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Part5

2003.11.19

604-8Hが届くといって喜んでばかりはいられない。今度の日曜日には新たにJBL4350のオーナーとなられるpippnechoesさんとおまけにあの「オーディオベーシック」誌の編集長が来られるのだ。ちょっと気合いを入れなおさないといけないということでBigBlockを久々に聴いたのであった。
先日ご〜るでんBALLさんとmuimuiさんが来られてBigBlockの左右の位置の調整を行ったのだが、これのせいかどうも低域に違和感が出てしまった。ボリュームをかつてほど上げなくなったせいもあるのだが低域の押し出しに不満がある。そこでもう少し低域のレベルを上げてみることにした。100Hz以下を1dBほどアップしてなんとか従来の感触がもどってきたようだ。これで日曜はなんとかいけそうである。あとはへたに触らないほうがいい。5WAYマルチともなるとちょっとでもバランスを崩すととたんに全体に影響する。ここはじっとガマンである。

というわけで早々にBigBlockは切り上げて久々にレーザーディスクなんかを見たのであった。TheBandの「ラストワルツ」コンサートのロビーロバートソンがとってもカッコいいという東京芸大ピアノ科卒の某嬢からの情報が入ったので、そういえばウチにレーザーディスクがあったはずと思って見たのだが、家にあったのは「ラストワルツ」ではなく83年の来日コンサートであった。おまけにロビーロバートソンは不参加。TheBandのような軽めのカントリー調ロックは好みでないので5分だけ見てすぐやめた。このレーザーディスクは一度も最後まで見た記憶がない。

せっかく電源を入れたからということで、これもまた久々に「ウッドストック」を見た。この中ではサンタナの「ソウルサクリファイス」が一番のお気に入りである。デビュー直後のサンタナバンドのすさまじい演奏が奇跡的に記録された貴重な映像だ。ホントにこのころのサンタナはカッコよかった。テクニックはないが題名どおり魂に訴えかける何かをバンドの全員が発している。ギブソンSGから出る音色も乾いたダーティーな音で後年のヤマハから出す透明なヨーロッパトーンとは全然違う。

カルロスサンタナはこの後スリチンモイに師事し、髪の毛も短くカットしあごひげも剃ってすっかり優等生になってしまった。それに反比例するかのようにサウンドは魅力がなくなり、毒にも薬にもならない退屈な音楽を量産している。サンタナはデビューアルバムとセカンドアルバムの二枚しか聴くべきところがない、とここに断言してしまおう。

午後四時、604-8Hと620Bがやってきた。今は仕事中だからセッティングは無理だ。明日休みなのでゆっくりやろうと思う。この続きはPart6で・・・

409-8Eともお別れ


2003.11.18

604-8Hと620Bエンクロージャーがいよいよ明日届く。今はどういう風に鳴らすか構想を練っている最中だ。この時期が一番楽しいかも。

まず第一に標準ネットワークかマルチにするかという問題がある。理屈からいえばマルチに決まっているが、使用機材のグレードが低いとかえって悪い音になる(あたりまえ)。手持ちの機材を活用するとなると、プリがYAMAHA A2000Aのプリ部かAIR TIGHT ALT-10(パッシブアッテネーター)、チャンデバはベリンガー、パワーアンプはウーファー用がYAMAHA A2000Aのパワー部かPhonic XP3000、ドライバ用がTU-8730というあたりだ。ウーン、これだとウーファーが鳴らしきれないような気がする。かえってウーファーも球のシングルの方が良いかもしれない。515系のオーバーダンピング気味のウーファーは開き直ってダンピングファクターの低いアンプでゆるゆるに鳴らすほうがかえっていい場合もあるのだ。そんなに音量を上げるわけでもない予定だし。この場合ベリンガーのSNも不安材料ではある。音量が低いと残留ノイズがどうしても気になる
ネットワークで鳴らすとなるとTU-8730か山水AU-607Xがよさそうだ。AU-607Xは現在409-8Eを鳴らしているがこれがなかなか良い。一時YAMAHA A2000Aに代えたのだが、寒色系のモニターライクなヤマハトーンとアルテックは合わなかった。低域は力もあって悪くないのだが中高域が薄めでなんとも味がない。いつも気にするシンバル音の重みが出なくなってしまう。やはりJBLで鍛えられた山水はなかなかいい音がする。

まあ、正直なところどっちにしてもそんなにたいした音で鳴るわけはない。仕事の合間にリラックスして聴くためのものであるからそんなにしゃかりきになることもないだろう。アンプ一台で気軽に鳴らす方がいいかもしれない。
とはいうものの、御影石のボードやSP用のブロック、おなじみカナレ4S6ケーブルなどを手配済みだ。今回はちょっと奮発して200円/mの日立SX−405というOFCの4本入りケーブルも用意した。4S6とほとんど同じものだが線材がOFCというだけの違いだ。
なんか変な604-8Kをオークションで発見。マンタレーホーンが水平でなく傾いている。真上のボルト穴を見るとよくわかるようにユニットが傾いて取り付けられているのではなくホーンだけゆがんでいる。これはペアで出品されているのだが、反対側も同じようにホーンが傾いているから一個だけの不良品ではないようだ。意図的に傾けたに違いない。こうすれば高域になにかご利益があるのかもしれない。それとも修理の際に取り付けが悪かったのか?
どっちにしろこれはカッコ悪い。SPは毎日にらめっこしながら聴くものだからスタイルは大事だ。音以前に「はじめにスタイルありき」である(笑)。

アクセサリー類も着々と準備中。CSE R-50、ダイヤトーンアコースティックキューブ、オヤイデ電源タップ、PADクライオコンセント、PSパワーポート、アコースティックリヴァイブコンセントベースCB-1など
仕事の合間をぬってPSパワーポートとコンセントベースCB1を取り付けた。PADとPSとどっちを使うか5秒ぐらい考えたが、パワー感が出そうだということでPSにした。取り付けは簡単である。ブレーカーさえ落とせば危険でもなんでもない。ひたすらネジをグルグル回して締め付ければ出来上がりだ。慣れれば10分ぐらいで終わる。壁コンの交換は資格が必要だとかどこにでも書いてあるが、自分の家のコンセントを交換するのに資格なんか必要ない。そんなことまでいちいち国家権力に干渉される筋合いはない。


2003.11.17

昨日は地元のニューフィルハーモニーオーケストラ千葉の第74回定期演奏会に行ってきた。恥ずかしながら生のオーケストラを聴くのは今回で僅か三回目である。一度目は大学の入学式の時、二度目は15年ぐらい前である。残念ながら曲目や演奏にはなんの記憶もない。オーディオを真剣にやるようになって、たまには生の演奏も聴かねば、と常日頃から思っているのだがなかなか機会がなかった。有名なオーケストラに大枚はたいて行くほどクラシックが好きなわけでもないし、こういう地元の演奏会でゆったり聴くほうが性にあっている。

座席は二階席の最前列の左端。通は一階の前列より、オーケストラ全体が見渡せる二階最前列を好む。そしてピアノの手の動きがちゃんと見える左側でないといけない。二階は両サイドが舞台に向かって桟敷のように張り出している。二階といっても舞台から遠くない一番良い席であった(上の写真参照)。こういうところは手抜かりはない。こういういい席が簡単に取れるのがマイナーなコンサートのいいところだ。

指揮者:藤岡幸夫
ピアノ:岩瀬直美
管弦楽:ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉


プログラム
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調”皇帝”
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調”運命”

ベートーヴェン特集ということでポピュラーな曲ばかりであったが、演奏はなかなか素晴らしかった。藤岡幸夫は全然知らないが「イケメン」指揮者で女性に人気なのだそうだ。岩瀬直美は小柄で華奢な体形であったが、その細腕からは信じ難いダイナミックな演奏であった。顔はイマイチであるが(笑)斜め後から見る演奏姿はなかなかセクシーだと思った。

