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死の淵からの生還


※この物語に出てくる安藤希紗と管理人は別人です※


……その日の午後、俺は家の近くを散歩していた。
日常から開放されたかったからだ。
俺は辻井 叶<つじい かのう>。
漢字で書くとかっこいい名前だが、ひらがなだとちょっとダサい名前だ。
ちなみに現在高校在学中で彼女はいない(自分では結構美形だと思うが…)。
東京都のどこかにあるマンションに住んでいて、周りは畑だらけだ…。
そんな話をしているうちに俺は不思議なものを見つけた。
なんだか丸い形をしているものが地面に書いてあって、真ん中に乗ってくれとばかりの足の形をした台がある。
俺は吸い寄せられるようにその台に乗った。
そのとたん俺の体が急に宙に浮いたのだ!!
何故だろうと思い下を見ると、そこには俺が倒れていた。
パニック状態になる情けない俺。
「何で…!?」
そこに不意に人の声がした。
「あなたは死んだのよ。」
驚いて後ろを見ると、そこには俺と同じ位か、もしかすると俺より若い女が立っていた。
「なんで?俺はあの台に乗っただけなのに死んだのか?」 
「ええ、私もあれで死んだのよ。」
俺は納得できなかった。
「何なんだ、あれは?」
彼女は平然とした顔で答えた。
「あれは死の台。日常に飽きた人にだけ見えるの。そしてあれに乗ると、死ぬ。」 
「はぁ?なんだそりゃ??」
彼女はさらに言葉を続ける。
「…でもね、あれで死んだのはちゃんとした理由じゃないから、どこかに生き返る手がかりがあるはずなんだけど……。」 
「ヒントはあの台に隠されているとか?」
俺は台を指差した…筈なのに。
「台が…ないっっ!!?俺の体も、どこに行ったんだ?まさかもう誰かが見つけて病院行きになったとか?」 
「違うわ。」 
「そんなきっぱりと…何を根拠に?」 
「私は色々な人があの台に乗ったのを見てきたわ。体はあの台が隠してどこかに持っていくの。」 
「どこかって、どこに?」 
「それは分からないわ。」
自分で言っておいてそれはないだろう。
「まあいいや。それなら行くか。」 
「行くか。って・・・どこへ?」 
「決まってんだろ。手がかりを探しにだよ。お前とはここでお別れだっ!!」 
「待って!!貴方だけじゃお金も持ってないし、魔法の使い方だって分からないでしょ?」
俺は一瞬、魔法なんて嘘だろう?と思ったが、彼女の顔はかなり真剣だ。
「やっぱり信じてくれないわよね。」
俺は一瞬ためらったが「分かった、信じるよ。君は魔法が使えるのか?」 
「ええ。見せてあげるから、ちょっと待っててね。」 
そう言いながら取り出したのは黒い小さな本。
「ちょっとそこどいてて、危ないから。」危ないってどんな術なんだ?
「いくわよ!!!」
「・・・・・ЮΩΦΘ」何を言っているかは聞き取れないが、おそらく呪文だろう。
「哈ッ!!」
一瞬でさっき俺が立っていたところで火が燃えている。
「すごい!」 
「今のは練習なしで誰にでもできる簡単なものよ。私の魔法は水の魔方陣なの。人によって魔法と属性は違うんだけど…」 
「俺の魔法と属性も分かるのか?」 
「…この本あげる。私はもう全部覚えたから。」
そう言いながら俺に手渡してきたのは、さっきの黒い本。
「それの1ページ目を開いて。」
開くと、そこには[あなたの魔法は呪文、属性は風]と書いてあった。
「なんて書いてあった?」 
「属性は風で、魔法は大気…。」
すると彼女は目を丸くしてこう言った。
「え…、すごいじゃない!!」
俺は彼女が何故そう言ったのかよく分からなかった。
「なにが?」 
「風の属性は限られた人にしか使うことができないの。」 
「まじ!?」 
「でも全ての属性の中で1番難しいのよ。死んだ人もいるらしいし…」 
「そんなに難しいのか。」 
「あ、自己紹介がまだだったわね。私は安藤希紗。」 
「俺は辻井叶。よろしくな、希紗。」 
「こちらこそ、叶。それじゃあ行きましょうか。」 
「死の台のなぞを解きに?」 
「いいえ、あなたの魔法の練習をしに。」 
「…お〜?」 
「じゃあ、この台の上に乗って。」
見るとそこには既に魔方陣が描かれていたのだが、何故か魔方陣があるところの土が湿っていた。
「なんかこの土、湿ってない?」 
「当然よ。今、水を呼び出したところなんだもの。」 
「呼び出した…?」 
「ほら、早く乗って!行くわよ!!!」 
「わかった!!」
地面から水が湧き出してきた。
咄嗟に俺は希紗にこう聞いてしまった。
「溺れない…よな?」
実は俺はそんなに泳げないからだ。
すると希紗は少し笑いながら言う。
「私たちはもう死んでるんだから2回も死ねないわ。それに、もし溺れたら助けてあげる!」
俺は死んだことをすっかり忘れていた。
「口を閉じてた方がいいわよ。舌噛むから」
次の瞬間、俺らはデカいシャボン玉の中にいた。
「すごい!!」 
「あまり動かない方がいいわよ。これ、割れやすいから。」 
「マジ?」 
「冗談よ。」
笑いながらそう言い返す希紗。
「そういえば、俺たちは今どこへ向かっているんだ?」
すると希紗はちょっと真剣で、どことなく不安そうな顔で答えた。
「森よ。」
俺はその顔を不審に思ったが、あえて何も言わなかった。

