学校法人グループ「都築(つづき)総合学園」前総長の都築泰寿(やすひさ)容疑者(71)による強制わいせつ事件で、福岡県警は、別の20代の女性職員に対しても体を触るなどした疑いが強まったとして、強制わいせつ容疑で都築容疑者を再逮捕する方針を固めた。県警は都築容疑者のわいせつ行為やセクハラ(性的嫌がらせ)が常態化していたとみて実態解明を進める。

 調べでは、都築容疑者は昨年10月ごろ、福岡県太宰府市内の大学のエレベーター内で、最初の逮捕容疑とは別の女性職員の体を触るなどした疑いが持たれている。

 この女性職員は被害に遭った後、上司に相談。上司から「一時の辛抱だ」「絶対話すな」と口止めされたが、同月、筑紫野署に被害届を出していた。その後も都築容疑者のわいせつ行為が続いたため、女性は異動願を出して学外の勤務先に移ったという。

 都築容疑者は同時期の昨年10月、同じ大学のエレベーター内に女性職員(23)を連れ込み、胸などを触った疑いで11月14日に逮捕された。調べに対し「無理やり連れ込んでいない。体も触っていない」と容疑を否認しているという。県警は、女性職員十数人が今年9月、学園側に提出したわいせつ行為の防止を求める嘆願書を入手しており、複数の女性が被害に遭っていたとみて捜査している。

=2007/12/04付 西日本新聞朝刊=