである。キレも悪くなるし、音が濁ってしまう。

こういう場合は2μF(8Ωの場合)とかいう大容量のコンデンサを使わずに0.2μFぐらいの極小のものを使う。クロス周波数は計算上100KHz以上(10KHzのマチガイではない)。左のグラフのように100KHzから-6dB/octでダラ下がりに減衰してくるから、ちょうど10KHzあたりで本体と能率が合うというわけだ。これなら有害なアッテネーターは必要ない。

コンデンサの容量は聴感で決める。0.2μか0.1μあたりにちょうど良いところがあるはずである。

自宅から4mのバランスケーブルを持ち込みECM8000でAUTO EQを使ってみた。
左が補正後のEQ画面である。これを見るとちょうどドライバ領域が3−5dBぐらいアップしている。

耳に突き刺さるようなキツイ音はキライなので、聴感で調整するとやはりハイ下がりの大人しい音になっていたようだ。この状態でいつもの曲を聴いてみるとやはり相当キンキンした音に聴こえる。だが単にキツイというわけではなく中域のエネルギーバランスがとれたせいでこれで聴けないというわけではない。ピークディップが解消されたため荒々しさが無い。単にドライバのレベルを上げただけとはここが違うところだ。
なるほど、ヴォーカルが一層リアルになった。細かい唇の動きやブレスの様子がよくわかる。バックの演奏からヴォーカルだけが浮き出てくる。サ行はやや強め、これは604-8Hの1インチドライバの持つ宿命だろう。このヴォーカルの出方は二度ほどいって聴いたスタジオの音を彷彿とさせる。

DEQ2496のAUTO EQはDG38より賢いところもある。実際の計測補正では誤差が大きすぎる低域だけ補正を除外することができるのだ。マニュアルには100Hz以下は正確な補正ができないので計測から除外するようにとガイドが書いてあった。この周波数は任意に選べるし、全帯域を補正することももちろんできる。
たしかにDG38を使っていると30Hzあたりまで強引にフラットに(画面上)するとあきらかに低域の量感が不足する。聴感上ちょうど良いという低域のレベルはこの状態から手動で6dB以上上げたところにある。。前から不思議に思っていたのだがこれでなんとなくわかったような気がした。

2003.12.4

今日は芝刈り、砂場遊びの日なのでオーディオは休みだ。そこで余談だが、前述のスーパーツイーターにATTを挿入するとどうして良くないかを考察しよう。

一般にスーパーツイーター側からみたシステムのダンピングファクターDFは

DF=Z÷(R+RATT+ZC)・・・・・・@ 

Z=ボイスコイルインピーダンス 
R=アンプの内部抵抗(いわゆるアンプのDFの逆数) 
RATT=ATTの直流抵抗 
ZC=ローカット用コンデンサの容量インピーダンス 

で表される。これに加えてケーブルの抵抗もあるが無視する。Rは今や1/100以下が常識だから問題とならないが、RATTは4〜16Ωは軽くある。ということは8Ωのスーパーツイーターの場合DFはだいたい1〜2程度にしかならない。
一般にツイーターではf0が高いためスピーカー自体のQeは高く、もともとビリツキやすくなっている。それに加えてシステムのDFが1程度ではアンプによる制動が利かないので、更にビリツキやすくなり、ちょっと大きなパワーが入ると、たちまちビリツキと歪みを発生するようになるのである。

マルチアンプの場合は@式は単純にZ÷Rとなるからなんら問題はない。ついでに書くとウーファーの場合は(ATT無しとして)

DF=Z÷(R+Rn)・・・・・・・・・A    Rn=ネットワークの抵抗

で表される。Rnとはハイカットのコイルの抵抗と考えて良い。だいたい1Ω程である。ということはDF1000とかの高性能アンプを持ってきてもウーファー(8Ωとして)としてのDFは

DF=8÷(1/1000+1)=約8

にしかならない。要するにコイルの抵抗に左右されるから、アンプのDF(内部抵抗の逆数)が10でも1000でも20000でもほとんど変わりはないということである。
ところが、マルチアンプでアンプとウーファーを直結すれば

