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【社会】鹿島6億円所得隠し キヤノン大分工場 建設で架空外注費2007年12月10日 夕刊 ゼネコン大手の「鹿島」(東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、大手精密機器メーカー「キヤノン」(東京都大田区)の工場建設をめぐり、下請け業者に架空の外注費を支払って資金を捻出(ねんしゅつ)していたなどとして、昨年三月期までの二年間の計約六億円の所得について、仮装隠ぺいを伴う経理処理(いわゆる所得隠し)に課される重加算税の対象と認定されたことが十日、関係者の話で分かった。架空外注費などで捻出した資金の一部は、大分市内のコンサルタント会社に渡っていた疑いがあるという。 単純な計算ミスなどを含めた申告漏れの総額は約三十億円で、重加算税などを含め追徴課税(更正処分)されたという。 また、約六億円の所得の大半について鹿島は使途を明らかにしなかったため、重い税率が課される「使途秘匿金課税」の処分を受けたもようだ。 関係者によると、鹿島は二〇〇三年以降、大分県が大分市迫(さこ)に誘致したキヤノン子会社「大分キヤノン」のデジタルカメラ製造工場の建設工事をキヤノン本体から約百九十億円で受注。工事を下請け業者に発注したが、その際、複数の下請け業者に架空外注費を支払っていたという。 架空の工事契約で支払われた資金など計約六億円について同国税局は、交際費に当たると認定、所得隠しを指摘したとみられる。 キヤノンの大分工場をめぐって鹿島は、工場建設に先立ち同県土地開発公社が手がけた土地造成事業を約七十六億円で請け負っているほか、キヤノン子会社「大分キヤノンマテリアル」の工場建設もキヤノン本体から二百億円以上で請け負っている。 鹿島が隠した所得の一部は、大分県内のコンサル会社に渡り、鹿島がキヤノンの工場建設を請け負うための工作資金に使われた疑いも浮上しているという。 このコンサル会社の監査役は、キヤノンの御手洗冨士夫会長と地元高校の同窓で、かつてキヤノンでも同期。監査役の弟であるコンサル会社社長も御手洗会長と親しい間柄という。 鹿島は「国税の調査には協力しており、納税はすべて終了している。個別案件についてはお答えできない」としている。
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