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佐賀の患者射殺 ホントに狙った相手は…?

2007.11.27 10:05
道仁会系松永組事務所の家宅捜索に入る福岡県警の捜査員=27日午前11時ごろ、福岡市博多区道仁会系松永組事務所の家宅捜索に入る福岡県警の捜査員=27日午前11時ごろ、福岡市博多区

 佐賀県武雄市の入院患者射殺事件は人違い殺人の疑いが濃厚になっているが、福岡で逮捕された指定暴力団道仁会系組員の今田文雄容疑者(61)が病院で誰を撃とうとしたのかは、依然謎のままだ。周辺の関係者からは「抗争激化に伴う組織内の締め付け強化でプレッシャーがかかり、あやふやな情報で独断、実行したのではないか」との見方も出ている。

 福岡県警は「佐賀県警が殺人容疑で逮捕状を取った事件を、福岡で調べるわけにはいかない」(幹部)との立場。現行犯逮捕の容疑である拳銃所持や、覚醒(かくせい)剤に関する捜査が優先され、患者殺人の真相解明着手は、佐賀に身柄が移される12月下旬か年明け以降に先延ばしされそうだ。

 関係者によると、8月にトップの松尾義久会長が射殺されて以降、道仁会内部は「おまえは組織のために何ができるのか」と、互いの忠誠心を牽制(けんせい)し合うムードに満ちているという。

 「『次は自分が狙われるかも』『上からいつ襲撃命令が出るか分からない』との不安が猛烈なストレスとなり、ノイローゼ気味になっている幹部や組員もいる」と、ある警察幹部は明かす。

 射殺現場となった病室に10月下旬まで入院していたのは、道仁会と対立する九州誠道会の関係者と親交があった人物だったが「狙われる動機は、今のところまったく見当たらない」(別の捜査幹部)とされる。

 一匹オオカミのような存在で、福岡県警も正規の組員と認知していなかった今田容疑者を、武雄の事件後に道仁会が組織としてかくまったり守ったりした形跡もない。

 退院目前の病室で殺害された宮元洋さん=当時(34)=と親しかった人たちは「暴力団とは縁もゆかりもないのに、どうして殺されなければならなかったのか。真実を明らかにしてほしい」と話している。

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道仁会系松永組事務所の家宅捜索に入る福岡県警の捜査員=27日午前11時ごろ、福岡市博多区
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