お言葉に甘えて、先日新聞記事で偶然目にした人権関係の学習会(と、俺は思う)に参加させてもらいました。
タイトルは、「
君をいじめから守る」
朝、7時40分発の高速バスで一路天神へ向かう。
一つ前のバスはまだ空席がかなり目立っていたが、到着したバスはほとんど満員!!
空いた席に、今日同行してくれる相手(先週と同じ方です)とそれぞれ座って発車。
ほぼ時間通りに、「天神郵便局前」到着後、下車。(この朝も早朝の天神はすでに車が多くて、BCまで行くより歩いた方が早い!というこれまでの経験から。)
地下鉄(290円)で、「姪浜」へ移動。
予想外に、地下鉄はガラガラ。
10分前後暇になって、しばし(高速バス内でゲットした無料の冊子等を参考に)今日の昼食場所を模索する。
姪浜駅で下車し、トイレ問題に翻弄されるも、そのまま北口から西へ「西市民センター」へ歩き始めた。
しかし、姪浜駅内には「学生うどん=200円!!」などという幟もあって、ついフラフラしそうになった。
西市民センターは、こじんまりと佇み、受付とおぼしき場所では、今まさに「受付業務の開始」を始めようとしている関係者が集まり始めているところだった。
「受付開始は9時半からです!!」との声を聞き、またロビーで「昼食問題」の討議を続ける。
(しかし、この時座っていた座席にどかどか近づいて来た白シャツの人がいたのだが、それが今日の一人芝居本人だとは、その時は知るよしもなかった。どうみても『教員でしょう!!』という感じだったが。)
時間になり、500円を払って会場内へ。
何となくアナウンスが始まり、最初は3人(これも、おそらく教員関係)のミニ・コンサート開始。
オカリナと、生ギターと、アンプを通した半生ギター。
オカリナも、ブルースハープのように、「調」で持ち変えるのかなあ、と思った。
都合、3曲ほどを演奏し(中央の生ギターの方は、時々ミスチューンをしていたので、いささか不満足であったろう。よく分かる、うん。)、司会の「では、一人芝居の準備がありますので、しばらくお待ち下さい」の言葉から約4分後(計っていたわけじゃないけれど)、本編開始。
福永宅司(ふくなが たくじ)
○福岡市在住の元小学校教諭 元大学講師。
22年間の教師生活(福岡市立堅粕小が最後)では、学力保障と人権教育にこだわり創造的な実践を展開。
在職中は、『福岡市同和教育研究会』の研究部長を務める一方、1997年からは一人芝居で人権啓発活動を行う。
涙と笑いのその演技は、口コミで依頼が殺到し、今では全国で毎年200回を超すペースで講演を行っている。
2004年4月、教職から独立し、よく遊びよく学びの豊かな放課後づくり「子どもの学び館」を創設。
公演がない日は、自宅一階を開放した塾で近所の子どもと接し、「子育ては地域みんなですべきこと」と、我が子が通う小学校の『親父の会』にも参加。
ファミリーコンサートなど子育て真っ最中の親たちのネットワーク作りにも取り組んでいる。
ちなみに、RKB毎日放送が、
「元教師の一人芝居」として、2005年12月04日に放送している。
パイプ椅子一つを舞台中央に置いて、彼の表現が始まった。
今日の「公演」のために書き下ろしたという内容は、テーマこそ「いじめ」をモチーフにしていたが、圧倒的に現実世界を凝縮して切り取ったものだった。
「大人の自殺者が年間に3万人!!」
そう、大人はどうしようもなく追い込まれ、その結果として、全方位的にこの社会が病んでいる。
子供たちが警告しているのは、その反面教師。
そこを穿つことなく、表面的に「いじめは駄目よ!」なんて言っても、届く筈がない。
「どうせ、俺達は、もう終わっているし、勝負はついているんだ。」とうそぶく登場人物の「いじめ側」の子供の言葉を、政府や『内閣総理大臣』なんて人々は、どう返答するんだろう・・・?
「教育再生会議」もいいけれど、全く現場=社会の苦しみを分かっていないという現状。
あまりに「盛り沢山」の事を早口で聞かされ、内心「そうだ、そうだ!!」と思いながらも、「家族って、ごちゃごちゃしながらも、でも、早寝早起きで、朝夕には、みんなで食卓を囲んで、あれこれ言いながら、食事をするもんじゃなかったのか・・?!」という突き付けに、突然最近の現実がオーバーラップされて、珍しく嗚咽してしまいました。(ばれなかったかなあ・・・?)
「くそ!!」という思いでした。
いつも「くそ!!」って思う。
何故、被差別の側にいつも責任を押し付けるのだ!!
でも、それが自分にとっては、逆に「これをこうしてやろう!!」というエネルギーになってきたのも事実。
約1時間の劇は、妙に「すがすがしく」も思えました。
それは、「立場表明」がはっきりしている、から。
どっちの側にいるのかって事が、はっきりしているからでした。
その後、この場を設定した会の代表者である女性が、自分の子供もいじめられていた等を持ち出しながら、あれこれ話をしてくれました。
着替えて登場した、芝居の男性が、「講演」ではないものの、時間的に芝居では言えなかった事や、これからどうしたらという提案をし始めました。
地域を巻き込むこと。
教員は決して、子供を突き放さないで、寄り添うこと。
(中学なら)生徒の力を信じること。
そのために、教員は画策すること。
でも・・・・。
一番問われていると感じたのは、「教員の感性」でした。
「私たちが『変わること』」と、いう風に表現されていましたが。
思えば、こんな風にあれこれのやりとりを、昔は(たった10年前後の事なのに!!)職場でしていました。
あれらは、相当嫌がられましたが、でも、本当は「大事な部分」だったのではないのかな??
今、こんな風に熱い思いで語る教員なんて、あまり出会わない。
(共有する「熱さ」を介在しなくて、仲良しの職員集団があっても、そんなの屁でもなくない!?)
行政や政治に「してやられたなあ!!」と、政治の奥深さを感じたりもしますが、でも、「ここにも、こうして頑張っている人がいた!!」という出会いは、自分に元気を与えてくれました。
そもそも、この混迷の状況の中での「学校教育」というのは、アイディアを練り正当性を勝ち取れば、誰からも束縛されずにそこにある営みなのかもしれないのですから。
会場を出て、あちこちさまよい、「大名関係」に惑わされつつ、しかし、嗅覚は鋭いわしらは、時間がかかっても目的地に到着!!
「陽の当たる場所」のエレベーターを思うような店の入り口で、待つ事しばし。
やっと「一番奥へどうぞ!!」との誘いで、座席へ到着!!
注文は、「昼のセット2種類」と、こっそり小瓶の黒ビール。
このカレーは、辛かったけれど美味しかった!!
食事後(相当、満腹したので)、あちこちを歩いて、腹ごなしをしてから、BCに戻ってみると、発車したばかりです!!となり、しばし待ちつつ列の先頭に立って、「来たよ!」というバスに乗り込みました。
(このバスも満員近く!!)
自分が、これまでやってきて「こうだと思う!」とか「これは、駄目では?」とか思い続けてきたことを、今日の演者が「それでいいんじゃない?一緒に頑張ろうよ!」と言ってくれたような気がして、嬉しかった1日でした。