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政治的ビラ配り 逆転有罪判決

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東京・葛飾区の住職、荒川庸生被告(60)は、3年前、近くにある40世帯が入居できるマンションで共産党の活動報告などのビラをドアのポストに投かんして回ったところ、住居侵入に当たるとして逮捕・起訴されました。検察が「平穏に暮らす住民の権利を侵害した」と主張したのに対し、1審の東京地方裁判所は「プライバシーや防犯の意識は高まっているが、ビラ配りでマンションに立ち入ることが犯罪とまでは言えない」として無罪を言い渡していました。2審の判決で、東京高等裁判所の池田修裁判長は「マンションの住民は玄関のホールにはり紙をして部外者の立ち入りを禁止していた。政治活動のビラを配る目的自体は正当で、表現の自由も尊重すべきだが、平穏な暮らしを求める住民の意思に反して敷地に立ち入ることは犯罪に当たる」と指摘し、1審の無罪を取り消して罰金5万円の有罪を言い渡しました。東京高裁では、おととし12月にも、当時の防衛庁の官舎で自衛隊のイラク派遣に反対するビラを配った市民グループのメンバーに別の裁判長が有罪を言い渡しています。判決について、被告の荒川住職は「憲法で保障された表現の自由を侵す不当な判決だ。わたしにとっては5万円の罰金でも、社会に大きな影響があるので、上告して最高裁で闘いたい」と話していました。また、弁護団は「オートロックでないマンションの通路や階段に立ち入ることが犯罪になるという常識とはかけ離れた判決だ。ビラ配りが一切できなくなるだけでなく、さまざまな悪い影響が出るだろう」と話しています。また、判決について、憲法学が専門の慶応大学の小林節教授は「表現の自由とプライバシーの保護という憲法が保障する2つの権利が争われた今回の裁判は、どちらの権利を重視するかで判断が分かれるケースだった。表現の自由が無制限に許されるものではないとは言え、今回、有罪の判断が示されたことで、ビラを配る人たちが逮捕を恐れていしゅくすることにつながりかねない」と話しています。
もどる12月11日 18時20分
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