トップが強制わいせつ事件で逮捕された学校法人グループ「都築(つづき)総合学園」(福岡市南区)の新総長に15日付で就任した都築仁子(きみこ)氏(61)は、同日の記者会見で交代理由を「(事件の)事実関係を明らかにするため」と強調した。しかし「事実関係は把握していない」とも繰り返し、被害を訴えた女性職員に対する謝罪の言葉もなかった。女性職員への「口止め工作」についても大学の関与の有無を語らず、過去に学内セクハラ(性的嫌がらせ)のうわさを耳にしながら放置していたことも言明。報道陣の質問が続く中、会見を30分足らずで打ち切った。
仁子氏は、福岡県警に逮捕されて同日付で総長を退任した都築泰寿(やすひさ)容疑者(71)の妻。
会見では冒頭に「社会を大変お騒がせしたことをおわび申し上げます」と頭を下げた。
これに先立ち、グループ中核の学校法人「都築学園」の諸井和樹広報室長は「被害女性は特定できた」と話していたが、仁子氏は「知りません」と語り、総長交代で混迷する中、重要な情報が伝わっていない様子もうかがえた。女性職員への謝罪については、被害が確認された場合は「おわびします」と語った。
泰寿容疑者は学園創設者の二男。グループの規模拡大に尽力した一方、複数の女性職員が「抱きつかれた」などのセクハラ行為を証言している。
仁子氏は、セクハラについて「夫に尋ねたことはない」としながらも「うわさで小耳に流れてきたことがあった。ここ10年以内」と明らかに。
調査委員会を設ける考えはなかったかと問われると「学生に対してはやっても職員に対してしたことはなかった」「まあ、楽観していた。それほど深刻な状況と聞こえて来なかった」と述べ、対応のまずさを認めた。
事実確認については「警察の側から事実を知っていきたい」と傍観者的な発言も。調べる気がないようだがと問われると「鋭意取り組もうと思っている」と述べた。
女性職員の制服が、本年度からスカートからズボンに変わったことについては「私のポリシーで足を冷やさないように。頭寒足熱で特に女性は。ビジネスルックということで変えた」と述べ、セクハラの“自衛策”とされる点を否定した。
グループ内の大学では同日、学生向けに事件の説明会を開催。第一薬科大学では「皆さんに心配をかけて申し訳ない。動揺することなく勉学に励んでほしい」などと呼び掛けた。
同大4年の男子学生は「総長が交代したといっても親族。体質は変わるだろうか」と話していた。
=2007/11/16付 西日本新聞朝刊=
仁子氏は、福岡県警に逮捕されて同日付で総長を退任した都築泰寿(やすひさ)容疑者(71)の妻。
会見では冒頭に「社会を大変お騒がせしたことをおわび申し上げます」と頭を下げた。
これに先立ち、グループ中核の学校法人「都築学園」の諸井和樹広報室長は「被害女性は特定できた」と話していたが、仁子氏は「知りません」と語り、総長交代で混迷する中、重要な情報が伝わっていない様子もうかがえた。女性職員への謝罪については、被害が確認された場合は「おわびします」と語った。
泰寿容疑者は学園創設者の二男。グループの規模拡大に尽力した一方、複数の女性職員が「抱きつかれた」などのセクハラ行為を証言している。
仁子氏は、セクハラについて「夫に尋ねたことはない」としながらも「うわさで小耳に流れてきたことがあった。ここ10年以内」と明らかに。
調査委員会を設ける考えはなかったかと問われると「学生に対してはやっても職員に対してしたことはなかった」「まあ、楽観していた。それほど深刻な状況と聞こえて来なかった」と述べ、対応のまずさを認めた。
事実確認については「警察の側から事実を知っていきたい」と傍観者的な発言も。調べる気がないようだがと問われると「鋭意取り組もうと思っている」と述べた。
女性職員の制服が、本年度からスカートからズボンに変わったことについては「私のポリシーで足を冷やさないように。頭寒足熱で特に女性は。ビジネスルックということで変えた」と述べ、セクハラの“自衛策”とされる点を否定した。
グループ内の大学では同日、学生向けに事件の説明会を開催。第一薬科大学では「皆さんに心配をかけて申し訳ない。動揺することなく勉学に励んでほしい」などと呼び掛けた。
同大4年の男子学生は「総長が交代したといっても親族。体質は変わるだろうか」と話していた。
=2007/11/16付 西日本新聞朝刊=