 「着いたわ。」
そこはどことなく不気味でうっそうとした森だった。
「どうやって練習をするんだ?」 
「簡単よ。その本に書いてあることを最初から順番にやっていくの。」
なんだか少しアバウトな気もするが、やってみるしかないだろう。
ページをめくってみると[簡単な魔法]と書いてあるところがある。
…さっき希紗がやったものだろう。
[まず手を構えて] こうか?
[念じる] …何をだよ?
すると一番下の余白に文字が現れてきた。
[自分が今、何をやりたいのか(この魔法では火が燃えるように)念じる。]
すっげーこの本。
とか感心しながら練習を続けた。

「……とりあえず全部練習し終わったよ」
練習を始めたのは今日の昼頃だったのに、すっかり夜になっていた。
「じゃ、明日はテストをするから。そのつもりで。」
そのつもりで。ってなんだよ!それじゃあまるで抜き打ちテストじゃないか!!
俺はそう思ったが口には出さなかった。
それが最善の方法だったのかも知れないし、俺が実力を試せる時だったからだ。
「明日は早いからもう寝るわよ!」
「寝るって、どこで?」
「あそこに洞穴があるからそこでいいでしょ?」
他に選択支があるのか? 「…別にいいけど。」
その洞穴は暗くて湿っぽかった。
「哈ッ!」
希紗が火をつけた途端に明るくなり、湿っぽかった空気は少し乾いた感じがした。
「ベッドをつくるのは、あなたの役目でしょ?」 課い 「あぁ。」
俺は今日練習した魔法を必死に思い出した。
「ЖЧΣ…!!」
俺が呪文を唱え終わると、待っていたかのような突風が起こった。
それは次第にこっちに近づいてきて、洞穴の中を枯れ葉だらけにした。
「一日でこんなに出来るようになるなんて!」
希紗は感心しているが、これは一番簡単な物だ。
「じゃ、私はもう寝るから。おやすみ。」
「ちょっと待て!!ここで見たものと現実のものは同じなのか?」
俺はさっきから思っていたことを口に出してみた。
さっきの空中にシャボン玉で浮いたことや、今みたいに非自然的な突風を起こしたりしたのにそれに気付く人間はいなかったということから俺は思ったのだった。
「…私が貴方に会う前、あと3人、仲間がいたわ。」
寝た姿勢のまま、区切りながら希紗が話す。
「なんだって!?じゃあ他の奴らはどこへ?」
「帰ったわ。現実へ。」
「どういうことだ?」
「それはそのうち分かるわ。おやすみ!!」
希紗は会話を打ち切ろうとしているようだったので、俺もそれ以上は尋ねなかった。


