やたら高い日本の高速道路の通行料金ですが、ここに来て安くなる可能性が現実味を帯びつつあります。
ガソリン税など道路特定財源の使い道が国政の大きな焦点となり、高速道路通行料金値下げのための財源に充てる案が政府・与党内などで有力になっているからです。原油高で苦しむ運送業者の負担軽減策にもなっています。
どこの道路がどれほどの値下げになるのか、年末にかけての協議次第の面はありますが、とりあえず道路特定財源を料金値下げに充てる方向性は大いに歓迎できます。
ただ、こうした政策が進展するのは遅すぎたと言わざるを得ません。この十数年来、道路特定財源を高速道路の値下げに充てるようにとの記事を何度も書いてきました。しかし、割引などで限定的には実現したものの、道路関係四公団民営化の際も含め、抜本的な値下げにつながる改革には至りませんでした。
来年二十周年を迎える瀬戸大橋が典型例ですが、せっかく整備した社会資本が料金高のためにうまく活用できないのは、大きな矛盾です。ここで何としても、料金引き下げへの流れを確固たるものにしておく必要があるでしょう。
さらに道路特定財源の使い方では、地球温暖化防止や公共交通の整備・維持などの対策にも充てていくべきだと考えます。これまでは原則として道路整備に使われてきましたが、道路整備に伴うモータリゼーションが影響したこれらの政策課題にも使途を拡大し、問題解決を図る必要があるのではないでしょうか。
(政治部・岡山一郎)