DF=Z÷R=8÷(1/1000)=8000

とネットワークの場合の1000倍にもなる。これはあくまで概算であるが、マルチにすると低音が締まり、生き生きと歯切れよく鳴るいうのはこれが原因である。

ここではケーブルの抵抗は無視したが、本来はRやRn同等に考えなければいけないものであるから長くて細いケーブルほど抵抗が高いので多少は影響はある。先日カナレの2S11という太いケーブルをウーファーに使ったのはこれが理由である。もちろん家庭内での使用であるからたいした影響はない。PAとかで何十m、何百mもケーブルを引っ張る場合に考えなければいけない問題だ。
メーターあたり10万円とかのボッタクリケーブルを切り詰めて短く使っても、ネットワーク内のコイルには普通の銅線がヘタすると何十mも使われているのだ。これでは何の意味もない。理論だけでは音は語れないが、こういうことも知らずに単純に値段が高いから音が良いなどという「文学的表現」がまかり通っているのにはあきれてしまう。これでは教祖サマを盲信する宗教となんら変わりはない。

2003.12.5

HGさんにお頼みしてヒビノよりパワーアンプをお借りした。MACRO-TECH2401と書いてある。見た目はMACRO-TECH2402とそっくりである。2402の前のモデルなのだろうか?

2401というのも現行品にはあって、こっちはMICRO-TECHシリーズという。デザインも違う。まあ、アムクロンならどちでも大して違いはない。早速Phonicに換えて試聴することにした。

ところがYAMAHA A2000Aをどかして2401をセットしたりしてるうちにケーブルを踏んづけたためか右側のドライバのスピーカーケーブルがユニットから抜けてしまった。再度装着するにはユニットをはずさなければならない。ひとりでは無理だ。夜、仕事が終了するまで試聴はおあずけになってしまった。

仕事が終わったので、またまた3人がかりでユニットを取り外し超速攻でケーブルをつなぎ直した。早速試聴開始だ。
相変わらずアムクロンはゲインが低くて苦労する。DEQ2496のEQを通さなければチャンデバのレベルはドライバ側を一杯の-6dB、ウーファーを+6dBにしてもギリギリである。これでもハイ側が勝っている印象なのでAUTO EQで補正し直した。

時間がないのでちょっと聴いただけだが、予想に反してPhonicとあまり変わらない。というのもDEQ2496とTL5100を導入してからPhonicの実力を見直したところなのである。BigBlockやA5ではイマイチだったPhonic XP3000だが604-8Hではなぜかなかなか良い感じで鳴ってくれる。重低域まですんなり伸びて、しかもつきたてのお餅のような粘りがある。アムクロンがこれぐらい鳴ってくれるのはあたりまえだがPhonicもなかなかの実力の持ち主である。これならファンノイズが遥かに静かなPhonicの方がいいかも。値段も安いからもう一台導入してブリッジにしてみるのも面白いかもしれない。

NHKニュースを見ていたら国内アーティストのCDの逆輸入盤の問題を取り上げていた。左の浜崎あゆみの国内盤が¥2900、香港からの逆輸入盤が¥1900.。これに関して逆輸入を防止する法律制定のためのメーカーと消費者団体の話し合いの報道であった。
メーカーの言い分は、これを放置すると国内音楽産業が崩壊するというものである。それはそうだろう。制作費、印税、利潤を考慮して¥2900という価格がついているのだ。いままで¥3000近くで販売して大儲けしてきたのだ。急に合理化して経費を引き締めるわけにもいくまい。

要するに、今までの高価格販売高利潤にあぐらをかいて経費使い放題ドンブリ勘定体質がしみついているのである。先日、日本テレビのプロデューサーが視聴率操作でクビになったが、この時も経費として¥1000万が支出されたという。プロデューサーの「出せ」の一言ですんなり経費として出たらしい。日本テレビ側はあわててこのプロデューサーを横領だとか言って告訴するとか言っているが、日頃からこんな風ないいかげんな支出がまかり通っているに違いない。
¥1000万もらってそのうち¥500万をポケットに入れても、問題が起こらなければなんの詮索もされない体質なのだ。放送局とか音楽関係などみなこんなもんなのであろう。それで業界崩壊とかいっても全然説得力がない。

海外アーティストの輸入盤を日本国内で輸入販売しているのは、実は同じ国内盤の販売元であるのをご存知だろうか?もはや輸入盤のほうが圧倒的シェアを占めているため、やむなく国内盤の販売会社が輸入盤の販売も手がけているのである。自分たちがやらなければどうせ他がやってその分利益が減る。苦肉の策とはいえこれも消費者を馬鹿にした話である。

DEQ2496がなかなか使えるのがわかったので次はDCX2496の導入を検討している。これならチャンデバも不要だ。AUTO EQがないかもしれないのでDEQ2496ははずせないかもしれないが、とりあえずマニュアルをダウンロードして研究することにした。下図がDCX2496のブロックダイヤグラムである。入力と出力のそれぞれにEQがついているなど盛りだくさんの内容で驚異的でさえある。下図は見にくいので拡大図を別ページに容易した。

