福岡市中央区渡辺通の大手予備校、河合塾福岡校の校内で大麻を売買したなどとして、男子予備校生や九州大生ら7人が大麻取締法違反容疑で逮捕、書類送検された事件で、大麻は1本1000~2500円で、数日間のうちに広まっていたことが福岡・西署の調べで分かった。同署は若者らが気軽に大麻に手を染めていたとみて入手ルートの解明を進めている。
逮捕されたのは、河合塾福岡校の18歳の予備校生ら2人と大村美容専門学校(同区)の男子学生(19)ら2人、熊本市の無職少年(19)の計5人。書類送検されたのは九州大1年の男子学生(19)と河合塾福岡校生(19)の2人。
同署の調べでは、大麻は無職少年が第三者から入手。9月13日、大村美容専門学校の学生に9本を1万3500円で売り渡した。この学生は美容専門学校の同級生に、このうち7本を1万500円で譲渡。さらに、この同級生が河合塾福岡校に通う弟に4本を1万円で売却し、同月15日には弟が、同校の予備校生に1本1000円で売り渡すなど、わずか3日間で5人に広がっていた。
弟は9月17日、書類送検された予備校生に大麻3本の廃棄を依頼して手渡したほか、5月には別に入手していた大麻1本を九州大生にも譲り渡していたという。【鈴木美穂】
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学生逮捕の知らせを受け、河合塾福岡校の馬場晴雄(はれお)校舎長は7日夕、会見。「事実であれば教育機関として大問題。早急に事実を確認し、再発防止策を講じたい」と困惑した表情で語った。
また、九州大学の山田耕路副学長は「薬物乱用については入学式の段階から注意喚起しているが、誠に遺憾。対応を再検討したい」とのコメントを出した。大村美容専門学校の緒方邦博・常務理事は「早急に再発防止策を協議する」と話した。
県警によると、県内の大麻取締法違反容疑の逮捕者は近年、急増している。01~05年は二けたで推移していたが、昨年は100人、今年は10月末で114人に達した。県警幹部は「大麻吸引者は安易に手を出し、罪の意識が軽いのが特徴」と分析している。
2007年12月8日