安倍晋三前首相が7日、1年3カ月ぶりに地元・山口県入りした。同県庁で記者会見を開き、「私自身はもちろん、議員活動を続けていきたい。選挙があれば地元の皆さんのご理解を得て戦いたい」と述べ、次期衆院選に山口4区から出馬する意向を表明した。比例代表中国ブロックへの転出についても「あり得ません」と明確に否定。地元政界の一部で転出のうわさが絶えないため、地元入りはそれを打ち消す狙いもあったとみられる。

 安倍前首相の地元入りは、官房長官当時の昨年9月以来。同県庁で職員ら約500人に出迎えられ、二井関成知事や自民党県議団と懇談した。

 会見で安倍前首相は突然の首相辞任を「国民、県民に大変ご迷惑をかけた」と謝罪した上で、「美しい国づくりは道半ばだが、礎をつくることはできたと思う。一議員として初心に戻り、新しい国づくりに向けて全力を尽くしてゆきたい」と強調した。

 自民、民主の大連立構想については「選択肢の1つ」とし、「私の総理在任中には具体的な話はなかった」と述べた。また、健康状態について「胃腸の機能も回復し、体重も総理の就任時に戻った」と話した。

 安倍前首相は同日、山口、下関両市で支援者らが開いた囲む会に出席。9日まで選挙区内の8つの後援会の会合に出席するほか、墓参りも予定している。

=2007/12/08付 西日本新聞朝刊=