2003.12.6

DATデッキの96KHzデジタル出力をDEQ2496に入力したいと思ったが、DATには同軸しか出力がない。DEQ2496はXLRと光しか入力がない。そこで同軸-光の変換アダプタを検索したところ手ごろなのを発見した。Audio-TechnicaのAT-DSL11というモデルである。

これはAT-DSL1というものがモデルチェンジしたもので、これによって96KHzのサンプルレートまで対応するようになったらしい。光→同軸、同軸→光の両方の変換が可能である。価格はオープンだがDSL-1が¥6500だったので、おそらく実売¥4000ぐらいではないか?早速購入することにしよう。

この金色の円盤は悪名高きローゼンクランツのTL5100、TL51用スタビライザーである(左の黒いのはノーマル)。A5のTL51でずっと使ってきたのを仕事場に持ってきたのだ。マニュアルには手垢がつくと微妙なバランスが崩れるので手袋を着用して触れ、とかアホなことまで書いてあるが、もちろん素手でガシガシ触っているので薄汚れている。

ノーマルのスタビライザーからこれに換えると明らかに低域が一回り太くなる。パワーアンプをワングレード上げたのと同じような効果がある。低域がドロンとしがちなベルトドライブトランスポートの音の立ち上がりが鋭くなるのである。インチキくさいローゼンクランツの製品にしては珍しく効果のわかる製品だ。これは自宅でも使わなければならないので毎日持ち歩くしかない。両方同時に聴くことは不可能だからひとつあればよい。とか言っててもいきなり今日持って帰るのを忘れてきた。これでは先が思いやられる。

上記のAT-DSL11であるがDATのマニュアルを読んでいたら96KHzサンプルレートでは同軸出力ができないことが判明した。10年以上前の設計の製品だから仕方ないだろう。10年前に96KHzのデジタル出力を出しても受けるものがなかったはずだ。デジタルの進歩はやはり早い。仕方が無いのでノーマル48KHzでまた録音しなおすことにしょう。96KHz+DAT内蔵DACか48KHz+DEQ2496のどちらがいい音するのだろうか?

やっぱり604-8Hでもアナログを、ということでTRIO KP880D+YAMAHA MC-5というのをオークションで購入した。これに関してはまったく情報がない。詳細は不明である。604-8HはJAZZがイマイチなのでアナログも期待薄だ。これぐらいでのんびり聴くのも悪くないだろう(たぶん・・・)

2003.12.7

今朝は天気がよかったので久々にBigBlockとA5の写真を撮った。どちらも威風堂々、素晴らしいプロポーションである。何度見ても見飽きる事がない。これに加えて今や604-8Hもあるのだから我ながら贅沢なものだと改めて感心してしまう。
どんな世界にも長い歴史のなかで育まれてきた「定番」というものがある。スピーカーでいえば15インチウーファーにコンプレッションドライバが定番である。これ以外はやはり亜流だと言わざるを得ない。

久々にソフトを購入した。スティーブハケットのCD4枚、DVD1枚、マリリオンのDVD1枚、あとはアナログである。バーニーケッセル、ケニーバレル、パットマルティーノなどギターづくしであった。CDやDVDを買うのは久しぶりだ。
後は右のブラックサバスUKオリジナル盤とVERNUSのエディヒギンス、スコットハミルトンである。ブラックサバスはU盤ということで音は最高によかった。厚みのある中低域と艶やかな高域が最高だ。ところがヴィーナスは酷い。スコットハミルトンがまるで銭湯で吹いているかのようなヘンな音である。

前回ファラオサンダースで失敗したばかりだったのにやはり同じであった。まったくアナログらしくないつるつるののっぺらぼうサウンドである。
思うに、どうもデジタル化されると音の表面の産毛のような細かい襞が失われてしまうような気がする。最近主流の低能率のスピーカーならこれでも良いだろう。だがホントの微小入力でも反応する高能率スピーカーでは違いがハッキリと出る。低能率のスピーカーでは反応しないような極小入力でも反応するから、細かいところまでキッチリ再生するのが大型スピーカーの良いところであるが、こういうソースのごまかしまであらわにしてしまう。

いろいろな用途に使うことを企んでiPOD40GBを購入した。ところがこれがとんでもないいい加減な機械であった。本体もPC上のソフトも無茶苦茶、とてもお金を取って販売するような工業製品のレベルには達していない。まったくさすがアップルというべきか。これならベリンガーの方がよっぽどマシである。詳しくは後日。

