薬害C型肝炎問題で、手術時の縫合用接着剤として使用された「フィブリン糊(のり)」で感染したとみられる患者2人が、国などに対する損害賠償請求訴訟に加わったことが、7日わかった。
血液製剤フィブリノゲンによる感染で提訴した原告は170人以上いるが、この製剤に別の薬品を加えて作るフィブリン糊の使用による提訴は初めて。「糊」は心臓外科などで、フィブリノゲン使用者の3分の1以上にあたる7万9000人に使われたと推定されているが、被害調査も遅れている。患者は「潜在的な感染者が多数いるはず。早急な調査と救済を」と訴えている。
訴訟に加わったのは、静岡県内の40歳代と、東京都内の70歳代の男性。11月30日に提訴した。いずれも心臓手術を受けた際に、旧ミドリ十字が発売したフィブリノゲン製剤で作られたフィブリン糊を使っており、現在、慢性肝炎の治療を受けている。
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