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益田赤十字病院が改築計画 老朽対応や耐震強化 '07/12/8

 ▽15年完成へ新築も視野

 益田市や島根県鹿足郡などの圏域医療拠点となっている益田赤十字病院(同市乙吉町)で、施設の老朽化などによる改築問題が浮上している。工期や経費の面などから、院内では移転新築の構想もある。同病院は二〇一五年の完成を目指し、来年度にも関係機関を含めた本格議論に入る方針だ。

 同病院によると、一九七二年に完成した六階建ての本館(延べ約一万千三百平方メートル)は、配管の水漏れなど老朽化が進んでいる。耐震性も国の基準が変わり、適合しなくなっており、日本赤十字県支部などから改善を指摘されている。

 今年五月に病院幹部らで委員会を設けて協議を重ねてきた。現在地での建て替えでは仮設施設が必要で、長期間の工期と多額の経費が必要な見通しになった。鹿足郡とのアクセスや駐車場確保など患者の利便性から、移転新築という構想も視野に入っている。

 同病院は市などに、移転を含めた改築計画を説明。院内には新たに基本構想検討委員会を発足した。計画では〇九年一月に基本構想を策定し、県や市、日赤本社に提示。同年六月には、外部の有識者を含めた整備検討委員会の立ち上げを目指す。

 現在の同病院は、本館と七階建て北棟(延べ約七千四百平方メートル)、八階建て東棟(同三千九百九十平方メートル)とMRI施設(同八百平方メートル)を併設し、駐車場は借地も含めて約三百台分。ベッド数は三百二十七床で十五診療科で対応している。

 病院側の見通しでは事業費が概算で約百億円。移転の場合は約三万平方メートルの用地が必要とみる。院内では移転地として、高津地区の競馬場跡地や閉校後の益田工高跡地という案も出た、という。

 七日の市議会定例会の一般質問でも、牛尾郁夫市長が「市も注意深くフォローしていきたい」と答弁。同病院は「各関係機関とも協議し、慎重に進めていきたい」としている。(谷本和久)

【写真説明】施設老朽化などによる改築問題が浮上している益田赤十字病院




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