神奈川県議会
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平成18年6月定例会で可決された意見書、決議


産科医及び小児科医の確保に向けた抜本的な対策の推進を求める意見書

 少子高齢化の進展、医療ニーズの多様化など我が国の医療を取り巻く環境は大きく変化してきている。かねてより、特定の地域における医師不足については大きな課題となっていたが、とりわけ産科・小児科といった特定診療科における医師不足が、今や全国的にも深刻化してきており、医療提供体制の確保に支障が生じている地域もある。
 国民がいつでも必要とする医療を受けることができ、だれもが安心して子供を生み育てられる環境づくりは、極めて重要であり、そのための医師を確保していくことは、まさに喫緊の課題である。
 本県においても、分娩や小児救急医療の多くを病院が担っている状況の中で、産科・産婦人科及び両診療科を掲げる病院数が減少するとともに、人口10万人当たりの医師数も、産科医及び小児科医ともに全国値を大きく下回っている状況である。
 本県のみならず、各地方自治体においても、医師確保のための取組を進めているところであるが、医師総数の確保を所管する国が、まず責任を持って、早急に実効ある対策を推進する必要がある。
 よって政府は、適切な地域医療提供体制を確保できるよう、産科医及び小児科医の就業環境を改善し、関係省庁の連携による、産科医及び小児科医の確保に向けた抜本的な対策を講じられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成18年7月11日
   
  内閣総理大臣  殿
  総務大臣  
  文部科学大臣  
  厚生労働大臣  

神奈川県議会議長 中村 省司 

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脳脊髄液減少症の研究・治療等の推進を求める意見書

 脳脊髄液減少症は、交通事故、スポーツ障害、落下事故、暴力などによる頭部や全身への強い衝撃によって脳脊髄液が慢性的に漏れ続け、頭痛、首や背中の痛み、腰痛、目まい、吐き気、視力低下、耳鳴り、思考力低下、うつ症状、睡眠障害、極端な全身倦怠感・疲労感等の様々な症状が複合的に発現する病気であり、難治性のいわゆる「むち打ち症」の原因として注目されている。
 しかし、この病気は、これまで原因が特定されない場合が多く、「怠け病」あるいは「精神的なもの」と判断されたため、患者の肉体的・精神的苦痛はもとより、患者の家族等の苦労もはかり知れなかった。
 近年、この病気に対する認識が徐々に広がり、本症の研究に取り組んでいる医師らにより新しい診断法・治療法(ブラッドパッチ療法など)の有用性が報告されている。そのような中、医学会においても脳脊髄液減少症に関して本格的な検討を行う機運が生まれつつある。長年苦しんできた患者にとってこのことは大きな光明となっている。
 しかしながら、この病気の一般の認知度はまだまだ低く患者数など実態も明らかになっていない。また、全国的にもこの診断・治療を行う医療機関が少ないため、患者・家族等は大変な苦労を強いられている。
 よって政府は、以上の現状を踏まえ、脳脊髄液減少症の研究・治療等を更に推進するため、次の事項について早急に取り組まれるよう強く要望する。
1 交通事故等の外傷による脳脊髄液漏れ患者(脳脊髄液減少症患者)の実態調査を実施するとともに、患者・家族に対する相談及び支援の体制を確立すること。
2 脳脊髄液減少症について更に研究を推進するとともに、診断法及びブラッドパッチ療法を含む治療法を早期に確立すること。
3 脳脊髄液減少症の治療法の確立後、ブラッドパッチ療法等の新しい治療法に対して早期に保険を適用すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成18年7月11日
   
  内閣総理大臣   殿
  総務大臣  
  財務大臣  
  厚生労働大臣  

神奈川県議会議長 中村 省司 

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高金利引下げを求める意見書

 消費者金融など複数業者から返済能力を超えた借入れをして、高金利に苦しみ、経済的に破綻し、自己破産・債務整理を行う国民は後を絶たない。
 この背景には、「利息制限法」の最高制限金利である年20%や「出資法」の上限金利である年29.2%が、現在の超低金利時代にあってあまりに高利であり、金利規範として合理性を有していない状況がある。
 こうした中、最高裁判所は、貸金業者の利息制限法の上限を超える利息について「貸金業規制法」第43条の「みなし弁済」規定の適用条件である法定書面の妥当性と弁済の任意性を厳格に解釈した判断を示した。
 高金利は、国民の活力・生産力を奪い、景気を冷え込ませる大きな原因の一つともなり、税金・学費・社会保険料等の滞納の増加をも引き起こしており、見直しは喫緊の課題である。
 よって国会及び政府は、国民生活の安定を実現し、深刻を極める多重債務問題を解決するために、次の事項を実現されるよう強く要望する。
1 利息制限法の制限金利を、市場金利に見合った利率まで引き下げること。
2 出資法の上限金利を、利息制限法の制限金利までに引き下げること。
3 貸金業規制法第43条のみなし弁済規定を撤廃すること。
4 出資法における、日賦貸金業者及び電話担保金融に対する特例金利を廃止すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成18年7月11日
         