2003.12.8

Audio-Technica DSL11が届いた。これで48KHzのDAT同軸出力を光に変換してDEQ2496に接続する。ちゃちっぽいから心配かもしれないが、、どんなCDトランスポートにも電気信号を光に変換する小さなアダプタがはいっているはずだから同じであろう。残念ながらDATは96KHzサンプルレートでは接続はできない。DVD-Audioなら可能らしいがいまどきそんなものを使っているという話など聞いたこともない。
DVD-Audioは静かに消えゆくのを待っているのだろうか?
今日は48KHz録音のDATテープがまだ用意できていないため試聴はお預けである。

さて問題のアップルiPODである。本体、ソフト、マニュアルと三拍子揃って最悪のデキ、いいのはデザインだけである。もともとMACで使うように設計されているからWindowsで使うには無理がある。
これで一体何をしようかというと、仕事場のBGM用に使おうという魂胆である。お気に入りを10000曲ぐらい入れてランダム再生にしてラインアウトからコンポにつないでおけば、ジャンルもバラバラの次に何がかかるかわからないちょっと面白いBGMができるのではないかと思ったのである。音量は小さいので音質は二の次。今は120分DATテープを半速にしてCDを丸ごとコピーしたものを使っている。4時間ごとにテープを交換しなければならないし巻き戻している間は無音状態だ。テープ400本の管理も面倒である。
昨日今日でやっと277曲転送できた。

2003.12.9

iPODの不満点は

@高い  希望小売価格¥59800に対して店頭価格が¥59790.なんと¥10引き。文句をいったらやっと¥1000値引きした。安売りが看板の量販店でもこの始末である。アップルの仕切値が高すぎるのだろう。それとも値崩れ防止のため定価販売を強要しているのか?公正取引委員会に挙げられるまではやったモン勝ちと思っているのだろう。

A充電   付属のACアダプタで当然充電はできるわけだが、IEEE1394を介してPCと接続すれば、ここから充電できるかのようにマニュアルには書いてある。ところがこれはアップルが採用している6ピンの端子の場合のみで、Windowsの4ピン端子だと充電はできない。マニュアルにはこれがはっきり書いてなくて、最初充電中だと思ってずっと待っていたがいつまで経っても動かないのでACアダプタに接続して「充電中」の表示が出てやっとこれが判明した。

Bマニュアル  Aの件もそうだが、マニュアルが極めて不親切で端折りすぎでわかりにくい。間違いやすいところをメリハリをつけて「注意!」とかとハッキリ書いてくれればいいのに、全部同じ調子で書いてあるから落とし穴に嵌りやすい。本体とPCを接続するのも、先にPC側のコネクタを差し込むとか、大事なことははっきり書いて欲しい。普通適当にどっちからでも差し込むでしょうに。

Cソフト   「MUSICMACTH」なるPCソフトが付属していて、これにCDからMP3に変換してライブラリを作成し、このライブラリをiPODに転送するようになっている。だがこれも余計な機能が多すぎてCD→PC→iPODの転送手順が複雑になってしまっている。マニュアルには「iPODを接続すると自動的にお互いのライブラリを比較して同期させる」と書いてあるが大ウソ。接続しただけではなにも起こらない。「追加」「同期」「取り出し」という三つのボタン(これも何を「追加する」とかの説明が一切ないのでやってみないとわからない)を押さないとできない。

D本体   「転送中」とか「終了」とか「死んでます」とかの表示がないのでちゃんと動いているのか、止まっているのか非常にわかりにくい。一番最初にPCにつながったときいきなり「ファームウエアをバージョンアップしますか?」とか訳のわからないメッセージも出た。新品がいきなりバージョンアップとは如何に???ランダム再生は可能だが、電源を入れなおしても途中から再開するのだろうか?この辺はまだ未確認。


とりあえず転送レートは64kbpsにしている。推奨は128kbpsだが音質にはあまり拘らないのでこっちでやってみようと思っている。明日、ステレオミニジャック→RCAピンプラグでオーディオに接続して音質確認をやってみる。ヘッドフォンで聴く限りは音質はこれでまったく問題ない。