クラシックは素人同然なのでよくわからないが、生のオーケストラの音量は思ったより小さかった。家で聴くマーラーなどあまりの大音量に心臓がドキドキするほどだが、生だとそんな風圧を感じることは全然ない。それにステレオサウンドなんかでしつこくこだわっている弦楽器の滑らかさなどは全然感じなかった。家で聴くのとなんら変わりはない。やはりヴァイオリンの高域はこんな音なんだろう。コントラバスも他の音に溶け込んでレコードのようにははっきりとは聴こえない。ティンパニもそうだ。
以前、クラシック評論家でオーディオは素人の某氏(名前をド忘れした)が、オルトフォンのカートリッジは切れ込みや分解能が良すぎてオーケストラが不自然に聴こえる、生演奏では絶対こんな風には聴こえない、シュアーはその点自然な音作りである、と「管球王国」に書いていたがこのことであったのだろう。SMEの社長のロバートアイクマンも同じようなことを言っていてシュアーV15Uがお好みであった。
それに音の定位などもはっきりしない。だがそんなことはあまり関係ないと思った。いろんな音が渾然一体となって出てくるのがオーケストラであって別にヴァイオリンが左でコントラバスが右から聴こえなければ演奏が理解できないわけではない。管楽器などは響きが良すぎてどこから音が出ているのか全然わからない。

セミプロ級であっても演奏者の熱意が十分感じられて満足できる演奏であった。やはり音楽は聴くより演奏するほうがいい。大勢の演奏者の息が合って複雑な音楽が形成されていくのをみると自分もまたやってみたくなった。もちろんクラシックは無理だからブルースロックバンドであるが。

2003.11.16

604-8Hと620Bエンクロージャーであるが急遽今週の水曜日に届くことになった。おそらくナローレンジの古めかしい音だろうが、テナーとスネアとシンバルとウッドベースさえ心地よく鳴ってくれればそれで良い。なによりも所有する喜びが大きい。

聴くのがもったいなくて秘蔵していた宇多田ヒカルのアナログ盤「FIRST LOVE」を聴いた。このタイトル曲のFirst Loveが大好きなのだ。CDでは数え切れないほど聴いたが、やはりアナログの方がずっと良い。

邦楽で他に好きな曲といえば、風「22才の別れ」、荒井由美「あの日に帰りたい」、五輪真弓「少女」、石川セリ「ミッドナイトラブコール」、山本コータロー「岬めぐり」とか、なぜか暗い失恋ものが多い。きっと暗い人生を歩んできたのだろう(爆)。



2003.11.15

まったく偶然にもALTEC 604-8Hが手に入った。昨夜、しんたさんにお貸ししてて返ってきたばかりのMJ誌別冊「同軸ユニット研究」というのを読んでいたら、この604-8Hのことが詳しく出ていて「うーん、これは一度聴いてみたい」と思ったとたん某ショップに売りに出ていたのだ。これはまさしくシンクロニシティ(共時性)ではないか。この偶然とは思えないタイミングのよさに早速ゲットしたのであった。同時に620Bモニターの箱(レプリカ)も注文した。
アルニコマグネットでかつマンタレーホーンというとこのHモデルしかない。巷では604Eや604−8Gの人気が高いようだが、あのマルチセルラホーンはカッコが悪いのでどうしてもHでないとダメなのだ。フェライトの604-8Kでも前から見たカッコは同じだが、ウーファーの奥行きが短くなった分ホーン全長も短くなっているので2KHzといわれるクロスではつらいだろう。やはりここは604-8Hしかないのだ。

604は50年代から60年代にかけてほとんどのレコーディングスタジオでモニターとして使われたという。おそらく70年代に入っても相当数が残っていたはずだ。コンテンポラリースタジオやヴァンゲルダースタジオでも使われたに違いない。ウーファー部は515とほとんど同じだが、若干磁束密度が弱い。ドライバは802とまったく同じでダイアフラムも共通である。A5とA7の中間のような構成である。
515をこのような普通のバスレフの箱に入れれば低域が出ないはずだし、802もそんなに高域まで伸びているわけではない。同軸のため小型ホーンであるからクロスは1.5KHzが限界だからウーファーが1.5KHzまで受け持つことになる。相当無理のある設計といわざるを得ない。これの一体どこが良いのだろう?同軸型のメリットである定位の良さと(おそらく)キツメの中高域がモニターに適していたとしか考えられない。

これが604-8Hのカットモデルである。ウーファーの磁気回路を貫通してドライバのホーンが通っている。ドライバの磁気回路はタンノイとは違いウーファーとは別にある。いかにもアメリカらしい物量投入の贅沢な設計だ。
604の設計はALTEC在籍中のJ.B.ランシングらしいが、JBLではとうとうこの形の同軸ユニットを開発しなかった。あまりにも完成度が高すぎて張り合う気にもならなかったという話もある。

左から604E、604-8G、604-8H、604-8K。フェライトのKは全長が短い。

A5で聴く60年代JAZZは絶品だが、当時と同じモニターで聴くのもおつなものである。これはマルチではなく純正ネットワークとTU-8730で鳴らしてみようと思っている。
ちなみにネットで検索したところ604-8H搭載の620Bモニターの相場は40〜50万であった。今回はこれの約半値で仕上がった。久々にいい買い物をしたような気がする。




604-8G。マルチセルラホーンがカッコ悪い。ホーンの付け根のダストカバーもフェライトのいいかげんなものがついている。604-8Hはダンパーと同じ素材に改良され,ダブルダンパーのようになっている。



2003.11.14

これをご存知の方は相当コアなロックファンだ。時は1973年、ロンドンではなく、なぜかニューヨークで生まれたパンクの元祖である。その名はNEWYORK DOLLS。

今、あらためて聴いてみると、後のセックスピストルズやクラッシュにそっくりだ。ストーンズの影響も多少感じられる。まあ、要するにテクニックがないのでヴィジュアルと単調な音作りで勝負していただけというのが共通しているだけであるが(笑)。それにしてもこのいでたちは凄い。KISSなんかを問題としない究極の開き直りファッションである。

プロデュースはトッドラングレン。GFRの「アメリカンバンド」なんかを同時にプロデュースしていたとは思えないヒドイできである(爆)。あれから30年、このおにーちゃんたちもすでに50才を越え、今は何をしているのだろう?月日の経つのは速いものだ。

今日はビートルズの「レットイットビー ネイキッド」とかいうのの発売日らしい。ビートルズには興味がないので私は買う気はまったくないが、今朝出勤中のクルマの中でフジテレビ「トクだね」とかいうのを見ていたら、キャスターの小倉なんとかがやたらこれを褒めていた。オリジナル「レットイットビー」より数段音がいいそうである。
まあ、これはステレオサウンドと一緒で営業トークであろう、第一これはCCCDらしいし。オリジナルが悪すぎただけかも。それにビートルズなんか別に音がよかろうが悪かろうが関係ない。こんなものはラジカセかミニコンポでしか聴く気がしないし。この小倉某はALTEC A7を使った本格的なホームシアターを持っているらしいから耳は悪くはないはずだ。内心「くだらねえ」なんて思いながら仕方なしにしゃべっていたかもしれない。


2003.11.13

CARDAS HEXLINK GOLDEN 5CとGOLDEN CROSSを使ってDG38内蔵DACとワディア21内蔵DACの聴き比べを行った。ワディア21のDACを聴くのは9ヶ月ぶりである。RCAアウトが故障して音が出ないので、バランスケーブルの長いものがないとつなげられなくなったためいままで聴く機会が無かったのだ。結線は・・・

@ワディア21(XLRアナログアウト)→HEXLINK GOLDEN 5C→C100A

Aワディア21(同軸デジタルアウト)→BELDEN1506A→DG38→GOLDEN CROSS→C100A

の二系統である。例によってC100Aのトリム機能を使って両者のレベル補正を行っている。DG38のイコライジングは当然OFFである。

約10年前の設計であるワディア21内蔵DACだがやはり古臭い音であるのは否めない。これに切り替えると明らかに音場が狭まり、ライブ会場の細かな雰囲気が損なわれる。中高域の大人しいマイルドな音である。その反面中低域の押し出しが良く、ロックやブラック系音楽ではノリが非常に良い。

しかし、そんなに大袈裟にいうほどの違いはない。しばらく聴いていれば気にならなくなるどっちでも良いような違いでしかない。一年ほど前の最後に買ったステレオサウンドに、ワディア21の内蔵DACがダメでCHODE DAC64が素晴らしいとかいう提灯記事が載っていたが、はたして本当だろうか?少なくともBigBlockではCDに関する限り、何を持ってきてもたいした違いはみられない。アナログの濃密なサウンドには到底敵わない。

