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北海道・函館のDV殺人:長男の保護処分決定 函館家裁「刑罰より援助必要」

 函館市で06年10月、無職、阿部喜代美さん(当時41歳)から家庭内暴力(DV)を受けていた内縁の妻(47)とその長男(17)が阿部さんを殺害した事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われ、札幌高裁から函館家裁での審理のやり直しを命じられた長男の少年審判で、函館家裁は6日、長期間の中等少年院送致の保護処分を決定した。

 決定理由によると、板橋愛子裁判官は「被害者には極めて重大な落ち度が認められる。長男は非行性が進んでおらず、刑罰よりも周囲からの綿密な援助や指導が必要」としている。

 長男は昨年12月、函館家裁で少年審判を受け検察官送致(逆送)された。函館地裁判決(今年5月)は阿部さんの日常的な暴力を認定、懲役2年6月以上3年6月以下の不定期刑を言い渡した。長男の控訴を受けた札幌高裁判決(11月)は「保護処分で健全育成を図る方が相当」として審理のやり直しを命じていた。母親は懲役5年の実刑判決が確定している。

 記者会見した少年の付添人の中村勉弁護士は「送致が『長期間』となったことは残念だが、裁判所はDV被害を認知したと思う」と述べた。減軽を求める署名活動などを行ってきたDV被害支援団体のNPO法人「ウィメンズネット函館」の古川満寿子理事長は「保護処分になって良かった。早く社会に出てきてほしい」と話した。【佐野優】

毎日新聞 2007年12月7日 北海道朝刊

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