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2007年12月11日

 冬の日本海は物騒な落とし物の季節である。輪島から加賀市まで石川の海岸に大量の木材が漂着している

海を汚染しないだけましかもしれないが危険で厄介な物である。北陸の海岸では覚せい剤や密航用水中スクーターなど怖い「落とし物」もある。ナホトカ号の重油漂着も発端は十二月だった。漂流木材が富山湾奥に向かう不安がよぎる

地上の落とし物を処理する「改正遺失物法」が昨日施行され、拾得物情報が各県警のネットで検索できるようになった。県警ごとに表示方法は違うが、利用者が拾得物の分類から画面に入っていく点では全国共通である

例えば、よく笑い話のネタになる「お骨」は神仏具類に、「入れ歯」は医療関連品の落とし物、といった具合だ。分類しにくい物は「その他」になっていて「けん銃」や「覚せい罪」など、すごい品目もある

流れ着く大量の浜辺の落とし物は、警察に届ける拾得物とは別の法律で処理されるので、改正遺失物法の対象ではない。が、携帯電話やカード類など地上の落とし物と同様で、漂着物も世相を反映していて、隣国の社会規範や海運船舶業の無責任さまで映し出す。


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