北米大陸東部の山脈を縫うように続く、全長3500キロの「アパラチアントレイル」と呼ばれる自然道があります。
そしてこの全工程を歩き通す旅があります。
北海道から沖縄までおよそ3000キロといわれている日本の全長よりも長い旅です。
僕が見たのは再放送だったようですが10月26日でNHKBS2の
「人生のロングトレイル〜アメリカ 3500キロメートルの道のり」でした。
アパラチアントレイルを歩く人々のほとんどが、失業や離婚、戦争からの帰還など、自分の人生の転機に悩み、苦しみ、自らを孤独な旅に追い込むことにより、自分自身のこれまでとこれからに、自分自身で納得のいく結論や目的を見つけようとするものでした。
しかし高低差は2000メートル近くあり、踏破に半年はかかるというのですからスポーツ登山の要素は充分です。
自らの体力の限界に挑み、体を過酷に苛め抜く旅でもあります。
へなちょこながら、山歩きをしていた僕にも覚えがあるのですが、
歩き続けているうちに体は、ただのロボットのように歩を前へ進めるだけになります。
同時に頭にはひとつの思いが浮かび、それを追い、それを見送り、見えなくなってしまうと歩みを進める足元を見つめている自分に戻ります。
そういう循環をしているうちに、思いは反芻され、悩みや迷いはそぎ落とされて、見えていなかったものやわかっていなかったことを知ることになるのでしょう。
自分なりにこれまでに「区切り」がつき自分なりの「これから」が見えてくるのだと思います。
この旅は、人生に重いものを背負った人ほど、得るものが大きな旅になる気がしました。
ぼくは今、指針や道標を見つけたいともがいている最中です。
いろいろなひとにあったり、セミナーや本にそれを見つけようとしています。
でも、今をやり過ごす術を教わろうとすることと、自分自身で自分自身の揺らぐことのない基盤を見つけることの違いを見たように思えます。
今のぼくには
とてもとてもこころ惹かれる番組でした。

残念ながら再放送の予定は今のところないようですが、ほかにも珠玉の番組が多いので、気になる番組は見落とさないようにしようと思います。
NHK
ハイビジョン特集ところで、なぜドクターペッパーなのかというと、
番組の中で過酷な旅を続ける青年が「頭の中は炭酸ドリンクのことでいっぱいなんだ」とつぶやき、その欲求で我慢ができなくなると彼はコースからはずれ里山に降りていとおしそうに飲んでいたのでした。
それほどひきつける飲み物だったけ。
ぼくは発売当初、数回買ってなんとか好きになろうとしたけど結局はなじめずに縁のなかった飲み物でした。
そういえばいまでもまだ売っている。
ということはあのころはわからない大人の味で、今飲んだら「めっちゃうまいんと違うかな」
そう考えた僕は数十年ぶりに買ったのでした。
うんぎゃ! ビニールおもちゃの表面をなめたようなチェリー味。(たぶん)
こうして僕のちいさな大冒険は歩くこともなく5分で飲み終わりました。(← あほ)
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