436曲まで転送が終わった。10000曲への道のりは遠い・・・。

2003.12.10

アムクロン2401を自宅に持ち帰ってA5の515Bに使ってみた。普段はマッキンMC7270のブリッジである。いきなり音がふた回りぐらい太くなる。それでいて決してボンついたりボケたりしない。さすがアムクロンの最強シリーズである。なぜか604-8Hのウーファー(515B相当)とは相性がイマイチであったが、A5のフロントロードデッド515Bではホーン内の空気までわしづかみにして軽々とドライブしてくれる。FASTやPhonicもこれに近いところまでいったが、ここまではいかなかった。どうしてもイヤなボンつきやボケが出る。

iPODを仕事場に持ち込みBGM用のオーディオ装置につないで鳴らしてみた。ご覧のように付属のドッグに差し込むと充電およびステレオミニジャックを介して外部と接続できるようになる。この状態で「シャッフル」再生にしておくと勝手にランダムに曲を再生してくれる。
32KHzサンプルレートのDATと64kbpsのMP3の音質比較などしても仕方がないが、これはDATの方が圧倒的に音が良い。さすがに64kbpsでは寝ぼけたような解像度の低い音だ。なんとかBGMには使えるという程度である。やはり128kbpsぐらいないと無理かもしれない。入れなおすのならいまのうちである。ウーン、悩むところである。

丸一日聴き続けたが、コルトレーンのジャイアントステップスがかかったとき、テナーの音色があまりにもひどいので64kbpsはやはりダメだという結論に達した。128kbpsで入れなおすことにした。それにCDによって音量レベルが違いすぎるので補正も必要だ。幸い付属のソフトには音量レベルをそろえるメニューがある。もう一度最初からやり直しである。(本日94曲)

2003.12.11

アムクロン2401でますます好調なA5である。先日購入したMal Waldron 「The Quest」を聴いた。61年録音、これの目玉はエリックドルフィーとブッカーアーヴィンの参加であろう。私の記憶では両者の共演はこれ以外にない。アーヴィンはいつもの調子でひたすら自分の世界で吹きまくっているが、うれしい誤算は珍しくドルフィーのアルトが堪能できることだ。ドルフィーはバスクラやフルートを吹くことが多くてアルトはなかなか吹いてくれない。
ドルフィーの最高傑作はやはり「OUT TO LUNCH」であろう。だがサイドに回ったときの控えめで少し抑えた演奏も良い。64年に惜しまれつつ亡くなったが、約4年ばかりの活動期間に残された作品はいずれも珠玉の名演ばかりである。


604-8Hの高域がどうもきつくてうまく鳴らない。そこで試しにベリンガーCX3400にかえてアキュフェーズF20を使ってみることにした。周波数ボードは1500Hzや2000Hzは標準では生産していない。1800Hzしかない。1500Hz以下なら問題ありそうだが1800Hzならなんとかなるであろう。CDホーンの高域補正はDEQ2496でやればよいと考えている。

iPODの転送曲数248曲

2003.12.12

604-8H用にテーブルタップを購入した。レビントン5300HPSというらしい。ケーブルは高純度銅の直付け。ケーブル長さ1.8M。非磁性のアルミケース。内部のコンセントは8300シリーズ、プラグは8215ストレート・タイプである。
サイズはコンセント部がタテ40センチ・ヨコ7センチ・高さ5センチ。重量は1.2キロと実物を見るとその大きさにちょっと驚く。さすがアメリカンサイズである。
レビントン8300コンセントは自宅の自作御影石タップにも使っていて、価格の割にはシャープな切れ込みの良い音というイメージがある。今使っているオヤイデは松下なのでちょっと荒っぽい。604-8Hの高域が多少滑らかになるかもしれない。。

やりたいことが多すぎて時間が全然足りない。604-8Hも一日1時間聴くのがせいぜいだ。今の課題は

@F20を使って604-8Hをクロス1800Hzで鳴らしてみる。本日雨天でできず。
ADCX2496を購入してデジタルチャンデバにする。
B604-8HでTRIO KA880Dでアナログ再生。YAMAHA MC5の針を折ってしまったため中断
C48KHzDATテープをDEQ2496を通して再生。テープをつくるヒマなし。
DAmcron2401とREFERENCETの比較試聴。
E2405HをA5に追加する。
FiPODにCDから10000曲転送する。今日現在(たったの)308曲。