最近はCDを真剣にはほとんど聴かない。仕事中にBGMとして聴くだけである。マトモに聴くのはアナログオンリーといっても過言ではない。大量に買い込んだアナログLPを聴き込むだけでも時間は全然足りない。貴重な時間を割いてわざわざ音の悪いCDを聴く理由がない。CDじゃないと新譜が聴けないではないか、と思われるむきもあるだろうが、いつも書いてるように最近の録音にはロクなものがないので一向に平気である。
だいたいCDやLPを何千枚も何万枚も持ってると自慢する人がいるが、そんな大量に持っていても全部マトモに聴けるわけがない。仮に5千枚あるとして仕事もせず遊びもせず一日18時間聴いたとしても、一日20枚ぐらい、全部聴くのに250日かかる。現実には平日に4枚、休日に10枚が限度だろう。そうすると一年で200日×4+150日×10=2300枚が限界だ。これでも非現実的な計算である。

逆に音楽のことはほとんど知らないのにオーディオマニアをやっている人もいる。こういう連中は録音が良いといわれているものにしか興味をしめさない。ホントの音楽愛好家ではないから出す音は当然ひとりよがりのレベルが低いヘンな音だ。そしてわかっていないからそれに気づくことがない。一番やっかいな連中である。
アナログなどにはまったく興味をしめさないのもこういう連中の特徴である。音楽がわかっていないからアナログなんてスクラッチノイズが出るからSNが悪い、だからダメだという先入感にとらわれている。スペックにとらわれてノーマルCDよりアップサンプリングだ、クロックだ、SACDだと宣伝に踊らされて騒いでいるだけだ。
音がどうのこうのとか、音場が広がるとかどうたらこうたらとかエラソウなことをいうので話を聞いていると、ミュージシャンのことやソースの時代背景にはまったく無知なのを知って驚くことがよくある。我々は自衛隊の大砲や機関車の音を聴いているのではない。音楽を聴いているのである。この演奏にどれだけの情熱が込められているか?を考えなければいい音など出てくるわけはないだろう。

たまにはこういうのも聴いてスカッとストレス解消も必要だ。ところでハードロックとヘビメタの違いはなんだろう?単純なリフを繰り返すのがヘビメタか?

プリとF25の配線。着々とオールCARDAS計画は進行中である。


2003.11.12

歴代のJAZZドラマーで誰が一番(好き)かと問われれば、迷うことなく「フィリージョー」と答えることにしている。二番目がシェリーマンで、三番目がロイヘインズかトニーウイリアムスといったところだ。JAZZではないがビルブラフォードも別の意味でNo.1である。エルヴィンジョーンズなんかはやってることが複雑すぎてよくわからない(苦笑)。玄人受けはするのかもしれないがいいとは思わない。
この四人に共通するのはスカッと抜けるようなスネアの音色だ。タムの張り具合もたいへんよろしい。もちろんスイング感も満点である。何度聴いてもその絶妙のタイム感覚には感心させられる。

このウイントンケリー「ケリーアットミッドナイト」はそのフィリージョーのドラムが最高に炸裂する一枚である。マイルスでの録音や自身のソロアルバムでもここまで強烈にソロを取ってはいない。レーベルがVeeJeyということもあり、あのヴァンゲルダーのヘンな録音でないところも幸いしている。ベースにしろドラムにしろエコーのつきすぎない自然な感覚で録られていて聴きやすい。まさに幸運が重なった稀有な一枚といえよう。

聞くところによると、当時ダウンビートの評では最低の一つ星だったらしい。理由は「フィリージョーのドラムがうるさい」。60年代の新しいJAZZに向かって時代が動いている時に、こういう旧態依然の評論家が顔を利かせているのはいつの時代も同じことだ。


2003.11.11

このHPはレンタルサーバーを借りてアップロードしている。サーバーの容量は50MBだ。昨日このHPで何MB消費しているのか確認したら32MBであった。画像を大量にアップロードしているし、まあこんなもんであろう。

いろんなHPをみていると、あちこちで容量オーバーで苦労しているうようである。インターネット接続の際、契約プロバイダーがおまけで用意してくれる10MBのスペースではやはり無理がある。それにいまどきURLに ~ なんかついていたらカッコ悪いし。やはりHPを立ち上げて主催者を名乗るなら十分な容量と独自のドメインは必要だ。ちなみにここのレンタルサーバーは最大300MBまで容量を拡大できる。もっともこの調子でいけば5年ぐらいで300MBぐらい使い切りそうであるが(笑)

ハードディスクネタをもうひとつ。


これは本来携帯型MP3プレーヤーなのだが、なんと60GBのHDを内臓しているので一曲4分として16000曲もの曲を記憶させることができる。
これを使えば現在仕事場でBGM用に使っているDAT400本のテープ(120分、32KHz、半速モードで計1600時間分)の中味がそっくり入ってしまうかもしれない。16000曲×4分=84000分、1600時間=96000分だからちょっと足りないか。まあ、全部入れなければならないわけでもないからこれでも十分だ。テープの保管場所や入れ替えの手間を考えるとこっちの方が使いやすいかも。

問題はラインアウトがあるのか?ACアダプターがあるのか?MP3の音質がヘッドフォンじゃなくスピーカー再生に耐えられるレベルなのか?ということである。それに16000曲も入れて曲の検索とかはマトモにできるのだろうか?内蔵の液晶画面ですべてをまかなうのはつらそうだが。

とここまで書いてオンラインショップで価格を調べたら¥46799(税別)であった。ところが仕様をみるとMP3は8から320kbpsに対応となっている。ということは最低の音質の転送速度8kbpsで16000曲ということだ。これではさすがに音質面でつらそうである。たしか最高の320kbpsでなんとかマトモに聴けるレベルではないのだろうか?ということは40分の1の4000曲しか入らないことになる。
それに入力がUSBのみ、出力はヘッドフォンしかない。ACアダプタは付属している。やっぱりこれはダメか。携帯プレーヤーとして使うことはめったにないし。

http://dejavu.cside2.jp/analyze/analyze.cgi?Yesterdayとかいうところからアクセスがあった。ここはパスワードを入力しないと入れないようだ。デ○ャヴにこんな裏BBSがあったとは知らなかった。

2003.11.10

性懲りもなくまたカルダスのケーブルを購入した。こんどはHEXLINK GOLDEN 5C 2mである。新品当時の定価は1mが17万ぐらいだったから、おそらく25万ぐらいか?まったく、たかがケーブル一本に馬鹿げた値段であるといわざるを得ない。だが、カルダスの上級ケーブルにはなんともいえない独特の味があって、このHEXLINK GOLDENとかGOLDEN CROSSとかをオークションでみつけるとついつい買ってしまう。これは一種の中毒みたいなものだ。

カルダスケーブルのラインナップは三種類あって

@HEXLINK GOLDEN 5C→GOLDEN CROSS→GOLDEN REFERENCE

AHEXLINK 5C→CROSS→NEUTRAL REFERENCE

BQUADLINK 5C→300B

とモデルチェンジしてきている。最近は単線のケーブルが流行らしいが、カルダスは複雑怪奇な構造をもったより線のケーブルの代表である。
@のラインは6Nのアニール処理した線材を使用しているだけでAと構造は同じだと思う(たぶん)。AはただのOFCではないだろうか?これだけの違いなのだが音は大幅に異なる。Aは全般に暗めの落ち着きすぎの音でクラシックには良いかもしれないがJAZZには不向きだ。
また同じ@でもHEXLINK GOLDEN 5CとGOLDEN CROSSも大幅に違う音で、HEXLINK GOLDEN 5Cのほうがきらびやかで派手な音作りである。このへんは大量に入手して適材適所に使うしかない。

今はHEXLINK GOLDEN 5C 三本、GOLDEN CROSS 四本、 CROSS 五本、QUADLINK 5C 四本を適度に組み合わせて使っている。できればすべてGOLDEN CROSSにしたいところだが、なんせインターコネクトケーブルだけでも大量に必要なのでまだまだ道のりは遠い。


2003.11.9

ヤボ用で土日と外出していたため更新をサボってしまった。さきほど帰ってきたので今日はオーディオは何もしていない。

←は仕事場で元気に育っているパキラだ。一階の床から吹き抜けの部屋の一番上の二階の天井の高さまで伸びている。全高約5m。
パキラは日当たりがよくて暖かければ、水をやるだけであとは何もしなくてもどんどん伸びる。これも最初は1mぐらいだったが、あれよあれよというまに伸びてこんなに高くなってしまった。重みで幹が垂れてくるので適当にビニール紐で支えてやる必要があるが。



2003.11.7

昨日、近くのHARDOFFを覗いたらELEKIT TU-898という300Bシングルのモノラルパワーアンプを発見した。¥60000の値札がついているので、これは買いだと思ったら一台の値段であった。ステレオペアでは¥120000だ。

