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テロに熱を上げた女性に執行猶予判決 英国

2007年12月09日00時11分

 英国の中央刑事裁判所は6日、アルカイダ関係の文書をインターネットを通して集めたり、「叙情的テロリスト」と称してテロ行為をたたえる詩をサイトに送ったりしていたとして反テロ法違反に問われた女性(23)に対し、文書収集について有罪とし、禁固9カ月(執行猶予18カ月)の判決を言い渡した。女性はテロ組織にもテロ行為にもかかわっていないため、有罪判決には思想や表現の自由の侵害だとの批判も出ている。

 報道によると、女性は英国生まれでロンドン在住のイスラム教徒。ヒースロー空港の売店で働いていた。現行の反テロ法で女性が有罪となったのは初めてという。

 この女性が入手したのは、アルカイダのマニュアルや毒物の取扱書をはじめ、テロ関係の文書類。また、詩にはテロリストによる異教徒の斬首を美化するようなものがあった。こうした行為が反テロ法違反にあたるとして起訴されたが、判決では詩作は無罪とした。

 今回の起訴や有罪判決について、有力紙やイスラム教徒団体、作家などは、妄想を抱いたり愚かなことを考えたりするだけで犯罪になるのか、と批判している。

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