“連続コーヒーぶっかけ”男逮捕…　車内から女生徒狙う

　コーヒーとみられる液体を口に含んで女子高生に吹きかけたとして、会社員の男（２６）が９日までに静岡県警に暴行容疑で逮捕された。乗用車内から、自転車で下校中の女子高生の顔面に向けてピュ〜。現場周辺では同様の事件が頻発しており、県警は“連続コーヒーぶっかけ魔”の可能性が高いとして余罪を追及している。

　コーヒーを吹き出す…。笑い事じゃない事件がお茶の産地で起きた。

　逮捕されたのは、沼津市高砂町の会社員、杉山嘉郎容疑者（２６）。沼津署の調べでは、７日午後５時５５分ごろ、同市駿河台の路上で、乗用車の中でコーヒーとみられる液体を口に含んでスタンバイ。自転車で下校中の女子高生（１６）に車の速度を合わせ、低速走行しながら女子高生の顔などに目掛けて吹きかけたという。

　同様の事件は、駿河台を含め周辺の西沢田、中沢田、東熊堂の約２キロの範囲内で頻発。同署が確認しているだけでも１０月下旬から１１月までに５件に上る。いずれも１人で下校中の制服姿の女子中高生ばかりが狙われ、午後５時半〜６時半の下校時間に集中していた。

　手口は、黒っぽいワゴン車で近づき、車内から無言でピュ〜。同署ではホームページなどを通じて「なるべく複数で帰宅する」「低速で近づく不審車に気付いたらナンバーを覚えてすぐ逃げ１１０番する」と注意を呼びかけていた。

　ナンバーの目撃情報などから杉山容疑者が捜査線に浮上。同署が８日未明に逮捕した。容疑を認めており、「ストレス発散のためにやった」などと供述しているという。同署で余罪や詳しい動機を追及している。

　乙女の顔を狙うとは…被害者にとって屈辱的な犯行だが、同署は「実害があまりないから被害を届けていない者もいるのでは」と泣き寝入りがさらにいる可能性を指摘。お茶の産地で起きたコーヒーぶっかけ事件に「なぜコーヒー？　分からない。お茶好きもコーヒー好きもいますし。でもこういう事件は珍しいでしょうね」と話していた。

　ファンやレスラーに“聖水”を吹きかけるパフォーマンスで知られる大仁田厚前参院議員（５０）はサンケイスポーツの取材に「オレのまねをするな」と容疑者を一喝。「オレの場合、長い歴史で培われたものであり、聖水をかけることでファンに勇気を与えている」と違いを強調した上で「人間が生きる上でルールを守ることは非常に大事。最近は特に乱れていると思う。“吐き”違えるな」と、『違いが分からない男』を斬り捨てた。