これはちょっと高い。ステレオバージョンのTU-873が実売3万ぐらいであるからTU-898ペアでは6万が限界だ。だいたい一台だけ買うような客もいないだろうし、HARDOFFにしたって一台だけ売ったらあとの一台の処分に困るだろう。最初からペアの価格を提示すべきである。
今回も一台しか展示してないから、まず店員に二台あるのか尋ね、今度は買おうと思ったので再度ペアの価格なのか尋ねなければならなかった。

そういえば秋葉原のヒ○オーディオのSPユニットやエンクロージャーもすべて一台の値段がつけてあって、いざペア購入というときに所持金が足りずあわてたことがある。こういう店はなんとなく印象が悪い。

しかし、ここのHARDOFFはなかなか手強い。ALTEC620Aモニターなんかも置いてあって、ユニットが604-8Gでアルニコマグネットである、とちゃんと調べて書いてある。お値段も全然安くない。都内のオーディオショップと同じ値段だ。これは相当のオーマニが店員にいるのか?だがこういう店は世間一般には相場が知られていないマニアックな製品を格安で見つけることに存在意義があるのだからこんなありきたりの値段では面白くもなんともない。もう時効だから書いてもいいだろうけど以前某リサイクルショップで「エナジーリファインCD」とかいうのを3枚1000円で購入し、オークションで一枚20000円〜25000円で売りさばいたことがある。たまにこういうおいしい話があるからリサイクルショップめぐりも悪くはない(爆)。

結局LPを三枚(ミッシングパーソンズ2枚、リックウエイクマン)買って退散した。


2003.11.6

ごーるでんBALLさんにお願いしてエソテリックP0sを拙宅で試聴させていただいた。電源ケーブルもNBSという豪華版である。ただしデジタルケーブルは私の使っているベルデンでDACもDG38内蔵ボードのままだ。

アナログに傾倒している毎日とはいえさすがにP0sだと期待が高まる。だが出てきた音は???であった。確かに解像度の高い芯のある重みを感じさせる音であるが、なにかがおかしい。音楽に表情が乏しくノリやタメが感じられない。大袈裟にいえば抑揚のない歌ではなく朗読のようになってしまう。一音一音は正確で文句のつけようがないがトータルでは自動演奏機が演奏しているように面白みに欠ける。これではまるで譜面どおりにバカ正直に演奏するMIDIのコンピュータミュージックである。
試しにワディア21に戻すと解像度や重低音の押し出しでは劣るものの、中低域のグルーブ感が絶妙でこっちの方が聴いていて断然楽しめる。リズムのシンコペーションや強弱のつけかたに演奏者の狙いが手に取るようにわかる。これが音楽性が高いということなのだろう。

アナログディスクだとこれがもっとはっきりする。正確性ということでいえばP0s>ワディア>アナログということになるだろうが情報量では逆だ。人間の耳は鋭いものである。44.1KHzというサンプリング周波数の限界を見事に聴きわける。P0sはCDの情報量の乏しさを正確に再現しすぎるのだろう。これでいま話題の外部クロック(G0sとかいうらしい)なんか入れて同期をとれば更につまらない音になるのではないか?そう思いながら久々のCDを聴いた。

ごーるでんBALLさんとmuimuiさんに手伝ってもらって(というかおふたりに半強制的にやらされて)BigBlockの左右の位置決めを行った。誰もが指摘する左右非対称の配置がだいぶ解消された。心なしか定位がよくなったような気がする。

2003.11.5

今日はついに重い腰を上げてA5にツイーターをプラスしてみた。ユニットは二ヶ月ほど前に入手したAT-7000というアイデンとかいうメーカーのものだ。JBL075に似ているが35KHzまで伸びているという(ホンマか?)。

A5は確かにナローレンジだが、これはこれで別に不満はない。ただ来宅された方にBigBlockを聴いた後でA5を聴かせると、そのナローさに違和感を覚えるひとがたまにいるのである。50年代、60年代JAZZを聴くにはこっちの方がいい、と私は思っているのだが、古いJAZZを理解している人が案外少ないのに最近気がついた。
JAZZといっても音優先で最新録音のものばかり追いかけている人が多い。演奏内容など二の次である。この辺が音楽を知らない単なるオーディオファイルの悪いところである。最近の録音のものなどロクなものがない。あんなものはJAZZではない、と言いたいぐらいだ。音楽を聴かないで、録音がいいとか悪いとかそんな話しか頭にない人にA5を聴かせると「高音も低音も出ていない」とか的外れな感想をいう。JBL43○○が最高だと思っている連中や自称ハイエンドの連中はみんなこの手の輩である(笑)。

追加方法はもちろんマルチアンプ。いつものことながら手順は煩雑だ。順番に書くと

@使用するSPケーブルを選定する。端子が小さいので太いのはダメ。4mは必要。使ってないケーブルを探し回る。横着をしてペアで保管していないので2本探すのに時間がかかる。
Aユニットの端子にケーブルをハンダづけしなければならないのでハンダごてとハンダを探す。なかなか見つからない。
Bハンダづけを行う。リスニングルームだとヤニのニオイがこもるので一階のキッチンに移動する。4mのケーブルが邪魔してユニットをひとつづつしか持ち運べない。ハンダごてとユニット二つを一個づつ持っておりたので3往復必要。ハンダづけ後、また一個づつユニットを二階まで持って上がる。
C4mものケーブルを背負ったままユニットを天板の上に置き、位置決めをおこなう。
Dケーブルがこんがらがっていたのでほどく。一端がユニットについてしまっているので無理にひっぱるとユニットが倒れて落ちる。慎重にやらなければならない。相当時間を要する。
Eケーブルを引き回し、使用するアンプ、トリオKA9300に取り付ける。SP端子が小さくて込入っているし、暗くてよく見えないし、ラックと壁の隙間が狭くてなかなか装着できない。KA9300はプリメインアンプだが、プリとパワーを分離し、プリはエンパイア用のフォノイコ、パワーを今回のツイーター用に使う。
Fチャンデバとアンプをつなぐインターコネクトケーブルを取り出してつなぐ。これは奇跡的に左右ペアで保管してあったのですぐ出てきた。
GF25用の8KHzのクロスオーバーボードをBigBlockの部屋までとりにいく。戻ってきてフィルターアンプユニットに装着しようとしたら+ドライバが行方不明。しばらく探すが見当たらないので再度BigBlockの部屋まで取りに行き、ボードを装着。
HF25にフィルターアンプユニットとラインアンプユニットを増設して3WAYにする。
Iこれでやっと音だし。ところがF25のフィルターアンプユニットの接触が悪くて、何度も入れなおさないと左chの音が出ない。15分ぐらいやってやっと音が正常にでた。
J後片付け。クロスオーバーボードの箱、ドライバ、ハンダごて、などを所定の場所に戻す。

というわけで、速攻でやったがやはり1時間ぐらいはかかってしまった。
肝心の音だが、これが全然良くない。288-16Gと音色が合わないのでシンバルが汚くなってしまった。まったくの新品なのでウオーミングアップが必要かも。それとも8Kというクロスに問題があるか?そういえば7Kとか8Kとかでいい結果が出たためしがない。10Kぐらいの方がいいかもしれない。とりあえずしばらく様子をみることにする。

TRIO KA9300 オークションで三台目を購入してしまった


2003.11.4

仕事場で10年ほど育てている「幸福の木」に
花が咲いた。夜になると花が開いて結構きつ
い香りがする。一説によると、これが咲くといい
事があるとか、儲かってるところに咲くとかいわ
れている(笑)。


自宅で製作した96KHz録音のDATテープを仕事場に持ち込んで聴いてみた。ところがよく見るとTASCAMには96KHzモードがない。D-05とそっくりなのでてっきりあるものだと思っていたが、96KHzではなく44.1Kなどという中途半端なポジションがある。44.1KHzはCDと同じだから、きっと業務用ということでこのポジションがあるのだろう。
D-05とTASCAMはサイズもスイッチなどのレイアウトもまったく同じだが、ここだけが違っていた。わざわざ変更してOEMに出すとはやることが細かい。

