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渇水に悩む長崎県佐世保市、「人工降雨」を実施へ

2007年12月09日00時01分

 深刻な渇水に見舞われている長崎県佐世保市は8日、航空機から雨雲に向けて液体炭酸をまいて雨を降らす「人工降雨」を年内にも実施し、水不足の解消を目指すことを決めた。人工降雨の研究を進める九州大学に実験してもらう形式で実施する考えだ。

 同市では今夏から続く少雨で、主要6ダムの貯水率が低下。15日から1日14時間の時間断水を予定していた。しかし、今月上旬の雨でダムの貯水量が下げ止まり、県も河川からの取水量増加を許可したことから、8日に断水の延期を決定。判断を年明けに持ち越した。

 だが、今後もまとまった雨が降る可能性は低い。市水道局の試算では、今後1カ月の市内の積算降雨量は100ミリ程度にとどまる見込み。市は先月下旬から実施している減圧給水などの節水策を強化するとともに、九州大が取り組む「人工降雨」に着目した。

 市水道局によると、人工降雨は気象レーダーで雨雲の位置を確認し、航空機からマイナス数十度の液体炭酸を噴射。雲の中の水分を凍結させて水滴に変える方法だ。

 九州大の西山浩司助教(気象工学)らが研究を進めており、90年代半ば以降これまでに福岡県などで6回の実験を実施。このうち5回でまとまった雨を降らせることに成功しているという。

 ただ、雨雲の厚さが1キロ以上あることなどが実施の条件になるという。

 市水道局は8日、西山助教を招いて人工降雨の効果などについて説明を受けた。小川幸男・水源対策室長は「成功の確率がかなり高いことが分かった。成果が得られると期待している」と話した。

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