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朝青龍帰国へ…北の湖理事長容認 高砂親方は慎重な姿勢

モンゴル行きの出発ゲートで朝青龍を待つ報道陣

モンゴル行きの出発ゲートで朝青龍を待つ報道陣 [写真を拡大]

 大相撲の横綱・朝青龍(26)=高砂=が、今週中にもモンゴルに帰国することになった。日本相撲協会・北の湖理事長(元横綱)が、人道的見地から帰国を容認する考えを持っていることが20日、明らかになった。この日、会見した相撲診療所・吉田博之所長(60)も、17日に往診した自由が丘高木クリニックの高木洲一郎院長(61)が「解離性障害」と診断したことを発表して帰国が最善の治療法だと述べた。ただ、師匠・高砂親方(元大関・朝潮)は慎重な姿勢を見せている。

 協会トップが、ここへ来て柔軟な姿勢を示した。「理事会の決定事項がある。今の時点で私が何かを申し上げることはない」としながらも、北の湖理事長は「治療については医師の意見を聞き、指示に従って適切に対応していきたい」と続けた。つまり、医師の帰国案を容認する考えだ。

 吉田所長は高木医師との往診の結果、病名を「解離性障害」と発表。往診直後の「急性ストレス障害」よりストレスの度合いは軽い。高木医師は「(急性―は)命に差し迫った危険がある時に使った方がいい」と19日、意識や感情の統合ができない「解離性障害」の診断書を提出した。

 両医師の見解は、帰国で一致。「最も必要なのは治療環境。日本国内での治療は横綱が希望しないでしょう。今は(報道陣も多く)自宅から一歩も出られない状況。周りからも追われない環境となるとモンゴルがいい」と吉田所長。精神安定剤などによる投薬は開始したが、母国の空気を吸うことが一番の薬となると強調した。これが協会指定医による"ファイナルアンサー"。騒動以来初めて診断書が手元に届けられた北の湖理事長は、人道的見地から、精神的に追いつめられた横綱に、救いの手を差し伸べる考えに至ったようだ。

 一方で、朝青龍の師匠・高砂親方は、帰国案を真っ向から突っぱねた。「(日本での)通院か入院か、どっちかで治療する。今の病状を良くしてからじゃないとモンゴルには帰れない。帰国は選択のひとつと聞いているが、帰る気持ちがあるなら病院に行ける。良くなってからでもいい」。他の理事から帰国反対の意見が噴出していたこともあり、医師が勧めた"治療法"に慎重な姿勢を崩さなかった。

 最終的には師匠の決断が重要視される。この日は帰国を認めなかった高砂親方だが、協会トップや医師の意向を無視する行為は、批判を浴びかねない。吉田所長ら医師団が今後、説得に当たると見られ、親方が折れる形で落ち着きそうだ。

 理事長の超法規的判断か、理事会を招集しての話し合いになるかは未定だが、1日の処分決定から20日目で見えてきた着地点。朝青龍は、早ければ今週中にも母国に帰国する。

 ◆解離性障害 トラウマ(心的外傷)や強いストレスが原因となり、それへの防衛手段として、話し掛けなどへの反応が鈍くボーッとしたり(混迷)、記憶を失ったり(健忘)、自宅や職場から逃げ出したり(遁走=とんそう)と、さまざまな症状が出る。自分が自分でないような感じがする「離人症性障害」や、多重人格とも呼ばれる「解離性同一性障害」も解離性障害の一つ。治療は薬物療法やカウンセリングなどで、数週間で治る場合もあれば、1、2年と長引く場合もある。

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(2007年8月21日06時07分  スポーツ報知)

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