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「私は無実」声荒らげる フジモリ氏が初公判で

2007年12月11日10時19分

 軍特殊部隊による民間人殺害について殺人などの罪に問われたペルーのフジモリ元大統領(69)の初公判が10日、リマ南部の最高裁特別法廷であった。罪状認否でフジモリ氏は「私は無実だ。いかなる容疑も受け入れない」と声を荒らげた。

 罪に問われたのは、政権初期の91年11月に幼児を含む市民15人が極左ゲリラと間違われて殺害された「バリオスアルトス事件」と、92年7月に大学生ら10人が拘束、殺害された「ラ・カントゥータ事件」。ともに軍でテロ対策を受け持つ「コリーナ部隊」が実行した。

 すでに禁固30年の求刑を決めている検察側は、軍幹部や元側近、コリーナ部隊の元隊員など40人以上の証人を申請。冒頭陳述で、フジモリ氏が作戦を把握した上で命令を下したと指摘した。

 厳しい表情でメモを取っていたフジモリ氏は認否を問われると、手を振り上げながら紅潮した表情でテロ対策など自らの功績を誇り、「私は人権に反することを命じていない」などと語った。裁判長に「手短に答えてください」と制止されると、改めて激しい口調で無罪を主張した。

 この日の公判は午後5時まで予定されていたが、昼の休憩後、フジモリ氏が血圧の上昇など体調の悪化を訴えて出廷しなかったため、午後3時すぎに打ち切られた。

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