前回、現状とは全く違う参議院を提案しました。
現状の参議院が、ミニ衆議院化して、二院制の役目を果たしていないからです。
その衆議院は、参議院に対して、現在話題になっている「再議決権(59条)」をはじめ、
「予算の承認(60条)」、「条約の承認(61条)」、及び、「内閣総理大臣の指名決議(67条)」
において、優位を持っています。
同じ選挙基盤によって選出(43条)されているにもかかわらず、
このような優位性が存在することの、合理的根拠はありません。
これは、戦前の貴族院時代の名残を、整理しないままに新憲法に盛り込もうとした
単なるケアレスミスに近いものと考えます。
確かに、衆議院には「解散」という事項がありますが、
逆に、参議院には被選挙権年齢の高さというハードルもあるのです。
これが、前回のRAM案に示したように、参議院に選挙によらない議員が存在すれば、
民主主義の原則から言って、差が付くのは当然でしょう。
しかし、同じ手続きで選ばれる現状では、このような差があることは、
それこそ「平等の精神」に反するのではないでしょうか?
さて、この両院の差の部分で、今、大きな問題が起きています。
衆議院の「再議決権(59条)」というのは、一見、優位に見えます。
しかし、現状の勢力分布で明らかになったように、野党が参議院で過半数を持てば、
与党は、法案を通すのに衆議院で2/3の勢力を持たないと機能しなくなります。
この2/3というのは、米国で、大統領が拒否権を発動した時に、
上下両院で再議決するのに必要な議席数です。つまり、1対535の時のもので、
現憲法制定時にケーディスが盛り込んだ考え方が、実現したと言うことです。
まさか、GHQも、将来の国会の混乱を望んで、このように制定させたのではないでしょうが…
おかげで、「テロ特措法」が潰れて、アメリカが困っています。
RAMは、この2/3に、国家運営や民主主義に対する粗雑さを感じています。
と言うのも、ここの法案の中身を見ていない数字だからです。
例えば、参議院で49%で否決された法案も、10%で否決された法案も、
同じ扱いで良いのでしょうか?
賛成が10%しかなければ、それは「悪法」に近いでしょう。
しかし、僅差で否決されたものは、その時の情勢によっては、
再議決して、成立させるべきものもあるのではないでしょうか?
それを、一律2/3というのは、雑な憲法ですね。
そこで、今回の提案は、他のことは置いておいて、
さらに、参議院のあり方も、一旦置いて、
もっとも大切なことだけにします。
衆議院で通過した法案を参議院が否決した場合、
再度衆議院で可決するためには、参議院での得票率の
逆比率による賛成を必要とする。
と、言う案です。
49:51で否決されたものなら、衆議院で51%以上の賛成で成立、
15:85で否決された法案は、再可決には85%以上の賛成が必要、と言うことです。
このシステムにより、政局の勢力分布を気にするより、
法案そのものの妥当性を考えるようになってくれれば、
国会運営も、正常化に近づくのではないかと期待する次第です。
(小沢一郎氏は、嫌がることでしょう)。
皆様のご意見をお待ちしております。
by RAM
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