  衆議院議長   殿
  参議院議長  
  内閣総理大臣  
  総務大臣  
  法務大臣  
  経済産業大臣  
  内閣府特命担当大臣  
  (金融)  
  金融庁長官  

神奈川県議会議長 中村 省司 

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多様な働き方に社会が対応するための環境整備を求める意見書

 現在、我が国のパート労働者は1,200万人を超え、労働者全体の2割以上を占めている。また、パートやアルバイト、派遣社員など正規社員以外の働き手は約1,600万人を数え、役員を除く雇用労働者の3分の1近くに達するという。
 一般に、非正規社員は正規社員と比べ賃金が低く、有給休暇や社会保険など福利厚生の整備も十分でないため、不安定な身分からくる将来への不安を理由に結婚に踏み切れないなど、現在の少子化の一因とも見られている。また、非正規社員の約7割は女性であることから、その処遇の問題は、労働条件の男女格差にも直結している。
 日本が1967年に批准したILO(国際労働機関)第100号条約は「同一価値労働・同一賃金」をうたっているが、我が国は、その条約の内容を国内で実現するための国内法令の整備を行わないまま、39年が経過している。
 今後ますます、短時間就業など柔軟で多様な働き方が広がっていくことは、時代のすう勢である。そのような就労形態が企業、個人の双方にとって良好なものとなるためには、「正規社員との賃金格差の是正」「育児休業の取得促進」「年金など社会保障の確保」など、非正規社員に対する均等処遇を実現していく必要がある。
 1993年に制定された、いわゆるパート労働法は、パート労働者に対する労働条件に関する文書の交付や就業規則の作成などを雇用する側に課し、雇用管理の面でパート労働者をバックアップしてきたが、更に正規社員との間の処遇面での格差を是正する施策が求められている。
 よって国会及び政府は、多様な働き方に社会が対応するため、パートなど非正規雇用により働く人々の労働条件の適正化と均等処遇を確保する法整備も視野に入れた環境整備を講じられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成18年7月11日
   
  衆議院議長   殿
  参議院議長  
  内閣総理大臣  
  総務大臣  
  財務大臣  
  厚生労働大臣  
経済産業大臣  
  内閣府特命担当大臣  
  (経済財政政策)  

神奈川県議会議長 中村 省司 

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エレベーター事故の再発防止を求める意見書

 平成18年6月、東京都港区の男子高校生がエレベーターに挟まれて死亡するという痛ましい事故が発生した。
 私たちの日常生活において、最も安全であるべき住宅設備において、予想もできないエレベーター事故の発生は、全国でエレベーターを利用する国民に衝撃と不安を与えている。
 事故を起こした会社のエレベーターは全国に約8,800台あるとされており、事故後もエレベーター内に閉じ込められるなどのトラブルが続くとともに、過去の不具合情報も次々と噴出している。
 特に問題なのは、この事故の原因がエレベーターの製品的な欠陥によるものなのか、または、保守管理に問題があったのかが明確にされていないため、具体的な対策が取れず不安が抑えられないことである。
 最近では、全国の自治体において本件の業者を指名から外すなどの動きが続いているが、これは価格のみに重点を置きすぎる現在の入札制度の不備が一因であるとも考えられる。
 よって政府は、国民の日常生活に欠くことのできない設備であるエレベーターについて、入札制度改善の必要性の有無も含め、国民が安心して暮らせるよう、事故の徹底した原因究明と情報開示に努め、一日も早く責任の所在を明確にし、事故の再発防止に向けて必要な措置を講じられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成18年7月11日
   
  内閣総理大臣   殿
  総務大臣  
  財務大臣  
  国土交通大臣  
  国家公安委員会委員長  

神奈川県議会議長 中村 省司 

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北朝鮮に対し断固たる措置を求める意見書

 平成18年7月、北朝鮮は、政府をはじめ関係諸国が弾道ミサイルの発射準備に強い警告を表していたにもかかわらず、多数の弾道ミサイルとみられる飛翔体の発射を強行した。
 北朝鮮は、平成10年8月にも弾道ミサイルとみられる物体を発射し、日本列島を飛び越えて太平洋に着弾させており、今回の繰り返された暴挙は明らかに「日・朝平壌宣言」違反である。
 そもそも北朝鮮は、我が国の主権を侵害した国家犯罪である日本人拉致事件に対して、平成14年9月の「日朝首脳会談」において、その事実を認め謝罪したにもかかわらず、その後、誠意ある対応を行わないばかりか、核開発や工作船等の問題を起こしており、両国の国交正常化交渉は中断を余儀なくされている。
 このような中で、我が国の安全保障のみならず、国際社会の平和と安定に重大な影響を及ぼす弾道ミサイルとみられる飛翔体の発射を強行したことは、拉致被害者とその家族の意向並びに「日・朝平壌宣言」の精神を裏切るものであるとともに、大量破壊兵器やミサイルの拡散防止に向けた国際的な努力を踏みにじるものであり、断じて看過できるものではない。
 よって政府は、北朝鮮によるミサイル発射という、我が国民の安全に重大な影響を及ぼす暴挙が繰り返されることのないよう、日本人拉致問題の早期解決も含め、経済制裁をはじめ国連安保理など国際社会と連携したあらゆる対応を図るとともに、断固たる措置を講じられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成18年7月11日
   
