◇非行少年、行動結果に責任を
子どもを暴力から守るための方策を考える講演会「子どもをとりまく暴力~その被害と加害の実像~」(CAPおかやま、岡山市主催)が8日、岡山市表町3の市男女共同参画社会推進センターで開かれた。元少年院教育調査官の藤岡淳子・大阪大学大学院教授が実際のケースや統計を交えて講義し、「子どもたちが他人との対等な関係を結べることが重要」と主張した。
藤岡教授は冒頭で「暴力は関係性の中から生まれる」とした上で、「虐待の被害者が犯罪者になる割合は、欧米の調査では10人中1~3人くらいで、全員が加害者になるわけではないが非行とはなんらかの関係はある」と調査結果を紹介した。
次いで、親からの暴力を受けた子どもが無力感などから周囲への愛着を断ち切って加害者として暴力を振るうまでのサイクルを図で示し、非行少年の責任に言及。「少年にただ処罰を受けさせるだけでなく、行動の結果を引き受け、振り返させることが必要。子どもなりに説明や償いをする責任がある」と話した。
その他にも、子どもの性被害などについても具体例や学術調査に基づいて持論を展開した。【石戸諭】
毎日新聞 2007年12月9日