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サブプライム救済策 ブッシュ大統領発表
このニュースのトピックス:景気
【ワシントン=渡辺浩生】低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)の大量焦げ付き問題で、ブッシュ大統領は6日、返済金利の5年間凍結を柱とする対策を発表した。変動金利の移行で返済困難に直面する借り手を対象にしたもので、借り換えや支払い条件の変更などで最大120万人が、住宅差し押さえの危機を回避できるとしている。
2005年1月から07年7月までに融資を受けて08年1月から10年7月までの間に、固定金利の期間が終わって変動金利に移行するサブプライムローンの借り手が対象。
まず、米連邦住宅局(FHA)の保証を利用した固定金利のローンへの借り換えを促進。そのうえで、借り換えができず、変動金利移行後の返済にも耐えられない借り手が、5年間の金利凍結措置を受けられる。
ブッシュ大統領はこの枠組みによって、最大120万人の借り手が持ち家差し押さえの危機を回避できるとの見通しを示した。ただし、金利凍結には過去に返済が60日以上遅れた経験がないなど一定の信用力が必要。条件を満たさず、支払い条件の変更もできない借り手は結局住宅差し押さえとなるとみられ、民間アナリストは救済の対象を数十万人規模とみている。
住宅差し押さえの急増は、住宅価格下落や消費の落ち込みを通じて景気後退を招く懸念があり、対策は、財務省と大手銀行、住宅ローン会社、債権回収業者(サービサー)団体との協議で合意。ポールソン財務長官は会見で「公的資金投入はなく民間部門の取り組み」としたうえで、「万能薬ではなく、完全な解決策はないが、重要な第一歩だ」と強調した。