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ご当地映画 '07/12/6

なじみの場所を大画面で見るのが少々面はゆい。広島市中心部にある本川町電停や被爆電車、若者が行き交う並木通りや公園、市の図書館も登場する。映画「恋する彼女、西へ。」が十四日まで市内で先行上映されている▲広島に出張してきた仕事人間のヒロインと、終戦の年からタイムスリップしてきた軍人の純愛。広島を訪れ気に入った脚本家田渕久美子さんが書き下ろした。スクリーンを通すと何げない風景が新鮮に見え、街を再発見させてくれる▲制作費は地元ゆかりの八社が出資。製品の菓子やソースなどがさりげなく登場する。撮影場所を探し、弁当の手配をしたのはロケの支援組織「広島フィルムコミッション」。市民もエキストラで登場する。まさに広島映画だ▲中国地方で撮影した映画が印象に残る一年だった。福山市の「白椿」、萩市などの「長州ファイブ」、岡山県の「バッテリー」、石見地方の「天然コケッコー」…。中でも過去と現代の二人の女性の物語をつづった「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国」は、新感覚の原爆映画として注目を浴びた▲いずれも固有の景観や歴史、方言などが織り込まれ、地域の文化を発信している。雲南市では、豊かな自然と大蛇伝説をちりばめた青春物語「うん、何?」が最近完成。地元で公開が始まった▲電通が先日発表した消費者が選ぶ話題・注目商品では、邦画が初めて十位以内に入った。地方映画の元気が、邦画の元気につながっているようだ。




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