更新:12月7日 13:40デジタル家電&エンタメ:最新ニュース東京を忠実に再現・トランスコスモスの仮想空間「ミートミー」がデモ
トランスコスモスは16日、東京をリアルに再現した仮想空間「meet-me(ミートミー)」の試験運用を始める。仮想空間の「セカンドライフ」の利用者が伸び悩むなか、エリアを東京に絞り実在の建物を取り込むなどリアリティーを高め、特徴を出す。日本経済新聞社のIT分野の識者コミュニティー、日経デジタルコアが6日に都内で開いた研究会で、運用会社であるココアの森山雅勝氏(トランスコスモス専務)がデモを交えて「和製セカンドライフ」の概要を紹介した。 ミートミーを運営するココアには、トランスコスモスのほか、産経新聞社やフジテレビジョン、イオン、スクウェア・エニックスなどが出資。仮想空間上の土地の販売や、企業の広告、キャンペーン、物販などによる収入を見込んでいる。16日に始めるのは1000人程度に限定した試験運用で、来年4月に本格サービスを始める。 ミートミーは、セカンドライフの「操作がわかりにくい」「仮想空間の全体像が把握しにくい」など、一般ユーザーにとって敷居が高い要因をふまえ、「分かりやすい世界を目指した」(森山氏)という。画質も向上させている。東京23区の地図をもとに東京タワーや六本木ヒルズなどランドマークとなる建築物を作り込み、実際に東京の街にいるような感覚を持てるようにした。セカンドライフは建物や服を自分でデザインできる自由度があるが、ミートミーでは服や建物の部品をいくつかの選択肢の中から選ぶ形を取った。自由度を下げる代わりにユーザーの操作を簡単にし、利用しやすくしたという。 ユーザーは仮想空間の中でのイベントなどに参加して集めたポイントでアイテムなどを獲得できる。仮想空間内の物販などもできるようにしているが、ポイントを現金と交換できる「リアル・マネー・トレード(RMT)」はできないという。土地も定価を決めたうえで転売を禁止し、金銭面でのトラブルを避けるよう配慮した。 常時接続可能数は当初1万5000人程度を想定。1つの空間に参加できる人数は100―150人程度に設定するという。システムの負荷を見ながら今後のシステムの増強を検討する予定だ。セカンドライフはユーザーのパソコンも高いスペックが必要だったが、ミートミーでは「1年前のノートパソコンでも動く」ものになるという。 研究会参加者との質疑では、ビジネスモデルに関する質問が多く寄せられた。主な収入源となる土地の価格は千代田区、港区など地域によって異なり、高いものでは「5000平方メートルで月額40万円」程度になるという。今後1年間の目標について森山氏は「開始1年で100万人、アクティブユーザー数はそのうち2―3割、参加企業数は数百から1000社、10億円程度の売り上げを目指したい」と明かした。 また、セカンドライフの参加者が伸び悩んでいる状況についての質問には「3次元空間の可能性を信じている」と今後の展開に期待を示した。セカンドライフに大きく後れを取った参入時期についても「セカンドライフで仮想空間の面白さについて認識が広まった。セカンドライフがなければここまで出資者が集まらなかっただろう」と述べ、後発のメリットを生かす考えを語った。 [2007年12月7日/IT PLUS] ● 記事一覧
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