【台北・庄司哲也】台北中心にある観光名所で「中正紀念堂」から改名された「台湾民主記念館」で7日、正門に掲げられていた「大中至正」の文字が当局によって撤去された。「大中至正」は蒋介石元総統の座右の銘。総統選を来年3月に控え、陳水扁政権は蒋介石の威光を否定することで有権者の台湾人意識を高揚させ、民進党政権維持を図る狙いがある。
撤去反対を訴える野党・国民党支持者と与党支持者の小競り合いが一時あった。
「大中至正」は「何事も中庸が正しい」との意味で、蒋介石の本名「中正」の文字が刻まれていることから、中国大陸で共産党との内戦に敗れ、台湾で国民党独裁政権を築いた蒋介石時代を象徴する。撤去は陳水扁政権の「脱蒋介石」「脱中国」政策の流れに沿う。
陳総統は6日、自身のメールマガジンで「蒋介石の威光を維持し続けることは反民主、反人権であり、反台湾でもある」と説明した。
一方、国民党の総統候補、馬英九・前主席は「狙いは対立を作り、選挙で優位に立つことにある」と批判。民進党の戦略に乗らず、冷静に対処すべきだと呼びかけた。
毎日新聞 2007年12月8日 19時01分 (最終更新時間 12月8日 19時23分)
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