在日米国大使館(東京都港区)が建つ国有地約1万3000平方メートルの借地料を巡り、米政府は98年以降滞納を続けていたが、10年ぶりに支払いを再開することを決めた。借地料の大幅な値上げに難色を示していたものだが、今月中に98年分の借地料が時効を迎えることなどから、日米両政府は10日、段階的な引き上げで合意した。
財務省などによると、同大使館の借地料は周辺地価の上昇に合わせて2度改定し、83~97年までは年252万円だった。98年に3度目の値上げを打診したところ、米側は「そもそも1896(明治29)年に交わした契約文書に値上げの規定はなく、大幅な値上げには応じられない」と、100年以上前の古文書を引き合いに出して支払いを拒否していた。
今回の合意で、98~07年分は年700万円とし、08~12年は年1000万円、13~27年は年1500万円に引き上げられる。米側は同日までに10年分の借地料7000万円を支払った。
米国以外に英国、スペイン、メキシコも大使館用地として国有地を借りているが、借地料を滞納した例はないという。【鵜塚健】
毎日新聞 2007年12月10日 21時04分 (最終更新時間 12月10日 21時17分)