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太蔵議員予備選、公認巡り前代未聞の戦い

 次期衆院選で、小泉チルドレンの処遇をめぐり混乱する自民党注目議員の1人、杉村太蔵氏(28)の擁立が有力視される北海道1区で、事実上の予備選挙が実施されることが7日、決まった。同選挙区では、現職の杉村氏と会社役員長谷川岳氏(36)が公認を争っており、党札幌市連は党員らを対象にした予備選の結果も踏まえ、年内にも結論を出すとしている。調整難航による窮余の策ではあるが、結果次第では党内に溝が生まれる可能性もある。

 自民党札幌市連はこの日の選考委員会で、北海道1区からの立候補を目指す杉村、長谷川両氏のどちらを公認するか決める選考方法を協議。その結果、選挙区内の党員、党友約4000人を対象に「意向調査」という名の予備選挙を選考過程に盛り込む方向で調整に入った。今月下旬にも両氏の公開演説会を開き、党員党友の意見も踏まえた上で、早ければ年内にも公認候補を決めたいという。委員会は今月2日に両氏を面接したが結論に至らず、「前代未聞」(関係者)の予備選挙実施が決まった。

 杉村氏は、05年の郵政選挙で南関東ブロック35位で初当選したが、出身は北海道。既に札幌市内に事務所を構え、出身の札幌藻岩高などの人脈を駆使し地盤固めを進めている。長谷川氏は「YOSAKOIソーラン祭り」創始者で、若手経営者として知られる。

 杉村氏は昨年、北海道連の候補者公募に応募し、一貫して北海道1区での立候補を目指してきた。現職で知名度も高く、民主党の大ベテラン横路孝弘衆院副議長(66)が地盤を固める同区からの立候補を決めた経緯もあり、党選対幹部の間では杉村氏を推す声が強い。しかし地元の一部に長谷川氏を推す動きがあり、町村信孝官房長官(63)も支持しているとされる。地元と中央それぞれで意見が分かれ、調整がつかない事態に陥っているが、杉村氏は「党の決定に従う」と述べ、沈黙を貫いている。

 自民党は、次期衆院選でチルドレンを優遇せず、杉村氏のような比例単独候補には小選挙区からの立候補を求めている。しかし選挙区が未定の新人議員や、親代わりとなってきた武部勤元幹事長(66)は猛反発、武部氏は離党もちらつかせ、チルドレンの公認をめぐっては一筋縄ではいかないのが実情だ。11日からは党選対本部で候補者調整が本格化するが、新人議員の処遇次第では党分裂の危機もはらんでいる。

[2007年12月8日7時45分 紙面から]

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