ジョージア州アトランタ──米国の10代少女の出産率が、過去15年間で初めて増加に転じたことが、米疾病対策センター(CDC)が5日に発表した統計結果で明らかになった。専門家は、具体的な理由ははっきりしないとしており、これまで10代の少年少女らに行ってきた性教育の有効性について、疑問の声も上がっている。
CDCによると、2006年における15─19歳の少女の出産件数は44万件で、1000人あたり41.9件。前年2005年の1000人あたり40.5件から、3%増加した。
これまでのピークは、1991年の1000人あたり61.8件。その後、減少し続けていたが、近年は減少率が鈍っていたという。
人種別に見ると、05年から06年にかけて増加率が大きかったのは、非ヒスパニック系の黒人少女で5%増だった。このほかの増加率は、ヒスパニック系で2%、非ヒスパニック系白人で3%、アメリカン・インディアン系で4%だった。
年代別に詳しく見ると、10─14歳の低年齢では、1000人あたり0.7件から0.6件に減少していた。しかし、18─19歳では、1000人あたり73件で、15─17歳の1000人あたり22件の、およそ3倍となっている。
05年から06年にかけては、15─17歳で3%、18─19歳で4%、それぞれ増加していた。
この結果に、米国家族計画連盟は、未成年向けの性教育に効果がなかったことを意味していると指摘。性教育のために投じられた10億ドル以上が無駄になったとしている。
また、CDCの報告によると、未婚女性の出産数は、2006年には164万1700件と、前年比約8%の増加で、02年からは20%増加。特に、25─29歳の未婚女性での増加率が高かった。
このほか、婚姻関係を結んでいない状態の出産数も、05年の1000人あたり47.5件から、06年には同50.6件と、7%増加。2002年と比べると、16%の増加だった。
これらの統計結果から、米国における「未婚の母」の割合は、05年の36.9%から38.5%に増加したことが判明している。