中国・雲南省昭通市で、即席めんを食べた小学生が中毒死するという痛ましい事件が起きた。 12月7日、公安庁はこの事件に関する記者会見を開き、即席めんと一緒に食べた豚の油かすに、殺そ剤が付着していたことが原因と発表している。 この事件は12月3日の朝、小学生4人が通学途中、即席めんと豚の油かすを食べたところ、1時半後に口から泡を吐き、四肢を痙攣、意識をなくすなどの症状を示し、まもなく死亡したという。豚の油かすを意図的に、即席めんに混入したのではなく、故意であったという。こうした問題は、ほんの氷山の一角に過ぎない。 中国食品の安全性を揺るがす事件は、過去に何度もも発生している。 6月20日には、冷凍食品用の中国産ピーマンから、殺虫剤のピリメタニルが基準値を超えて検出されたとして、厚生労働省は食品衛生法に基づく検査命令を出した。 中国産の野菜に、ピリメタニルが含まれていたケースは、その時が初めてなのではない。2006年の8月にも、中国産のニンニクから、基準値以上のピリメタニルが検出されている。 また、中国産の養殖ウナギからも、基準値を超えるエンドスルファンが検出され、輸入停止の寸前になった過去もある。 中国の農産物の残留農薬基準は、日本のポジティブリストの導入によってさらに厳しくなっている。 ピリメタニルは、殺虫剤の成分として、多くの農産物に使用されている。農薬は適正に使用すれば人体には問題はないといわれているが、中国では土壌に農薬が残留して、土壌汚染が深刻化しているという。 今回の残留量は決して致死量ではないものの、環境への影響を考えると、農薬の使用に関しては再度徹底的に見直す必要性があるのではないだろうか。 2008年には、北京オリンピックの開催を控えている中国。 各国のオリンピックに出場する選手たちのなかには、汚染された空気の影響を恐れて大会直前に入国し、競技が終了すると即座に出国しようという選手も多いという。 また、選手村での食品安全は厳守されている、と公表されているものの、食品安全問題を多く抱え、不安要素を残すままの開催となりそうだ。
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