面倒だったが、仕方ないので倉庫から予備にキープしてあるD-05を出してきて使うことにした。仕事では32KHzのポジションしか使わないのでTASCAMを予備にすればよい。
いつものことながら何をやるにもすんなりいかないが、とにかくD-05+YAMAHA A2000A+ALTEC409Eというラインナップで再生してみた。いきなりそのまんまSPU+A5の雰囲気が出て思わず顔がほころぶ。中域が張り出したキラキラした音である。スケールは二回りぐらい小さくなるが、柔らかくて厚みのあるシンバル音やテナーサックスのバリバリ鳴る感じはうまく再生してくれる。アナログディスクのいいところはちゃんと再現してくれる。
元のディスクと比べれば、A5で聴くにはつらいものがあるが409Eならこれで十分である。へたに安モンのプレーヤーやカートリッジをつないで聴くよりはこの方がよっぽどいいだろう。

                            →上がD-05、下がTASCAM


2003.11.3

カナレ4S8をサブシステムのシャープ1bitコンポにとりつけたので久々に真剣に聴いてみた。スピーカーはオルトフォンのコンコルド105である。比較しやすいようにソースは例の山下達郎「アルチザン」だ。

いつ聴いてもこのコンコルド105はまとまりの良い、聴きやすい音をしていると感心する。中低域がクリアで量感をうまくだしているから100Hz以下が出てなくてもあんまり不満がない。シンバルも歪みのないキレイな音だ。ホーンのような重みのある音は無理だが、本を読みながら適当に聴くには悪くはない。だがラジカセなどとはあきらかに次元の違う音だ。
達郎のヴォーカルも「まさにコレっ」という音である。ダイヤトーンP610MBやALTEC409Eよりは遥かにマトモな声である。テレビの上に置いただけでなんの対策もしていないが、そんなことはどうでも良い。MDでもCDと変わらない音がするし、この組み合わせは結構実力がある。


2003.11.2

仕事場ではTEACのCDP1850とかいうCDPを使っている。実売価格15000円ぐらいの廉価版である。まあ、別にこれで不満はないが、やはりアナログを聴きたくなってきた。だが、アナログプレーヤーをあらたに持ち込むのは面倒だし、LPを持ち運ぶのもやりたくない。
そこでパイオニアのDAT D-05を使ってお気に入りのLPからダビングすることにした。仕事場にはpart4で書いたようにD-05とそっくりのTASCAMがある。家で録音して仕事場で聴くというわけだ(あたりまえか)。

パイオニアD-05のいいところはサンプリング周波数96KHzでテープを倍速で回すモードがあるところだ。もちろんTASCAMにもある。ADコンバータの実力がどんなものかは不明だが、安モンのCD-Rに焼くよりはいい音がするのではないだろうか?

このようにRECモードとしてLP(半速32KHz)、SP(標準速48KHz)、HIGH SAMPLING(倍速96KHz)の三種類が選べる。

早速お気に入りのLPからいい曲をHIGH SAMPLINGモードで120分DATテープにダビングした。倍速だからこれで60分録音できる。これが5個ぐらいあれば昼休みに聴くぶんには十分だろう。

一応録音してみたテープをA5で再生してみた。409EやP610MBで聴くためのものだから別に気にしてはいないのだが、やはり相当音は劣化するようだ。これは設計の古いADコンバータのせいなのか、再生時のDAコンバータおよびアナログ系のせいなのか、おそらくその両方なのだろうが、これではA5では聴く気にはなれない。
アナログディスクをDATやCD-Rで保存する人の話はよく聞くが、やはりしょせんデジタルである。デジタルに変換した時点でアナログの良さは失われてしまう。そういえばヴィーナスレーベルのアナログも音が悪い。あれも24bitHyperなんとかといってデジタル化してから製作している。いくらカッティングに注意を払っても、その手前でこういう処理がおこなわれてしまえば意味がない。その点澤野商会のディスクはいい音している。これはどこが製作しているのだろう?

2003.11.1

慣らしをかねて早速TU-873に東芝マツダ6SN7GTを取り付けた。電源を恐る恐るいれると、40数年の眠りから目覚めたこの6SN7GTはいきなり美音を奏でてくれた。
ロシア製SOVTEKからUSA製GOLD AEROに交換したときも濁りが消えて一段とクリアになったと思ったが、今回日本製東芝ヴィンテージ球にすると更に抜けがよくなり中高域にクリアさが増したような気がする。

真空管の場合、熱くなるので瞬時につけかえるというわけにはいかない。しばらく冷ましてから交換することになるから音質の違いはわかりにくい。良くなったというのも気のせいかもしれない。それでも40年以上経ったヴィンテージものを使っているという雰囲気が良い。もともと60年代JAZZが中心である。音など自分が気に入っていればそれでいいのだ。要は気分の問題である。
突然だがカナレ4S6である。4S(4芯タイプ)ではもっとも細い。細くともちゃんと芯線がきれいに四本スターカッドにクロスして入っているし、作りも悪くはない。これで80円/mであった。オーディオ用であればどんなしょぼいSPケーブルでも300円/mぐらいはする。やはりプロ用は安い。今回ミッドバス用にこの4S6を購入したのだが(端子が細いのでこれしか入らない)、別に目くじらをたてるほどの違いはなかった。
調子に乗って仕事場の409Eもこれに換えた。もともと同じカナレの4S8が1.5mほど直出しになっていたのである。短すぎるので使いにくかったから、この4S6 4mと交換した。太くて短いのがSPケーブルの理想であるが、細く長くなってもこの程度だと特に変わりはない。

余った4S8は家のサブシステム(オルトフォンコンコルド)にでも使うことにしよう。こんな短いのは他に使いようがない。

仕事場に残っているCDはしょーもないので聴かなくなったものばかりである。このGeoge Adams 「Nightinggale」もそうだ。東芝の子会社サムシンエルス製作の典型的なMADE IN JAPAN JAZZである。他にロクなCDもないので久しぶりにこれを聴いてみた。
一曲目の「明日に架ける橋」でいきなりずっこける。そういえば大嫌いな綾戸智恵もしつこい歌いまわしでこれを歌っていた。二曲目が「この素晴らしき世界」、あのサッチモの曲、これもしつこい。
日本人プロデューサーのあまりにもセンスのない選曲にめげたのか、アダムスを筆頭に全員のやる気のなさがひしひしと伝わってくる。わざわざNYまで出かけてこんなしょーもないアルバムしか作れないとは・・・。サムシンエルスでまともなアルバムといえばゴンサロルバルカバ「モントルー」ぐらいのものだ。もっともこれはモントルーJAZZフェスティバルの録音テープを買って発売しただけである。日本人プロデューサーの息は幸いかかっていない。

そういえば88レーベルとかいうのもヒドイJAZZを量産している。やはり日本人の感性では本格的JAZZは不可能なのだろうか?

2003.10.31

トップページのカウンターがなぜかリセットされて0に戻ってしまった。これで二回目である。前回は20000を越えたあたり、今回は58000を越えたあたりであった。これはきっとCGIソフトのバグなのであろう。仕方が無いので他から新しいカウンターを拾ってきて78500から最スタートすることにした。ちょっとデザインがイマイチなのが気に入らないがそのうちいいのに変えることにする。

オークションで手に入れた「東芝マツダ6SN7GT」四本が届いた。マツダというのは「マツダランプ」のことで、今の東芝の電球部門(東芝ライテック)の前身らしい。マツダとは、ギリシア神話の神のひとつ。人名や地名ではない。 東芝の真空管から「マツダ」の文字が消えるのは1961年だったから、これは1950年代の製品ということになる。

40年以上前に定価700円というと、今の貨幣価値からするといくらぐらいだろう?7000円ぐらいか?結構高価なものであったようだ。

これはどうやら未使用の新品らしいので20時間ぐらいウオーミングアップが必要らしい。一日せいぜい3時間ぐらいしか聴けないし、A5だけでなくBigBlockも聴かなければならないから単純計算で二週間以上かかることになる。それより40年以上も放っておかれたものに電流を流して、いきなり切れたりしないのだろうか?ちょっと心配である。

2003.10.30

ALTEC409EやダイアトーンP610MBに拘っているのは実は訳があって、BigBlockの定位が良くないという評価が一部であるので、ここはフルレンジ一発で「良い定位」とはどんなものか確かめてやろうという狙いがあったのだ。逆の言い方をすれば、定位がよけりゃなんかいいことでもあるの?という意味でもある。それは一部で盛り上がっているSACDマルチチャンネルに対するアンチテーゼでもある。音場が再現できればしょぼい音でも許されるのか?

