CPU

CPUは「デュアルコアCPU」が標準

Core 2 Duo T7250を搭載するA4ノート、富士通 FMV-BIBLO NF70X。実売価格は16万4800円で、Core 2 Duo搭載パソコンとしては安い (画像クリックで拡大)


インテルのデュアルコアCPU「Core 2 Duo」。搭載パソコンが多く、現在の標準とも言えるCPU

 CPUはPCの頭脳に相当するもので、高性能なほどいいが価格も高くなる。現在は、計算処理を行うコアを複数もち、複数の処理を同時にこなせる「マルチコアCPU」が増加中で、その中でもコアを2つもつ「デュアルコアCPU」が主流。

 Windows VistaはWindows XPに比べ、ユーザーが使っているソフトとは別にバックグラウンドで動作しているプログラムが多いため、それらを同時にこなせるマルチコアCPU搭載パソコンがおすすめ。

 しかし、売れ筋である実売価格16万円以下のノートパソコンでは、Celeronなどコアが1つのみの「シングルコアCPU」がまだ主流だ。

 価格重視ならシングルコアCPUだが、パソコンを長く快適に使いたいのなら、価格が少々高くてもCore 2 DuoなどのデュアルコアCPU搭載機を選ぶ方が賢明だ。コアを4つもつ「クアッドコアCPU」を搭載する高級機も登場しているが、こちらは一部の限られた機種となる。

 現在、パソコン用CPUを製造・供給しているのは主にインテルとAMDの2社。同じ種類のCPUならクロック周波数の高い方が高速だが、現在は2社とも「プロセッサ・ナンバ」と呼ばれる番号をCPU名の後に付けていて、クロック周波数よりもこれで性能の違いを表している。

CPUの名称の後に続く番号は、その性能を示すプロセッサ・ナンバ。たとえば「Core 2 Duo」なら、「Exxxx」「Txxxx」「Lxxxx」「Uxxxx」がプロセッサ・ナンバになる。「Exxxx」はデスクトップ用、「Txxxx」は主にノート用、「Lxxxx」はノート用の省電力版、「Uxxxx」は携帯ノート用の超省電力版を示している。アルファベットに続く数値は処理性能の高さを示し、アルファベットが同じなら、数値が大きいほどクロック周波数が高く高性能だ。

現在パソコンで使われている主なCPU

デュアルコアCPU
Core 2 Duo
搭載機種例 インテルのデュアルコアCPUで、現在の標準CPUとも言える存在。価格はやや高めで、低価格パソコンには搭載されていない。「Core 2 Duo」の後に付けられるプロセッサ・ナンバには「Exxxx」「Txxxx」「Lxxxx」「Uxxxx」がある。例:「Core 2 Duo T5500」
富士通
FMV-BIBLO
NX90X

23万4800円
デュアルコアCPU
Pentium Dual-Core
搭載機種例 店頭モデルで今冬から登場した低価格デュアルコアCPU。中身はCore 2 Duoとほぼ同じだが、キャッシュメモリーの容量が削減されている。Core 2 Duoの下位モデルに当り、性能は若干劣るが低価格なのが特徴。例:「Pentium Dual-Core E2140」
NEC
VALUESTAR L
VL300/KG

17万9800円
デュアルコアCPU
Turion 64 X2
搭載機種例 AMDのデュアルコアCPU。ノート向けCPUだが、デスクトップパソコンでも使われている。AMDのデスクトップ用デュアルコアCPUとしてはAthlon X2があるが、あまり採用されていない。例:「Turion 64 X2 TL-52」
シャープ
Mebius
PC-WT70V

17万9800円
クアッドコアCPU
Core 2 Quad
搭載機種例 4つのコアを内蔵するインテル製CPU。Core 2 Duoより高性能だが価格も高い。一部の高級モデルに搭載されている。プロセッサ・ナンバは「Qxxxx」。例:「Core 2 Quad Q6600」
ソニー
type R master
VGC-RM73UDL4

57万9800円
シングルコアCPU
Celeron、Celeron M
搭載機種例 インテルのシングルコアCPU。低価格パソコンで広く使われている。これまではノート用ならCeleron Mといった名称があったが、現在はすべて「Celeron」に統一されていてる。「Celeron 5xx」がノート用、「Celeron 4xx」がデスクトップ用。例:「Celeron 530」
東芝
dynabook AX
AX/53D

13万9800円
シングルコアCPU
モバイルSempron
搭載機種例 AMDのシングルコアCPU。ノート向けCPUだが、デスクトップパソコンでも使われていて、低価格パソコンで採用されている。例:「モバイルSempron 3400+」
NEC
VALUSTAR
VN500/KG

16万9800円
シングルコアCPU
A110
搭載機種例 インテルのUMPC用シングルコアCPU。UMPCとはUltra Mobile PCの略で非常にコンパクトな携帯ノートのこと。富士通のLOOX Uシリーズに採用されている
富士通
BIBLO
LOOX U50X/VB

14万9800円

なぜデュアルコアCPUがいいのか?

Core 2 Quad Q6600搭載のデスクトップパソコン「VALUESTAR L VL570/KG」。実売価格約25万円で、クアッドコア搭載パソコンとしては安価。液晶も20型ワイドで大きい(画像クリックで拡大)

 デュアルコアCPUは、「スレッド」と呼ばれるデータ処理のブロックを2つのCPUコアを使って同時に処理できる。

 だから前述したようにシングルコアCPUよりもWindows Vistaを快適に使えるほか、たとえばゲームを遊びながら動画を圧縮するなど、CPUに負担がかかる作業を複数同時にこなすときに威力を発揮する。

 また、動画・音楽プレーヤーソフトの「Windows Media Player」や、画像編集ソフトの「Photoshop」などは、複数のCPUコアを効率よく使う「マルチスレッド対応機能」を持っていて、そのソフトのみを使っているときでもデュアルコアCPUの能力を最大限に発揮できる。

 CPUはクロック周波数ではなく、まずデュアルコアかどうかで判断するような“コアの数を競う”時代に突入しているのだ。

デュアルコアCPUは2つのスレッドを同時に処理できるため、シングルコアCPUと比べて複数の処理を効率よくこなせる。クアッドコアCPUなら4つのスレッドを同時に処理できる