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2007年12月9日

 牛丼チェーンのアルバイト店員が「超特大豚丼」を作る様子を映した動画がネットに流れ、苦情が相次ぎ会社の処分を受けたという。流行語に「大食い」が登場するご時世だから、単なる座興だったのだろうが、世間の目は厳しい

一時、影を潜めていた大食い番組が再び増えてきた。本紙地鳴り欄にも批判が寄せられているが、大量の食材が曲芸のように若い女性の口に吸い込まれるのを見ると、感謝の気持ちを粗末にしているようで、心の中が冷えてくる

そんな折、日本気象協会がネット上で、冬限定の「鍋もの指数」の提供を始めた。気温が低く空気が乾燥しているほど指数は高くなる。鍋は暖かい部屋でつつき合うのもいいが、雪が舞う寒風の中で、海山の幸を熱い汁に乗せて体内に流し込むだいご味も捨てがたい

寒いほど味が出る鍋料理には、冬の漁場で漁師が寒さと空腹をしのぐ栄養源として考案したものも多く、厳しい冬を生きる知恵が凝縮されている

この冬も金沢のフードピアランドや高岡のなべ祭りのように、大鍋を囲む屋外イベントがある。大食いせずとも、一杯すすれば心の胃袋を温める効果があるに違いない。


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