真夜中、希紗はもう寝ている。
俺はなんとなく寝れずなかったので、魔法の練習でもしようと思ったのだった。
俺は洞穴の外に出ようとしたが、外から獣のような形容し難い鳴き声が聞こえて来た。
しかも、その声は次第にこちらへ近づいて来た。
希紗は当然のことながら爆睡中。この時間なら仕方のないことだろう。
だから俺は絶対に希紗だけは守ろうと決意した。
そこでふと思った。
簡単な呪文の、火をおこすやつを使って空気中の酸素だけを燃やせないか?と。
考えている暇もなく、奴はこっちへ近づいてくる。
このままだと暗くて何も見えないので、もし失敗したとしてもやってみるしかなかった。
そこで近くの酸素を燃やそうと思い呪文を唱えた。
「ЮΩΦΘ……!」
やっと周りが明るくなった途端、俺は息を飲んだ。
遠くにいるとばかり思っていた物が俺から10mぐらいの所にいたのだ。
しかもその姿がかなりデカい龍<ドラゴン>の形をしていたのだ。
「おいおい、マジかよ…。」
唖然という言葉は今、この時のために存在しているような気がした。
そんなことを考えている余裕もなく、龍はこっちに迫ってくる。
これ以上こっちへ来るのを少しでも食い止めようと、龍の周りに突風を起こした…が効果はない。
こうなったら…と思い、俺は先刻、練習しようとしていた呪文書で最強であって、1番難しい衝撃波を撃ってみようとした。
しかもその時、龍が俺に向かって来たので、俺は一か八かの大勝負に出た。
「яюыш!」

…しばらくは何が起こったのか分からなかった。
だが、目の前にいたはずの龍はいなくなっていた。
俺は龍を倒したのだ!!

ふいに後ろから拍手が聞こえた。…希紗だ。
「見事だったわ。」
次の瞬間希紗は耳を疑うようなことを言った。
「試験合格よ!」
「試験ってこれがぁ?!」
「ええ。今何時かしら?」
俺は腕時計を見た。
「AM3時24分…」
「私は今日、テストをやるって言ったわよね?」
まさか…「これは希紗が仕掛けたのか?」
「そうよ。」
「あの龍は魔法で?」
「龍?私は龍なんて仕向けた覚えはないわよ?」
「でも現に今居たの見ただろ?」
すると希紗は笑いながら「寝てた」と一言。
「でも、もしかしたら…」
「もしかしたら?」
「ん?なんでもない。」
「ならいいけど…。そういえばあの龍はどこへ?」
「たぶん消滅したんだと思うわ。」 
「でも俺たちはもう死んでるんじゃなかったのか?」 
「最初に言ったように私たちはまだ完璧には死んでないのよ。本当のことを言うと、ここはあの世とこの世の境目なの。」
「もし完璧に死んで、あの世に行ったら?」
「今の龍みたいになるんじゃない?」
「消滅?」
「ええ、おそらく。」 
「どうすれば消滅しないで済む?」
「生き返ればいいと思うけど?」
それはそうなのだが…「どうやって生き返るんだよ!?」
「それを探しに来たんでしょ?少し落ち着いて。」
希紗は少しうんざりした表情だ。
「悪ぃ。なんか腹減ってて。」
「仕方ないわね。じゃ、町にでも行ってみる?」
「あるのかよ?」
「ええ一応。」
「連れて行ってくれるのか?」
「そんなわけないでしょ。あなたが連れていってね。」
「場所も知らないのに?」
「上から見ればすぐに分かるわよ。」
「かしこまりました…お嬢様。」 
「何か言った?」 
「…ИΠЯё」 
「話をそらさない…きゃッ!!」
俺は希紗が話しているうちに飛んでしまったので何か言われはしないかと内心ひやひやしていたが、どうやら杞憂に終わったようだ。

