堅振の秘蹟を受けるための公教要理
第五十六課 堅振
410 堅振とはなんでありますか。
堅振とは、完全なキリスト信者とならせるために、聖霊と其の賜物とを豊かに受けさせる秘蹟であります。(徒8:14-17)
411 聖霊の賜物とは何でありますか。
聖霊の賜物とは、聖寵のすすめにたやすく速やかに従わせるために、人の智慧を照らし、心を強める、特に優れた超自然の御恵であります。(コリント後 1:21-22)
412 聖霊の賜物は幾つありますか。
聖霊の賜物は七つあります。上智、聡明、賢慮、剛毅、知識、孝愛、敬畏であります。(イザヤ 11:2)
一、上智とは、専ら天主のことを重んじ味わせる御恵であります。
二、聡明とは、教を悟らせ、之を心に浸み込ませる御恵であります。
三、賢慮とは、天主の御栄と自分の救霊とのためになることを選ばせる御恵であります。
四、剛毅とは、救霊の妨となるものに打ち克たせる御恵であります。
五、知識とは、天主の御旨に従って世の中の物事を悟らせ、之を用いさせる御恵であります。
六、孝愛とは、孝子の心を以て楽しく天主に仕えさせる御恵であります。
七、敬畏とは、天主を敬わせ、其の御旨に逆うことを畏れさせる御恵であります。
413 堅振を授けるのは誰でありますか。
堅振をさずけるのは、普通に司教であります。
414 堅振は救霊を得るために必要でありますか。
堅振は、救霊を得るために絶対に必要ではありません。しかし怠って受けない者は、大切な御助をわざと拒むことになりますから、罪となるのを免れません。
415 どのようにして堅振を授けますか。
堅振を授けるには、司教は本人の上に手を掩い、聖霊とその賜物とを祈り求め、聖香油をもって額に十字架を記しながら「我、聖父と聖子と聖霊との御名によりて、汝に十字架を記し、救霊の聖香油を以て汝を堅固にす」と、となえ、その頬を軽く打ちながら、「汝に平安あれ」と申します。
聖香油とは、聖木曜日の式に於いて香(バルサム)を混ぜて聖別したオリーヴ油であります。堅振の秘蹟に油を用いるのは、油が物を強く柔かくするように、聖霊もその賜物をもって、霊魂を強く、且柔かくするからであります。香を用いるのは、香の薫るように、堅振を受けた人は徳をもって人々の鑑となれ、との意味であります。
額に十字架を記すのは、十字架はキリスト信者の記号でありますから、之によって、教を公に守らねばならぬことを、憶えさせるためであります。
頬を打ちながら「汝に平安あれ」ととなえるのは、信者がイエズス・キリストのために艱難、恥辱を堪え忍ばねばならぬこと、又その報として心に平安を得ることを教えるためであります。
416 堅振の秘蹟を受けるには、どのような準備をしなければなりませんか。
堅振の秘蹟を受けるには、公教の主なる信仰箇条、ことに堅振のことを弁え、又、聖霊の賜物を熱心に祈り求め、霊魂を潔めるために告白するなどの準備をしなければなりません。
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