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都築学園前総長のわいせつ:セクハラ対策不十分 職員、6月に被害訴え

 都築学園グループの前総長、都築泰寿容疑者(71)=15日付で退任=による強制わいせつ事件で、女性職員十数人が今年6月ごろ、前総長からのセクハラ被害を学園に訴え出ていたことが分かった。学園側は直後に、女性職員から聞き取り調査をして実態を把握していた。しかし、改善は見られず、女性職員らは9月に抗議文を提出。その後も被害は相次いでおり、福岡県警は学園側の不十分な対応が被害を拡大させたとみて調べている。

 関係者によると、学園側は今年6月ごろ、ある女性職員から「総長のセクハラを何とかしてほしい」という訴えを受け、聞き取り調査を実施。その結果、「お茶を出す時に体を触られた」などと十数人から被害の証言を得た。調査を担当した幹部職員は、被害の日時や場所、内容について学園上層部に報告する一方、「女性は裏方に回ってお茶の準備をし、総長へのお茶出しは男性がする」「総長の近くでは1人にならない」などの“自衛策”を指示した。しかし、女性職員がお茶出しをせざるを得ない場合もあり、前総長の行為はやまなかったという。

 このため、女性職員らは9月上旬、連名で「もうお茶出しはしません」などと記した抗議文を提出した。だが、その後も女性職員に対するセクハラ行為は続いた。結局、逮捕容疑となった事件の被害女性が目撃証言などがあった昨秋のエレベーター内でのケースについて10月、県警筑紫野署に被害届を出し、強制捜査につながった。

 女性職員らの被害申告後もセクハラ行為が続いたことについて、学園側は「必要な対策は取ったが、結果として目の届かない所があった」と釈明している。

 県警は、複数の女性職員から被害相談を受け、都築容疑者が学園内の絶対的な地位をかさにわいせつ行為やセクハラを繰り返していた事実を把握しており、余罪を追及している。

毎日新聞 2007年11月18日 西部朝刊

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