いままでいろんなところを訪問して聴かせてもらったが、満足できる「音色」「エネルギーバランス」で鳴っていたのは目黒の赤塚スタジオぐらいのものであった。あとはみんなダメ。JBL4350、4343をお使いのところはまだホーンドライバの片鱗を聴かせてくれるが、自称ハイエンドなんか弱々しい音で話にならない。これならまだ「殺し屋店長」のところのパラゴンの方がよっぽど潔くて良い。

BigBlockが定位うんぬんといわれるのは、実は他にケチをつけるところがないからだと密かに思っているのだが、やはり自分の耳でちゃんと確かめなければエラソウなことは言えない。だから仕事場では毎日P610MBや409Eとにらめっこして真剣に聴いている。フルレンジ一発の定位感に勝るものは無いはずである。

だが、こうやってフルレンジで聴いてみても正直いって特に感動するようなことはない。どうってことのない普通の鳴り方である。マルチマイクや多重録音を駆使したようなソースばかりであるというのも原因かもしれないが。大体ドラムが右から左chまで目一杯入っているような録音なんかざらにある。トップシンバルが左でハイハットが右とか、ドラムロールで右chから左chまでズドドドなんて感じ。ピアノだって右手と左手が離れすぎで両手の間隔が3mぐらいあるようになったりするのはしょっちゅうである。これでピンポイントの定位だったら気持ち悪いではないか。
これはミキシングスタジオのメインモニターSPが最近はほとんど小学生が持っているようなラジカセ(!)である、ということに原因がある。ラージモニターなど滅多に鳴らすことはないらしい。せいぜい左右の間隔が40cmぐらいのラジカセでモニターすればこんな風になるわけだ。

世の中には「知ったかぶり」や「よいしょ」をしたがる人が多いようで、雑誌で仕入れたいい加減な知識をひけらかしたいばかりに、なんでも大袈裟に言いたがる傾向が強い。内心「?」と思っていても雑誌の記事に洗脳されているものだから、ついつい「驚いた」とか「すんばらしい」とか普段の会話では絶対使わないようなヘンな語彙が出てくる。世の中そんな驚くことや素晴らしいことばっかりあるわけないやろ、と某サイトや某々サイトをみるたびいつも思うのであった。

2003.10.29

昨夜ははるばる小樽からJBL黒ポストさんが来宅された。夏の小樽でお会いしてから約二ヶ月、いつかは聴いていただきたいと思っていたので感無量であった。


「北海道から帰ってきて5日ぶりにBigBlockを聴いた。
JBL黒ポストさんに頂いたブライアンブロンバーグである。

これは黒ポストさんところのS9800でも聴いたが、BigBlockで音出しをした瞬間、あまりの音の良さに思わずにんまりとしてしまった。
やはりABERUの4520BKも、HGさんところの4343も、黒ポストさんところのS9800もBigBlockの敵にはなりえない。

シンバルの厚み、濡れるような滴り落ちるような艶、ベースの弦をはじく音と胴鳴りの絶妙のコントラスト、スケール感など、もう完璧である。
ミッドバスを追加してから透明感がより出るようになって、多少奥行きも感じらるようになっている。温度感が下がってクールになった。

黒ポストさんを今すぐ小樽から引っ張ってきて聴かせたいと思ってしまった。」
  ・・・・・2003.8.19より


二ヶ月前にこんなことを書いていた。それがまさかこんなに早く実現するとは思ってもみなかった。
わずか一時間半ほどの時間であったが楽しいひとときであった。黒ポストさん、山本のウッドホーンF280是非導入しましょう(笑)。


フォノイコがわりに使えればと思って、往年の名機 YAMAHA A-2000Aを購入した。重量27kgとプリメインでは最重量級である。試しにサンスイAU-607DXと入れ替えてダイアトーンP610MBを鳴らしてみると、これがなかなか良い。低域のドライブ力がだいぶ違うようで、僅か16cmのP610MBからモリモリと低音が出てくる。やはりオーディオ全盛時の競争の激しかった時代のものだけはある。    
YAMAHA得意のウッドの仕上げが美しい

2003.10.28

NAOKさんよりアドバイスを得てTU-873の前段球6SN7GTを交換してみた。USA製GOLD AEROである。標準はロシア製SOVTEKであった。これは多少良くなったような気がする。高域に一段と艶がでる。本命はRCAレッドベースか東芝マツダらしい。そのうち入手して試してみよう。300Bと違って、値段が手ごろなのが良い。

おとといOTKさんが帰られたあとガラードの電源を切るのを忘れていた。おとといの昼12時ごろから昨日の夜10時ごろまで34時間回りっぱなし(今も回っている)であったことになる。
その34時間回りっぱなしの後聴いてみると、なぜかSNが非常に良い。いつもはリムドライブのせいか低域の「ボー」というノイズが結構耳につくのだが、昨晩は明らかに減少している。アイドラーがなじんだのだろうか?謎である。


←SH53の接写モード。夜間の光量不足でも結構キレイに撮れる。
今日は盟友、小樽の黒ポストさんがはるばる拙宅にお越しになるのだ。
これを聴きたいというリクエストにお答えしてエルヴィンジョーンズ「Heavy Sounds」を引っ張り出してきて聴いた。
エルヴィンジョーンズとリチャードデイビスがタバコの煙をモクモク。こんな怪しいジャケット、今ではとても造れないなあ。60年代の方がのんびりしていい時代だったのかも。

2003.10.27

60年代JAZZが好きだ。ジャンルでいえば「新主流派」。コード分解でアドリブを順番にやるハードバップでなく、モードを用いて斬新なハーモニーを追求したJAZZである。代表的なのがハービーハンコック「Maden Voyage」、ウエインショーター「Speak No Evil」、エリックドルフィ「Out To Lunch」など。もちろんコルトレーンも大好きである。

昨日OTKさんが来られたとき、開口一番(?)コルトレーンの「エクスプレッション」をかけた。おそらく世の中のオーディオファン(JAZZファンではない)がもっとも忌み嫌う音楽ではないだろうか?

なにごとも第一印象が大事である(爆)。この、テナーを狂気のごとく吹きまくるLPを聴かされてOTKさんが平常心を失ったのは想像に難くない。その証拠に、その後にかけたジョージアダムスやブッカーアーヴィンがいい音楽に聴こえたそうだから。

OTKさんは想像とはまったく違う、青年がそのまま年をとったという感じの方であった。オークションやSAEC同好会での書き物を読んでいるとなんかこう、でっぷりと太った初老の余裕のオジサンという雰囲気であるが、実際は良く言えば「南こうせつ」、悪く言えば元祖「ヲタク」といったところだ。だが、装置には滅法詳しいOTKさんだがJAZZに関してはまったくの素人であることがほどなく判明してしまった。
こうなればこっちのペースである。秘蔵のLPを次から次と息つくヒマもなくかけ続け、気がつけば日本シリーズの開始時間となりお開きとなったのであった。

OTKさんが何を思って我が家を訪問される気になったのかはわからない。表向きはお気に入りのチェイスのLPをBigBlockで大音量で聴いてみたいということであった。四本のトランペットが左右から突き刺さるように出てくる昔懐かしいブラスロックである。
だが実際は案外「HPでいつもエラソウなこと言ってるBigBlockとやらを代表して聴いてこい!」とかなんとかみんなにいわれてこられたのではないだろうか?「あんなドでかいマルチアンプのSPがマトモに鳴るわけがない。どんだけヒドイか一丁聴いてきて」とかね。

残念ながら(笑)日頃の調整の甲斐あってBigBlockは実に快調に鳴ってくれた。実は鳴りっぷりのいいソースばかりかけた、というウラがあるのだが・・・OTKさんの本心が知りたいものである。

2003.10.26

幼少のころから整理整頓はニガテである。おまけに生来の無精者で短気ときている。ケーブルをキレイに引き回すなどということは不得意中の不得意だ。

今日はSAEC同好会の総帥OTK氏が我家を訪問されるということなので、今まで見て見ぬふりをしていたBigBlockの配線の整理を行った。ところが電源を落とす際、KSA50からまだ音が出ているのにdbxの電源を落としたためKSA50から盛大にノイズが出てヒューズがとんでしまった。KSA50は音質優先のためかリレーを搭載していないので、電源を切ってもしばらく音が出ているのである。

