大手予備校「河合塾」の福岡校(福岡市)校内などで大麻を売買していたとして、福岡県警西署は7日までに大麻取締法違反(所持、譲渡)の疑いで予備校生ら5人を逮捕、送検した。また、大麻を譲り受けたとして同法違反(譲り受け)の疑いで九州大生ら2人を書類送検した。大麻をめぐっては、関東学院大ラグビー部員の大麻栽培・吸引事件があったばかり。学校関係者らは衝撃を隠せなかった。
“大麻禍”は大手予備校にまで浸透、大学生まで購入のため足を運んでいた。逮捕、送検されたのは河合塾福岡校の学生2人、大村美容専門学校(福岡市)の学生2人、別の専門学校に通っていた現在無職の少年1人。書類送検されたのは九大生と同塾福岡校生の各1人。いずれも18、19歳の少年で、逮捕された福岡校生(18)と専門学校生(19)は兄弟。
調べでは、この福岡校生は9月中旬、同校で「大麻がある」と持ち掛けられ、紙巻きたばこ状の大麻1本を1000円で買い、福岡市内の自宅で吸った疑い。逮捕されたほかの4人は、福岡校内で大麻1本を1000〜2500円で互いに売買した疑い。九大生(19)ら2人は福岡校生から大麻1〜3本を譲り受けたとみられる。
売買された大麻は計10本。無職少年(19)が友人に売った後、次々に九大生や福岡校生、兄弟間で売買が行われていたという。西署は無職少年が大麻を入手した経路について詳しく調べる。7人はいずれも容疑を認め「受験勉強のストレスから逃れたかった」「気分転換や好奇心で吸った」などと供述している。
9月中旬、大麻を吸った福岡校生の1人が「気分が悪い」と訴えて病院に搬送され、家族が110番通報したことで、事件が明るみに出た。
河合塾福岡校の馬場晴雄校舎長は夕方、同校内で記者会見。「入試直前の生徒に動揺が出ないか心配。事実とすればあってはならないことで事実確認を急ぎたい」と話した。
九州大では学部長らに指導の徹底などを通知すると同時に、学生に注意喚起と関係情報の連絡などを訴える張り紙を掲示。「報道で知り、事実関係を確認中。事実とすれば誠に遺憾で、今後対応を検討したい」とする山田耕路副学長のコメントを発表した。
大村美容専門学校の緒方邦博常務理事は「事実関係が明確になった段階で学生を処分し、再発防止策を取りたい」と語った。
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