iPODへの転送は一日100曲が限界だ。ということは10000曲転送するには春までかかることになる。まったく気の長い話である。CD全曲丸ごとコピーなら簡単だがBGMにふさわしい曲をいちいち選んでいるので時間がかかるし他人にまかせるわけにもいかない。
@にしてもケーブルを配線すればすぐできるのだが、DEQ2496のAUTO EQで再測定が必要である。ところが長いバランスケーブルを自宅でAmcron2401用に使っているので、これが空かないとできない。DG38のマイクでも代用できるのだろうか?Aは先立つものがない(笑)。Bはテクニクス205CUというMMカートリッジが余っているのでこれをつければいいのだが、プレーヤーやフォノイコライザ(ヤマハA2000Aのフォノを使用予定)を置く場所からつくらなければないないのが面倒だ。ラフトの余っているラックを持ち込まなければいけないかも。
DもBigBlockの2231Hをパラレル接続にしなおさなければならないし、カナレ2S11が太くて扱いにくいので触りたくない、というのがホンネである。EはチャンデバやアンプのセッティングはできているのでSPケーブルを引っ張ってくればすぐできるのだが、長尺の細いSPケーブルを仕事場に持っていったまま持って帰るのを毎日忘れるのでまだできない。

Amcron2401はそろそろ返却しなければならないようだ。こんどの日曜でもとりあえずDは手をつけよう。@は明日だ。


 ・  ・  ・  ・ ▲ページのトップへ戻る

2003.12.13

アキュフェーズF20を持ち込み接続した。クロスは1800Hz、スロープはオリジナルネットワークと同じハイカット-12dB/oct、ローカットが-18dB/octである。こういう風にハイカットとローカットのスロープを変えられるのがF25と違うところだ。音はF25の方が良いとかいわれているが、おそらく同じ回路を採用しているはずだから(周波数ボードも共通)たいした違いなどあるはずはない。微妙なセッティングでなんとでもなる範囲だろう。

もちろんベリンガーCX3400とは音は違う。まずSN比が圧倒的に良い。パワーアンプにヤマハB4を使っていることもあって、もはやホーンからはなんのノイズも聴こえない。スイッチを入れ忘れたかと錯覚するほどである。
F20にはCDホーンの高域補償回路はないのでDEQ2496のAUTO EQで補正を行う。DG38のマイクとケーブルを持ってきたのでこれを使ってみたが、どうもマイクが合わないようでケーブルのみを使い、マイクはECM8000を使用した。この補正カーブを見ると5KHz以上が相当ブーストされている。やはりマンタレーホーンの高域減衰はかなり激しいようだ。

音はさすがアキュフェーズ、繊細な大人しい音であった。低域のあのネトっとした質感がなくなって薄めの軽い感じになる。Phonicとの相性はもうひとつである。ベリンガー+Phonicのドーンとくるふてぶてしいぐらいの豪快な低域が影をひそめてしまった。ハイカットが-12dB/octで緩やかすぎるのが原因かもしれない。ベリンガーは-24dB/oct固定である。

iPODやっと558曲。

2003.12.14

チャンデバをF20にした604-8Hだが、結局低音が不満でスロープをハイローとも-18dB/octに変更してなんとか落ち着いた。ついでにドライバ用のアンプをTU-8730に戻してみるとこんどはなかなかいい感じである。球アンプ特有の重みのある中域がやっと出てきた。だが、SNの良さや高域の繊細さはベリンガーを凌ぐが、トータル的には不満が残る。
そこで考えたのだがプリ(この場合はパッシブアッテネーターだが)の並列出力を利用して、ハイはF20、ローはベリンガーCX3400で取り出すのはどうだろう?これならSNも悪化しないしF20の繊細さも活かせる。CX3400の低域の凄みも残せる。一挙両得ではないだろうか?だが、いままでこんな風にデバイダをマルチ(?)で使った記事は読んだことがない。しかし、どう考えてもなんら問題はないはずだ。F20のロー出力とCX3400のハイ出力を使用しないでオープンにしておくだけのことである。早速明日やってみよう。

ギターアンプを購入した。Johnson JT50 Mirageというモデルである。いままではマーシャルDSL401というEL84を使った球アンプであった。ギターアンプは球の方が主流で石は安モンのイメージが強いが、私ごときのレベルではどっちも同じである。
最近はDSPなどを使ってかつてのヴィンテージアンプや有名ギタリストの音色をボタンひとつで呼び出せる、こういうアンプが主流らしい。

このJT50にも12種類のヴィンテージアンプのプリセットが内蔵されている。

@Fender TwinA’65Fender Twin ReverbB’57Fender Tweed DeluxeCMathchless DC30DMess Boogie Mark U ComboEMesa Boogie Dual RectifierFMarshall JCM900GMarshall Master VolumeHVox AC30 etc