  内閣総理大臣   殿
  総務大臣  
  外務大臣  
  防衛庁長官  

神奈川県議会議長 中村 省司 

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警察官の更なる増員を求める意見書

 本県では、平成15年以降、県の総力を挙げて犯罪の抑止と検挙に取り組んだ結果、平成17年の刑法犯認知件数を概ね平成11年の水準まで回復させるとともに、検挙率についても大幅に改善するなど、大きな成果を上げた。
 しかしながら、平成17年の刑法犯認知件数は平成2年との比較では1.5倍以上、昭和51年との比較では2倍以上の悪化となっている。ここ数年、検挙、抑止両面の対策により、空き巣やひったくりなど県民が身近に不安を感じる街頭犯罪は減少傾向にあるものの、件数としては相変わらず高水準で推移している。また、昨年末に広島、栃木で相次いで発生した幼い子どもを被害者とする殺人事件により、子どもの安全に関して県民が不安をおぼえている中で、川崎市のマンションで発生した小学生殺人事件は社会を震かんさせ、県民の治安に対する不安は、極めて深刻な状況となっている。
 本県には、平成13年度から今年度までに1,760人の警察官が増員され、その効果は現れてはいるが、警察官一人当たりの負担人口割合は同程度の人口を有する大阪府の415人と比較して、本県では573人と依然として高く、犯罪から子どもを守る対策や重要犯罪、組織犯罪などに的確に対応し、県民一人ひとりが安心して暮らせる地域社会を実現するためには、大幅な警察官の増員が必要である。
 よって政府は、本県のこのような実情を十分認識され、警察官の更なる増員を図られるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成18年7月11日
   
  内閣総理大臣   殿
  総務大臣  
  財務大臣  
  国家公安委員会委員長  

神奈川県議会議長 中村 省司 

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学校現場における子どもたちの健康管理と健全育成のための充実した対策を求める意見書

 学校現場における子どもたちの健全育成をめぐっては、アレルギー疾患を有し、日常生活を送る上で、配慮を要する子どもたちが増加するなど、年々深刻なものとなっている。
 こうした状況も踏まえ、各学校では、毎年実施している保健調査や健康診断等において、個々の児童・生徒の状態を把握し、保護者とも連携を図る中で、適切な対応に努めていると思われるが、病状によっては、ショック症状のような重篤な事態を引き起こすことがある。
 このような緊急時において万一の事態を避けるためには、子どもたちを預かっている学校がより適切に対応できる方策を考えていく必要があるが、現状では、医師法等の制約から、各学校や教育委員会が制度の充実を図っていくには、限界がある。
 一方、平成16年に発達障害者支援法が制定され、学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、高機能自閉症など発達障害の可能性のある子どもたちに対する施策が展開されているが、こうした障害の多くもまだ原因究明に至っておらず、また、こうした子どもたちに対する支援体制も十分とは言えない状況にある。
 よって政府は、子どもたちに増えているアレルギー疾患等の原因究明に努めるとともに、様々な疾患を有する子どもたちに対して、教職員のより適切な対応が可能となるよう、学校現場における実態を踏まえた対応策を速やかに講じられるとともに、子どもたちの健康管理と健全育成のために、一層充実した対策を、早急に講じられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成18年7月11日
   
  内閣総理大臣   殿
  総務大臣  
  文部科学大臣  
  厚生労働大臣  

神奈川県議会議長 中村 省司 

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第31回オリンピック競技大会の東京招致を求める決議

 オリンピックは世界の国々が競い合う、喜びと希望に満ちたスポーツの祭典であり、世界平和を希求する人類の祭典でもある。
 1964年のオリンピック東京大会は、多くの国民に感動をもたらすとともに、我が国の復興を世界にアピールした。これを契機に我が国は発展を続け、世界の平和と持続可能な開発に積極的な役割を果たしてきた。
 21世紀の我が国は、少子高齢化、国際化、情報化が進展する中、社会経済システムの変革を迫られている。そうした中、首都東京で再びオリンピックを開催することは、平和を望む日本の強い意志を世界に訴える機会となるだけでなく、神奈川県の地域再生を促す契機ともなる。
 また、アスリートたちの鍛え抜かれた技と、そこに至る努力が、未来を担う子どもたちに感動を与え、スポーツを通じた健やかな成長を促していくとともに、そこで繰り広げられる民族や文化の違いを越えた交流は、本県にとっても大きな意義を有するものである。
 よって神奈川県議会は、2016年の第31回オリンピック競技大会の東京招致を強く求める。
 以上のとおり決議する。

  平成18年7月11日
   
神奈川県議会 

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