それにしても一体何本ケーブルがあるのか数えてみると、SPケーブル12本、電源ケーブル15本、デジタルケーブル1本、インターコネクト18本、フォノケーブル2本、で合計48本である。これに加えて交換した際に、しまうのが面倒だからとそのまま床に捨てたのが10本ぐらいあった。
装置を追加したりしてケーブルを接続し直すたびに安直にやるものだからどんどんこんがらがっていく。おまけにSPケーブルなど4mや5mの長尺ものばかりである。これらがごちゃごちゃにラックの背面にトグロを巻いているのだから、どんなにヒドイ状況か想像がつくと思う。今回不要なものを取り出し、配線もなるだけ合理的にやり直した(つもり)。

ラックの裏はこんな感じ。これでもだいぶマシになった。


午前中、切れた8Aのヒューズを購入し無事KSA50は復活した。その前に代用にPhonic XP3000を使ってみた。

やはりこれはダメである。ミッドバスといっても100Hzからであるから結構低い音が出る。SPユニットも結構ブルブル震えている。XP3000はドライなカラっとした低音なのでベースやドラムに粘りがなくなってしまう。

ユニットも25cmのコーンだし、100Hzから500Hzなどどんなアンプでも同じような気がする。一番ないがしろにしがちな帯域であるが、やはりアンプの個性は出る。


376-KSA100用にと思ってGOLDENCROSSをもう一本購入した。ところが交換しようと思って後に回るとすでにGOLDENCROSSがついているではないか。そういえば春先に購入したのを思い出した。ケーブルが多すぎて自分でも覚えていないとは。仕方がないので2405-GLODMUND用にした。だが、こんなところに使ってもほとんど変化はない。長さが50cmなので他に転用するわけにもいかない。ちょっと無駄遣いをしてしまった。


もうひとつ直前対策を。パソコンと冷蔵庫に高周波フィルターつきのテーブルタップを挿入した。どっかでこれは効果的だと書いてあったのだ。たしかにオーディオ側で高周波ノイズを防ぐより、ノイズの出口で防御したほうが効き目がありそうである。

これで対策は完了だ。午後2時、いよいよSAEC同好会の総帥、OTKさんが来る・・・(つづく)

2003.10.25

というわけでAudion Silvernight300BにWE300Bを装着した。こんどは横向きにつくのでWEのロゴがバッチリ見える。
恐る恐る電源を入れる。プレートが赤熱するようなことはないようだ。なんとか大丈夫のようである。だが左chから「ザザッ、ザザッ」というノイズが出る。冷汗がたらりと出るが、しばらくじっとアンプを見つめているとやがて暖まって安定したのか消失した。

試聴ソースはChick Korea "ARC"。ECMレーベルなのだがシンバルがオンマイクでこれでもかという高レベルで入っていて、ヘタをすると音がつぶれて汚くなるのだ。SUMIKOで聴くとこの辺が不満であった。ケーブルをGOLDENCROSSに換えてだいぶ良くなったのだが、はたしてどうか?
今度は音は相当違う。一聴するとGOLDENCROSSに換える前のようなキツメのシンバルに聴こえるが、「バシャッ」と音がつぶれず非常にクリアだ。ピアノも立ち上がりが速くなったようで歪み感も減る。だがキンキンと耳に突き刺さるようなことがなく、シャープだがマイルドというなんか変な印象である。とにかく良くなったことは間違いはない。
心地よいので、いつもは一曲目の「ネフェルティティ」しか聴かないが最後まで聴いてしまった。


いつのまにか集まった300B。左から

GOLDEN AERO
ROD
GOLDEN DRAGON
JJ

それぞれ微妙に形状や電極のレイアウトが違う。そのうち全部の試聴をしてみたいと思っている。

2003.10.24

秘密兵器などと大袈裟に予告するほどのものではなかったが、泣く子も黙る(@8BALLクン)Western Electricの300Bが届いた。Audion Silvernight300Bがこれでどういう風に鳴るか?ちょっと楽しみではある。

最初はチェックを兼ねてA5のTU-873に装着した。2WAYのA5の方が違いがよくわかるかなと思ったからだ。
だが、写真のように残念ながらこれは300Bが後ろ向きにつくようになっているので、「霊験あらたかな」WEの銘柄が見えない。つけただけでは標準の中国製300Bとなんら変わることはない。

音も??であった。中国製300Bとあまり変わったようには思えない。もともと違いがわかるようなレベルのアンプではないのかも。電源を入れて球が暖まってくると、球の内部の電極が膨張して「パキン、」と小さな音がでる。そうすると288-16Gから「カーン、」という音が聴こえるのである。いわゆるマイクロフォニックノイズというやつだ。これなら大音量だと振動で相当ノイズがでているはずである。
これが悪いわけではない。ノイズや歪みを含めてこれらがトータルで288-16Gと組み合わせると、なんともいえないいい音で鳴るのである。だから出力管がWEだろうが中国製だろうが、あんまり関係ないのだろう。ここはノーマルで十分だ。

今晩はいよいよAudion SilvernightにWE300Bをつけてみようかと思うが、その前に疑問が・・・TU-873はそのキャラからしてセルフバイアスだと思って、そのまま差し替えただけでなんの疑問も抱かなかった。事実、なんの問題もなく音は出た。
だがAudionはどうなのだろう?案外固定バイアスなのかもしれない。某サイトに「バイアスを調整してWE300Bをつけたい」などという記事があった。だが、このサイトの記事はあんまり信用できないしなあ(爆)。このSilvernightはTU-873のデラックスバージョンにしか見えないから同じような気もするし、これは輸入元に訊いてみるしかない。

とりあえずハイファイ堂秋葉原店の店長越濱氏に問い合わせてみると「大丈夫でしょー」とのこと。輸入元の問合せ先を訊くと「SBサウンドとかいいますけど去年倒産しました」ということであった。ということはこのSilvernightのメンテナンスは誰がやるのだろう?まあ、真空管アンプの修理なんて誰かがやってくれるに違いない。ところでこの越濱氏、来月から大須本店の店長に栄転なさるそうで、おめでとうございます。一年ちょっとのお付き合いでしたがいろいろお世話になりました。名古屋に帰ってもよろしくおねがいします。


2003.10.23

かねてから狙いをさだめていた近所のリサイクルショップにアナログレコードを発掘するため襲撃を行った。ここは洋楽LPオール480円なのだ。目標は100枚ゲット。先日5枚ほど購入したところ程度も非常に良く、これは一丁総ざらいをしなければと思っていたのである。

一応洋楽LPがAからZまでアルファベット順に整理してある。平日の昼間だし、このコーナーにはお客は誰もいない。誰に邪魔されることなくゆっくりと探すことができる。
しかし、アナログレコードの検索は想像以上の体力が必要だ。なんせ大量にあるのでAからEぐらいで力尽きてしまった。それでも30枚ほどゲット。これでも重くてレジまで運ぶのも大変である。

購入したのは70年代-80年代ロック。JAZZはほとんどない。みんなCDで持っているようなものばかりであるが、アナログで聴けばさらにいい音で鳴ってくれるであろう。
今日の収穫(の一部)

URIAH HEEP "LIVE"
MOUNTAIN "FLOWER OF EVIL"
RICK WAKEMAN "JOURNEY TO THE CENTRE OF THE EARTH"

2003.10.22

おなじみブッカーアーヴィン「The Song Book」であるが、昨日仕事場に眠っていたのを持ち帰ってA5で聴いた。アナログで聴くのはおそらく20年ぶりであろう。ここんところ紙ジャケのCDで長いこと聴いていたのである。

ガラード401にCSE電源コンディショナーを噛ませたらいい感じがした、と報告したが、このときはちょっと聴いただけであった。CSEをはずした状態と比較したわけではない。それで昨日はつけたりはずしたりしてじっくり聴き比べてみた。

やはりCSEは効果がある。CDなんかとは全然違う、バリバリ全開のテナーサックスである。艶やかでしかも柔らかい、まるでアーヴィンがそこに立って吹いているかのような生々しさである。力を入れてピーキーな音を出しているところもキツクならない。こんな気持ちの良いテナーは久々に聴いた。試みにCSEをはずすと、艶やかさが少し後退してピークが歪みっぽくなる。シンバルもCSEが入るとますます「チャリーン、チンチン」ときらびやかになるのだ。


←SH53で撮影。やっぱりこっちの方がきれいに撮れる



BigBlockの2450J用にCARDAS GOLDENCROSSを購入したので(もちろん中古)、試しに洒落でP610MBに使ってみた。今まではTEACのCDPに付属の何の変哲もない赤白のコネクタのついたものを使っている。P610MBの中高域の荒さがこれで取れれば面白いと思ったのである。

