北京で1日開かれた「日中ハイレベル経済対話」で、日中両国がまとめた共同文書の内容の一部を中国が削除して公表していたことが明らかになった。日本政府が外交ルートを通じ、完全な形で文書を公表するよう申し入れたところ、中国商務省は10日、「上層部から2カ所を削除するよう指示があった」と説明してきたという。
削除されていたのは、日本が人民元の為替レート上昇に向けた中国の努力を求めた部分と、エネルギー憲章条約への中国の参加を促した部分。日本側が1日に北京で記者団にこれらを含む共同文書の日本語版を示したのに対し、中国側が3日に国内メディアを通じて公表した中国語版では省かれていた。【鵜塚健】
毎日新聞 2007年12月10日 東京夕刊