これらのプリセットを呼び出した後にモジュレーション、ディレイ、リヴァーブなどのエフェクトをかけて好みの音色にする。コーラス、フランジャー、トレモロ、ヴィブラートなどなんでもありである。最後に、出来上がった音色はメモリーバンクに記憶させることができるようになっている。ちょっと弾いてみただけだが、これを使うとJAZZのクリーントーンからメタルのディープディストーションまで自由自在に出せる。家庭内で使うにはこれで十分だと思った。



iPODはやっと1003曲まで転送が終了した。

おなじみの(爆)ベリンガーにもこの手のアンプ(LX1-112)があって、こっちはさらに凄くて32 種のアンプモデル、 15 種のキャビネット(スピーカーBOX)タイプ、 16 種のエフェクトを内蔵しているらしい。おまけにネット上にライブラリーがあって、世界中のユーザーが作った音色のプリセットがアップロードされている。これをダウンロードして読み込ませればさらに多くのギターサウンドが得られるというものだ。
ライブラリーを覗くとダイアーストレーツのマークノップラーなんていうのもあった。価格はさすがベリンガー、格安である。

2003.12.15

604-8H高域のきつさを押さえるためDEQ2496のパラメトリックイコライザ(PEQ)を併用してみた。
実際使ってみなければ理解しづらいかもしれないが、DEQ2496の各種機能はモジュール化されていて、GEQとPEQを同時に使うことも可能なのである。

AUTO EQで作ったイコライザカーブはGEQのカーブのひとつとして使用される。だから後から自分の好みに応じて調節も可能だ。もちろんGEQで調節しても良いがPEQだとある程度の周波数範囲を滑らかに上下することができる。上の写真では1KHzを1dB、7KHzを2dBほど下げている。これも変化させる周波数幅やスロープの急峻さQなどの調整も可能である。面倒なのでそこまでやる気はないが(笑)。
DEQ2496にはもうひとつダイナミックイコライザ(DEQ)というものもある。これがマニュアルを読んでもさっぱり要領を得ない。正体不明の機能である。

昨日考えたデバイダのマルチ使用だが、プリの出力が1系統しかなかったので今日はお預けであった。明日RCA分岐アダプタを持ってきてやってみることにしよう。

iPOD 1030曲。あまり増えていないのには訳がある。PCからiPODに転送するのに「追加」と「同期」というふたつのメニューがあるのだが「追加」にすると今までの曲を再度全部転送するのが判明したのである。だから昨日1003曲とか言ってたのはダブって入っているのも含まれていたわけである。まったくバカなソフトである。ダブるんならそうと警告すべきであろう。だいたいただ「追加」だけではどういう風に追加されるのかやってみなければわからないではないか。
そこでPCに入っている状態にシンクロさせるという「同期」の方でやり直したのだが、一部ダブっている曲はひとつに減ったが相変わらずダブったままのものもあるというエエ加減さである。それで一旦940曲まで減ったというわけである。
それにCDからPCに録音する際「音量を揃える」というメニューがあるのでこれをオンにしていたのだが、iPODには全然反映されていなかった。これもiPODへ転送するところでもまたメニューがあって、再度これをオンにしなければいけないようである。まったくもって不親切なソフトである。

2003.12.16

左のRCA分岐アダプタを使ってプリから二系統の出力を出し、上をF20でローカット、下をベリンガーCX3400でハイカットするマルチデバイダマルチアンプ(?)を行った。
やはりCX3400の低域は凄みがある。立ち上がりが明らかに速く、重低域のおいしいところが絶妙のバランスで出てくる。F20はこの辺がマトモ過ぎて物足りなかった。

それにしてもアルテックのウーファーをバスレフに入れた低域は素晴らしい。いままでA5やA7などのフロントロードに入ったものしか聴いたことがなかったので、アルテック515や416は低音が出ないものだという先入観があった。

もちろん、A5の低音は絶品である。これはこれで100%満足している。だが80年ごろのMJ誌などを読んでいると416をバスレフに入れて使っている人が結構多かったし、アキュフェーズの春日氏や出原氏は515Bのユーザーである。ステサンの柳沢氏もずーっと416である。確かにこの柔らくてはじけるように弾む低音はもっともナチョラルで自然の音に近いと思う。それでいてエレクトリックベースの最低域もきちんと出してくる。JBL2231や2235の不自然なヌケの悪い低音とは段違いである。
残念ながらアルテックの15インチウーファーはサイズが大きくJBLと入れ替えることができない。できることならBigBlockのウーファーも515Bに交換したいと思うぐらいである。

