インフルエンザ治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)と異常行動などの関連を検討している厚生労働省の作業部会(座長、大野泰雄・国立医薬品食品衛生研究所副所長)は10日、現段階ではタミフルが中枢神経などに影響を与えることを示す動物実験の結果は出なかったと発表した。最終的な判断は、年内にもまとめるという。
同薬を巡っては、同省が5~6月、輸入販売元の中外製薬に追加試験実施を指示していた。この日報告された試験では、毒性試験の対象となった幼いラットに死亡例もあったが、同社は「死因は偶発的なもの」とした。
一方、タミフルを経口投与した若いラットの脳中の同薬の濃度が承認申請時の実験より大幅に低いことが判明。承認申請時のデータに誤りがあったとして、同省は他の試験成績も再確認するよう指示した。【大場あい】
毎日新聞 2007年12月10日 20時49分