ぼくたちと駐在さんの700日戦争

その日、おいら、夕子と昼下がりを楽しんでた。

　ドンドンドン

ん？鬼玉のノックじゃないな。誰だ？

「あ・・・村山先輩・・・・」。
「えっと・・・えっとさー」。
「はい。なんですか？」
「ちょっと学校まで一緒に行かない？」

いきなり夕子を連れ去った。なんで？どういう展開だ？
おいら目を白黒させたね。黒目だけなのに。

ところがこの直後だ。

「お前ら、こっちじゃねーだろーがっ！？」
「いやぁ〜。女の子の部屋っていいねぇ」。
「ばかっ。さっさと配置につけ！」
「おれ。ここが配置でいいや」「おれも〜」「おれも！」

な、なんだなんだ？なんなんだ？こいつら！
なんだって夕子の部屋勝手に入ってんだ！こらっ！って鬼玉も一緒か？グルか？

ん？

なんだ？

なんだっておいらのこと見てんだ。こいつ。

って思ったら・・・・・

のわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！

ほお擦りすんな！こら！
気色わりぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜！

「こらっ。お前ら、妹のクマにすりすりするなぁっ！」

鬼玉が制止してくれた。

ふえ〜〜〜〜。びっくしだぜ。こいつら。とんだアウトローだな。

「いやぁ。この匂いだけで3日はいけますね〜。西条さん」。
「いやいや。10日はいけます。孝昭さん」。

そうか。孝昭ってんだな？
てめぇ・・・。覚えてろぉ・・・。

しかしこの孝昭。くせものどこの騒ぎじゃなかった。

この後、また夕子の部屋へ入って来たかと思うと、鬼玉がいようといまいとおかまいなしの傍若無人ぶり！

　こ、こらっ！顔すりすりすんな！
　う、うわっ！な、なんで唇よせる〜〜〜〜〜！
　ば、ばかやろ！どこさわってんだよ！こら！

鬼玉が爆発するまで好き放題。

ぜ〜〜〜〜ぜ〜〜〜〜〜

ち・・・ちっくしょう。あのケダモノがぁ・・・・。

て、貞操の危機を感じたぜ・・・・。


しかし。

おいらの不幸はこの日で終わったわけじゃなかった。

その後も孝昭ってやつは、家に来るたびに、虎視眈々とおいらの貞操を狙ってきやがったんだ。
なんなんだ？あの野蛮人は。

おいら、初めて見たぜ。あんなやつ！

やっぱ野蛮人だらけか？蝦夷。

とにかく高校に入ってからの鬼玉の友達ってのはろくなやつじゃねぇどこの騒ぎじゃない。

もちろん鬼玉の部屋でも勉強の話なんかめったにしねぇ。
よるとさわると、女と警察の弱点の話ばっかりだ。
なんかな。おいら不安になったよ。鬼玉が犯罪グループにひきずりこまれてるような気ぃしてよ。

とりわけ西条ってやつ。
こいつが馬鹿だったな。

「夕子ちゃん。また変な熊抱いてきてるのか？」
「えー！だって部屋においとくと、なんか形変わったりするんだもん。それにへんな熊じゃないもん！」

「え。だって変態じゃん」。
「な、なによ！へんたいって！」

「変な熊で変態、だろ？」

ばかやろっ！漢字勉強しろよ！
よーーーーっく、熊の下見ろって。心じゃないんだよ！四本足なんだよっ！
だいたいぬいぐるみに指摘されて恥ずかしくないのかぁ!?

が。驚いたねぇ。
こいつが紙にこの字を書いたんだがな。

　　「変　熊」

あっはっはっは。ほんとだ！変態とまったく区別つかねぇ。
まーーーー。へったくそだな。字。

って、バカ野郎！てめーが字ぃへたくそなばっかりに変態か？こらぁ！

鬼玉。ともだちは選ばねぇとダメだって。

「変態は西条さんでしょ！」

夕子！よく言った！






またランクリ素通りか？こら！　おいら泣けてくるよ・・・。

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　　　　特別編：第8話へつづく→


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