iPOD本日で1120曲。

2003.12.17

ベリンガー製品の中でももっとも怪しげな(爆)デジタルチャンデバDCX2496が届いた。
入力はアナログ3系統、デジタル1系統。出力はアナログ6系統。デジタルなので位相回転のないDELAYも内蔵している。機能だけを見ればアキュフェーズDF35となんら変わりはない。それぞれのchにEQまで内蔵しているところなどDF35をしのいでいる。
これでTL5100→DEQ2496→DCX2496とフルデジタル伝送が可能だ。うまく調整すればDEQ2496も不要かもしれない。問題はボリュームコントロールだが、このDCX2496には入力ゲインコントロールがちゃんとあるのでプリは必要なさそうである。

iPOD1287曲まで転送終了。

2003.121.8

早いものでALTEC604-8Hがやってきてから一ヶ月が経過した。最初はアナログから録音したDATをプリメイン一台でネットワークを使ってシンプルに鳴らそうと思っていたのだが、結局いつものとおりマルチの複雑怪奇なものになってしまった。
使用装置は余っていた寄せ集めばかりであるが、DEQ2496を入れてから急速に音がまとまり今はほぼ満足いくところまできている。ALTECといえば古いJAZZ専用というイメージがあるが、604-8Hは予想に反してコンテンポラリー系のブラックミュージックや80年代ROCKがとてもよい。柔らかくてしかも芯のある低域はA5と同じ515Bウーファーとは思えないほどだ。同軸2WAYのせいかヴォーカルも生々しい。中高域は1インチドライバ+小型ホーンなのでエネルギー感や繊細さには不満もあるが贅沢をいえばキリがない。あとはドライバ用のパワーアンプ(現在はTU-8730)をいろいろ試してみるぐらいだ。トランジスタアンプはやはり合いそうにないので球の元気の良いものを探そうと思っている。845シングルなんか面白そうであるが。

DCX2496はなかな手ごわそうなので、自宅に一旦持ち帰りマニュアルを見ながらゆっくりセッティングを行った。
これは入力が3系統、出力が6系統ある。ステレオアナログ入力の場合は3つの入力のうち2つ、デジタルの場合は1つを使う。残りの1つは測定用のマイクなどの入力用のようだ。マイクで何を測定するかというと、上下のユニット間や左右のSPシステム間の位相差を測定して自動補正してくれるようなのだ。マニュアルの記載が曖昧なので詳細は不明だが、これが本当ならたいしたものである。
6つの出力は設定でモノラル6WAY、ステレオ3WAY、ステレオ2WAY(この場合は4つだけ使用)、ステレオ2WAY+モノラルサブウーファーなどいろいろ切り替える。使うものだけを有効にし、使わないものは無効にできる、というか自分で無効にしなければならない。だから5つだけ使ってモノラル5WAYというのも可能だ。これに加えて入力側のEQ、DELAY、LIMITTER、出力側のクロスオーバー周波数、(さらに)分割後の各chごとにEQ、DELAY、LIMITTER、位相などの設定がある。おそらく入力から出力まで設定項目は100以上あるだろう。プロのPA現場で必要とされる機能をすべて網羅してつめこんである。デキが良いか悪いかは別にしてここまで細かくソフトを練り上げた執念には感心してしまう。

上の左の写真は入力設定画面の(ごく)一部だ。入力端子「A」が出力端子「1〜4」につながっている。入力ゲインは-15dBである。フルデジタルにするつもりなのでここでゲインを目一杯絞ってヴォリュームがわりにしようと企んでいる。これは+15dBまで上げられるので30dBの調節範囲があることになる。右の写真は出力側のクロスオーバーの設定である(LEFT LOW)。A5で鳴らしてみようと思ったので、フィルター特性がバターワース-18dB/octでクロスが510Hzというものだ。何故か低域も20Hzから下が-18dB/octで減衰するようになっている。これはPA現場でのウーファー破損を防ぐためのものであろう。
PAの現場のことはまったく知らないが、とりあえず現状はまだステレオ2chが基本のようである。だからこういう業務用機器も家庭でステレオでなんとか使える。DCX2496もステレオリンク機能というのがあって、片方のchの設定を行えば反対側も自動的にそれが反映されるようになっている。もちろんこれを解除して左右別々に設定することもできるが、そこまでやりだしたらわけがわからなくなる。とにかく面倒なのだ、これは(苦笑)。

なんとかクロス510Hz、ステレオ2WAYの設定を行い、A5に接続して音だしをすることができた。DAC、プリをすっとばしてTL51とDCX2496を直結である。marantzD1→LUXMAN C9→F25という総額160万の装置分を僅か5万のDCX2496一台で代用するわけである。果たして出てきた音は・・・      続きはPart7で。

part7へ