すぐに町に着いた。
「…失敗するかと思ったわ。」
「ひどいな、それ。」
そう言って俺達は笑った。
「あ、お店が増えてる。」
「希紗はよくここへ来るのか?」
「ん?たまに。」
「おすすめの店は?」
「あの新しいお店!」
そういうと希紗は、猛然とその店に走って行った。
仕方なくあとを追う俺。
すると、希紗が店の前で呆然と立っていたのだ。
「希紗?」
「…信じられない。」
希紗は俺の呼び掛けには無反応だったが、俺に話し掛けているというのは分かった。
「このお店の壁に書いてあることって、死の台に乗った人のことだわ…!」
そこで俺はその店の壁を見た。
俺が見ても何が書いているのかは全く分からないがフランス語で書かれていることだけはなんとなく分かった。
「マジかよ!?」
「私が嘘をついてどうするのよ。」
「それはそうだけど…なんで読めるんだよ!?」 
「ずっと前にフランス語を習ってたからよ。」
ちょっと意外だなぁ。と思いつつ希紗の話を聞いた。
「これは何十年も昔の話みたいね。ここから少し行った森の中に洞窟があって、そこの中の神殿を龍が守ってるらしいわ。しかもその時に決まった魔法を発動させなきゃいけ なくて、それが水と風の魔法の1番難しいものの…魔術の合成。」 
「魔術の…合成?」 
「ええ。……魔術の合成…またの名をKill magic…殺しの魔術って言うの。何故『殺し』かって言うと、失敗すると意志に関係なくこの世から消滅するからなの。今 朝の龍のようにね。」 
「まじ?じゃあ命がけっていうことかよ。」 
「私も去年これをやったわ。昨晩言った仲間たちと共に。でもそのときは彼らだけ帰っちゃったんだけどね。」
希紗はおどけた顔をして笑っている。少しでも明るく振舞おうとしているのだろう。
「ごめん、朝から変なこと言っちゃったね。」笑いながらそう言う希紗。
「いや、別に気にしなくて…」
そこまで言ったところで急に後ろに気配を感じた。
「すみませんね。立ち聞きさせていただきましたよ。どうやら貴方達は死の台によって死んだようですね。」 
「そうだけど…?」 
「それでしたらいいことを教えてあげましょう。ここから少し行ったところに遺跡があります。そこに行ってみなさい。きっと道は開かれます。」 
「遺跡だな、わかった!!」
俺はそう言い残し、遺跡へと走った。

遺跡を外から見てみると洞窟のように奥へと続いていた。
そこで俺はまだ朝飯を食べていないことを思い出した。
ヤバイ…腹減った……。
「はい、朝ご飯。」
倒れそうな俺の前に差し出されたのは焼き立てと思われるパン。
「さっき何も買わずに町から飛び出して行くんだもん。びっくりしちゃった。」
希紗は笑いながら耳が痛くなるようなことを言う。

