政府、与党は十日、インド洋での海上自衛隊による給油活動を再開する新テロ対策特別措置法案の成立を確実にするため、十五日までの国会会期を来年一月十五日ごろまで一カ月程度再延長し、参院での法案否決や、法案送付後六十日たっても採決されない場合に、衆院で再議決して成立させることで最終調整に入った。福田康夫首相は十一日に公明党の太田昭宏代表と会談し、協力を求め、十二日にも会期の延長幅を確定させたい考えだ。
福田首相は十日夕の自民党役員会で「対テロ新法案を成立させるために会期を延長させてきた。後退させるわけにはいかない」と、成立に強い決意を示した。尾辻秀久参院議員会長は記者会見で「(民主党との合意は)大変難しい。(会期延長は)安全を期すべく判断してほしい」と、大幅延長が必要との認識を示した。
政府、自民党は「越年国会」となっても、二○○八年度予算編成は年内に行う方針。また参院での同法案採決は年内に行うよう引き続き民主党に求める。
自民党は今国会での同法案成立を目指す首相の強い意向に配慮、参院での会期内での採決が絶望的となり、民主党から年内採決などの確約が取れない以上、成立に万全を期すため衆院での再議決が可能となる一月十二日以降まで延長せざるを得ないと判断した。
一方、公明党は越年国会となった場合、衆院での再議決に対抗して参院で首相の問責決議案が可決され、衆院の解散・総選挙につながる可能性が高いとして慎重論が根強い。このため太田代表は党首会談で、福田首相から問責決議案が可決されても解散はしないとの言質を得たい考えだ。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は大幅な延長に反対姿勢を表明。山岡賢次国対委員長も十日午前に会談した自民党の大島理森国対委員長に対し「会期を延ばせば誰も望まない衆院解散・総選挙になる可能性がある」と述べ、けん制した。
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