昨日聴いてよくなかった山下達郎「アルチザン」を聴く。やはりこれはもう圧倒的な違いである。中低域が一回り力強くなり、ベースやバスドラが一音一音はっきり聴こえる。ヴォーカルもサ行が強調されなくなり、しっとりと落ち着いてキツサがとれる。もちろんキツサは完全にはなくならないが、これぐらいなら許容範囲である。シンバルもチャラチャラしたところがなく、少し暗めながらしっかりエネルギー感をともなった重みのある音だ。
さすがはGOLDENCROSSといったところである。CARDASというのはJAZZでいえばコンテンポラリーレーベルのあの木質を思わせる乾いた音が特徴なのだが、その中でもこのGOLDENCROSSが一番できが良い。ただのCROSSは落ち着き過ぎで暗めであるし、QUADLINKになるとこんどは安っぽい派手さが出てくる。HEXLINKGOLDENは低域に格別の力があるが高域がキツイ。
問題は1m17万という非常識な価格(本国の倍)であるが、最近は一年前と比べて中古相場も安くなってきている。この辺でケーブルを全部GOLDENCROSSで固めてみるのも面白いかもしれない。

帰宅後、BigBlockの2450J用のAudion Silvernight300BにこのGOLDENCROSSを接続した。今まではQUADLINKである。QUADLINKも中高域に限定すればキラキラしたなかなかいい音なのだが、GOLDENCROSSに換えると少し落ち着きが出てくる。まあ、予想どおりではある。今まではソースによってはつぶれたようなシンバルになるところもきっちり分解能を保っている。だがQUADLINKの明瞭なシンバル音も悪くはない。正直言ってどっちも捨て難い感じではある。好みによって使い分けるしかなさそうだ。

実は、このAudionSilvernight-2450Jにはもうひとつ秘密兵器を準備している。明日届く予定だ。もちろん相性というものがあるから実際試してみなければ結果はわからない。乞うご期待といったところである。

2003.10.21

P610MB(箱はKB-610M)を仕事場に持ち込みALTEC409と入れ替えた。サイズは409システムの方が僅かに大きいのだが、重量はこちらの方がある。さすが三菱純正だけのことはある、と思った。日ごろ15インチウーファーを見慣れた目には16cmだと非常に小さく見える。これでマトモな低音が出るのか?と心配になってくる。

音を出してみてちょっと(だけ)驚いた。結構元気のいい低音が出る。409よりはかなり低いところまで出るようだ。やはりユニットや箱に徹底的に解析、測定が加えられただけのことはある。だが本来得意のはずの中域はあまり良くない。山下達郎「ARTISAN」を聴くと、聴きなれた達郎の声がおかしい。800Hzあたりから上が相当荒れているようで(ピーク、ディップの連続)声が裏返ったり、細身になって刺激的に聴こえたりする。

シンバルがなんとかそれらしく聴こえるようにするためには、使用しているプリメイン「サンスイ AU-D607X」のトーンコントロールを3時ぐらいまで上げなければならない。そうすると今度は中域が荒れてくる。(つづく・・・)

2003.10.20

例の某サイトの記事を見て「使いこなし」ということの意味について少し考えさせられた。その記事はJBL4343Bの試聴記なのだが、C34VだとかMC2600だとか、EMTのカートリッジだとか、私の過去に捨てた機器で固められている。どう贔屓目に見てもいい音とは思えない。EMT930など「殺し屋店長」のところで聴かせてもらったが、世間の評判とは裏腹のヒドイ音であった。TSD15も細身の痩せぎすのキツイ音である。C34VとMC2600の組み合わせが締まったいい低音など出すわけはない。まったくベタ褒めばっかしで、ヲタクはステレオサウンドか、とつっこみを入れたくなってしまう。

一体「使いこなし」とはなんのことをいうのだろう?。ケーブルやSPセッティングなどにいくら時間を費やしても効果はたかがしれている。相性の良い装置の組み合わせを見つける方がよっぽど効率が良い。大体スタジオなどラージモニターは壁に埋め込みである。自称ハイエンダーお得意の「ミリ単位のセッティング」などそんなところでは誰も考えもしないだろう。ケーブルだってカナレだというし、アンプはアムクロン一筋である。
装置が決まれば出てくる音は自ずから決まってしまう。マッキンのアンプからレビンソンの音が出るわけはない。JBLがアバロンのように鳴るわけはないのだ。それなのにこの記事ではあたかも「つかいこなし」でそのようなことが起こったかのように書いてある。その肝心の「使いこなし」について是非教えてもらいたいものである。

戯れにダイヤトーンPB610を購入した。三菱純正エンクロージャー入り。どんな音が出るのかちょっと楽しみ。

2003.10.19

約二ヶ月ぶりに「しんた」さん宅を訪問してきた。前回はネットワークによる3WAYであったが、現在はF25を導入してマルチアンプの実験中である。上を以前から使っているクレルFPB200に固定してウーファーのアンプをいろいろ検討中らしい。今日はアキュフェーズM2000とマークレビンソンNo.334Lがお店からの借り物として置いてあった。

最近は20年前のマッキンとかクレルとか、真空管の怪しげなものとか、無骨なアムクロンとかを見慣れているため、こういう超高級アンプが4台も並んでいるとさすがに圧倒される。デザインと筐体のコストが値段の半分以上を占めているとわかっていてもやはり「悪くはないな」と思ってしまう。所有する喜びや他人に見せる喜びというのもやっぱりある。出てくる音がみてくれほどではないのは困ったものであるが。

最初は下をNo.334Lで聴いた。70年代オールド路線とかいって、いきなりブラック系(なんでしたっけ?しんたさん)と懐かしのナック「マイ シャローナ」などを聴かせてもらった。一聴してヴォーカルやギターにきつさがない滑らかなサウンド。この辺はクレルの特徴がでているのだろう。ネットワークを廃してダイレクトにドライバにつながったせいで透明感が以前より格段に増している。SPのセッティングをシビアに追い込んであるだけあって定位などもBigBlockよりずっといい。
肝心の低域だが、パワーのない334Lなので重低音は無理のようだ。そのかわりハイスピード。中低域の立ち上がりが速くて「スパッ、スパッ」とリズムがタイトに決まる。ソースが嵌れば悪くはない感じである。しんたさんはこれがお気に入りのようである。
M2000に代えると、さすがに重心がグッと下がり末広がりの安定した音になる。でも、まあ普通の音だ。これといって特徴のない一週間で飽きてしまいそうな面白みに欠ける音である。これに100万も200万も出すのはもったいない、というのが正直な感想である。これならもうすこしトロ味のあるLUXMAN B10なんかのほうがよっぽど面白い。値段も安いし。

最後に持参したJAZZのCDを聴かせてもらった。やはりこっちの方が特徴がよくわかる。シンバルは決して「チャリーン」とは鳴らず「シャーン」とか「シンシン」としか鳴らない。霞が漂うようなマイルドな薄い音である。おそらく歪みとか位相とか言い出したらこっちの方が良いのだろうが、これではJAZZを聴く意味がない。キツクはないが厚みのあるシンバル。これがないとやはりJAZZは始まらない。残念ながらどこへ行っても、薄くてエネルギーが無いか、キツクて耳がつぶれそうかのどっちかである。まあ、これはCDなどのデジタルソースの宿命みたいなものではあるが。世の中の(ごく少数の)アナログファンはこの辺のところがよくわかっているのだ。だから一度いい音のアナログを聴いてしまうとCDなんか聴く気がなくなってしまう。

余談ついでに書くと、JBL434○のバイアンプがやっと普及してきたようであるが(みなさん私にケチョンケチョンにけなされて奮起されたようで)、これをもって「マルチ、マルチ」とエラソウに言ってはいけない。これはただの「バイアンプ」である。本当のマルチアンプはこういう風に完全にネットワークを排し、いろんなアンプを試行錯誤で選んだものをいうのだ。ミッドバスから上はネットワークを通っているし、上下は同じアンプが無難とかいってるうちは、小樽の黒ポストさんの言葉を借りれば、ただのマルチアンプ「褌担ぎ」である。ウーン、これは名言だ。

しんたさんの事から脱線してしまった。どうやら下のアンプは334Lで決まりらしい。上のアンプをこれから検討するとのことであった。やはりクレルはちょっとマイルドすぎるので変更した方が良いと思う。パワーもそんなにいらないし、これはもったいない。

scince 2003.11.1


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