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メドベージェフ第1副首相を後継指名 プーチン大統領

2007年12月10日23時07分

 ロシアのプーチン大統領は10日、来年3月2日に行われる大統領選に、第1副首相で天然ガス独占企業「ガスプロム」会長のドミトリー・メドベージェフ氏(42)を候補として推す考えを表明した。今月2日の下院選で与党「統一ロシア」を圧勝に導いたプーチン氏による事実上の後継指名で、大統領選での当選はほぼ確実とみられる。エリツィン前大統領、プーチン氏に続き、ソ連崩壊後の新生ロシアを率いる3人目の指導者となる見通しだ。

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ドミトリー・メドベージェフ第1副首相=07年3月5日、ロイター

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 法律家出身のメドベージェフ氏は、プーチン氏のサンクトペテルブルク市勤務時代からの最側近の一人。プーチン氏が初当選した00年の大統領選で選対本部長を務めた後、大統領府長官などを歴任。第1副首相としては政権が国家的優先課題に据えた教育、保健、住宅、農業問題を担当。経済畑の経験が長い。

 プーチン政権内では穏健な自由経済主義者と見られており、語り口や物腰も柔らか。プーチン政権が唱えた「ロシア独自の民主主義」への懐疑的な考えを表明しており、後継候補として並び称された旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のイワノフ第1副首相ら「シラビキ」と呼ばれる治安機関系の有力者に比べ、欧米にも受けがよい大統領候補とも言える。

 ただ、プーチン氏は、来年5月の大統領退任後も当面は影響力を残すと見られ、新大統領がどこまで指導力を発揮できるかは未知数だ。

 インタファクス通信などによると、「統一ロシア」や、プーチン氏を支持する「公正なロシア」など4党の代表が10日、プーチン氏と会談し、メドベージェフ氏を統一候補として大統領選に擁立したい考えを伝えた。プーチン氏は「全面的かつ完全に提案を支持する」と述べた。大統領側から後継者を4党側に提示したのが実態と見られる。

 メドベージェフ氏は65年、レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ。レニングラード大法学部卒で、プーチン氏の後輩にあたる。プーチン氏がサンクトペテルブルク市で対外関係委員会議長を務めていた時に顧問として仕えた。プーチン政権のもとでは大統領府長官、第1副首相などを歴任した。

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