2007.12.08 Web posted at:  12:35  JST Updated - AP
サイエンス

心臓発作による死亡率は年末年始に上昇 専門家らが警鐘

ワシントン(AP) 心臓発作など循環器系の病気による死亡率は例年、クリスマス前後の12月から1月にかけて上昇する傾向があるとされ、専門家らが注意を呼び掛けている。胸の痛みなどの症状が現れても、パーティーや旅行の最中は受診を後回しにするケースが多く、そのために手遅れになる恐れがあるという。

当地のワシントン・ホスピタル・センターでは今年、循環器科医師のチームが常駐する救急医療室を訪れる患者が、すでに急増の兆しをみせている。11月末の感謝祭を前にした週末には、重体患者が次々に運び込まれ、人工心肺装置が足りなくなるほどだったという。

医師らによると、患者の多くは「忙しくて自覚症状を無視していた」と語る。そのほかにも、この時期は(1)通常の服薬を忘れがち(2)高脂肪の食事や塩分、アルコールの取り過ぎで、心臓に負担がかかる(3)気温が下がり日が短くなるため、運動不足になる――といった要因が重なる。雪かきなどの急な運動やインフルエンザなども、心臓発作の引き金となることがあるという。

これに加えてクリスマス休暇中は、病院側の受け入れ態勢も手薄になりがちだ。ただ、米心臓学会元会長のアリス・ジェーコブズ博士によると、米国内の病院では心臓発作への対応を迅速化するための改革が、積極的に進められている。詰まってしまった血管を風船付きのカテーテルで押し広げる「血管形成術」などの治療を、患者の搬送後90分以内に行うことを目標に、全米900カ所以上の病院が24時間態勢の整備に取り組んでいるという。しかし、早期治療のカギを患者自身が握っていることに変わりはない。ジェーコブズ博士は「どんな場所にいる時でも、症状が起きたら無視せず、受診してほしい」と呼び掛けている。

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