OECD(経済協力開発機構)の調査で順位を下げた日本。
渡海紀三朗文部科学相も「ゆとり教育」の失敗を挙げ、さらには「生きる力」と呼ばれる学習への意欲、関心とも最低レベル…。なんだかさんざんな言われようの「ゆとり世代」。
一体誰がこうしたんだとお思いの親御さんもいらっしゃるのではないだろうか。
そもそも「ゆとり世代」がどの世代を指すのか、それすらあいまいな中、早くもゆとり教育は失敗だったと言い切ってしまうのは、どうも納得がいかない。
失敗だと言い切られた方は、やるせない気持ちになるばかりであろう。
確かに日本の未来を考えたとき、技術開発に必要な人材を育てるという意味でも、全体的な日本の価値を高めていくという意味でも、教育は根本的な問題であり、そのひとつの指標である今回の調査の結果が芳しくなかったことはいさぎよく反省すべきであると思うし、今後の努力も必要であろう。
けれど本当に、ゆとり教育が残してくれたものはゼロだったのか?
それを見つけた、あるいは見つけようとする報道はどうしてないのだろうか?義務的なゆとり教育の中、翻弄された子供たち、その家族に失礼ではないのか?
現在の「順位が下がった」というだけの報道では、あまりにも今の学生達への心のケアがなさすぎる。
ゆとり教育をしてみた、でもダメだった、やっぱりやめよう。では、まるで彼らは実験台だ。
ゆとり世代よ、もっと怒ってやれ。
怒って、自らの手で自分達の世代で誇れる何かを主張して欲しい。輝ける人生を、そして理想の日本を、声高に叫んでもらいたい。
そして、「ゆとり教育を作った世代」の責任を、あらためて追及してほしいものである。
(記者:茶々丸)
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