それを食べ終わった俺は「行ってみるか?」と答えは分かりきっているのに聞いてみた。
すると希紗は予想に違わぬ答えを返した。
「行くしかないでしょう?ここまで来たんだもの。」
俺達は1歩中へ入ってみた。
かなり暗くて湿っぽい。
「…ん?ここは…昨日俺達が泊まったところじゃないか!?」
「やっと気がついたの!?気付いてると思ってた…。」 
我ながらかなり鈍感だ…。
「だって昨日は何もなかっただろ?」 
「じゃあ聞くけど、昨晩はなんで魔法を使ったのかしら?」 
「龍…がいたからだろ?」 
「もしそれが何かを守っているとしたら?」
俺はやっと納得した。
「つまり、その龍を倒せば、さっきの爺さん曰く『きっと道は開かれ』るってことか。」
そんな悠長な会話をしていると、昨日も聞いた龍の形容し難い鳴き声が聞こえてきた。
「来るぞ」
とっさに身構える俺。
すると希紗が「今度は私が倒すからちょっとどいてて!」と言った 
「わかった!!」
すると希紗は魔方陣を書き始めた。
するとそこから蒼い炎が出て龍に向かっていった。
次の瞬間には既に龍は消滅していた。
「最強じゃん!!」
だが希紗は、そんな俺の言葉など無視して「奥に扉があるわ。」と言う。
行ってみるとそこには神殿が宙に浮かんでいた。
「なんでこんな高いところに…?」 
「魔法で浮いてるのよ。近くに何かないか探してみて。」
俺達は周りを探し始めてみた。
「………ん?」
そこには小さな木の扉があった。
俺はその扉を押してみたが開かない。
それならば、と思い引いてみたが、やはり開かない。
「希紗!ここに扉があるんだけど、押しても引いても開かないぞ?」 
「それなら横にずらしてみたらどうかしら?」
言われた通り横にずらしてみると開いた。
俺って本当に超鈍感…。っと、そんなことに打ちひしがれている場合じゃなかった。
そこにはなんと小さな白い本があり、中にはなんと魔法所と同じようなことが1つ載っていた。
(少なくとも俺にはそう見えた。他の属性の人にはどう見えるのか分からないが。)
「希紗!こんなところに魔法書が…!!」
言い終わる前に希紗は本をひったくるようにして読み始めた。
「本当だ…。」 
「でも何故こんなところに?」 
「…この神殿の上にで風と水の最上級の魔法を同時に発動して魔術の合成を行わなくちゃいけないの。その為に必要なのよ、その魔法書が。どうする、やめとく?」 
「さっき『行くしかないでしょう?ここまで来たんだもの。』って強気なこと言ってたのは誰だったっけ?」 
「でも、さっきも言ったと思うけど失敗したらこの世からもあの世からも消滅するのよ?」 
「やる前から諦めてたら何をやったって失敗するんだよ!」
言いながら俺は希紗を抱えて神殿の中に入った。
希紗は「それで後悔しないのね。」と、つぶやくように言った後、元気に言った。
「じゃ、やるわよ!魔法書読んだわよね?」 
「一応…。でも5秒だけ待ってて!」 
「仕方ないわねぇ…。5・4・3・2・1…はい終了。覚えた?」 
俺はそんなに急がせてもし間違ったらどうするんだよと思ったが、「余裕っしょ!」と希紗にあわせてハイテンションで答えた。
「じゃ、やるわよ!!」
希紗は魔方陣を書き始めた。
と同時に俺は呪文を唱える。
「A ёЭбЩйμΘλ…」
すると、希紗が書いた魔法陣が蒼く光り始めた…と思ったら、俺達はその魔方陣に吸い込まれていった。

…どのくらいの時間がたったのだろう。
気がつくとそこは俺が死の台に乗ったときと全く同じだった。横に希紗が居るという以外は。
「助かったんだな、俺達。」 
「一応ね。」
そこで俺はなんとなく聞いてみた。
「…そういえば希紗ってどこに住んでるんだ?」
すると、思いがけない答えが返ってきた。
「…貴方が住んでるマンションの最上階よ。」
これにはかなり驚いた。なんで俺が住んでいるマンションを知っているんだ?
そういえば前にごみを捨てに行ったときに見たような気がしなくもないな。
…いや、それ以前に希紗はそんなところに住めるほどのお嬢様だったのか!?
そこで俺はすごいことに気付いてしまった。
「ん?ちょっと待て、俺が住んでいるマンションのオーナーって…確か…」 
「そう、私よ。それがなにか?」
これには俺も絶句した。『お嬢様』といったのは気分的な問題で、本当にそうだったとは…!!
「マジかよ…」 
「ま、貴方はそんなことは気にしないでくれるって信じてるわよ。」
と希紗は不敵な笑みを閃かせながら言った。
その時俺はふと、『希紗には絶対に勝てない。』と悟った気がした。


THE END

この物語に登場する人名などは架空のものであって、実際のものとは関係ありません。


































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































死の淵からの生還   番外編

俺はふと思った。
「そういえば…」 
「どうしたの?」
ボソッと呟いたつもりだったが希紗に聞こえてしまったようだ。
そのままにしておくのもばつが悪い気がして思い切って言ってみた。
「そういえば希紗って、俺のこと名前で呼んだのって1回しかないな…と思って。」 
「あ……………………!!」

完! (笑)















































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































あとがきというほどのものでもないようなあとがき(長っ。)

ここまでお読みくださって本当にありがとうございます。
管理人、安藤希紗です^^
この物語は2002年の秋か冬頃に作ったものだったと思います。(本人が覚えてない…)
実はここに出てくる『安藤希紗』から私のHNをとったんですよ。
だから、”ここの『安藤希紗』=管理人”だと思わないで下さいよ。
自分を物語の主人公にして夢を壊すようなことはしませんから(笑)

この物語の感想・意見・苦情etc...はBBSの方にお願いします☆
パソコンのメールアドレス設定してないんで…ごめんなさい(爆)