福岡県警捜査一課と筑紫野署は14日、エレベーター内で女性事務職員にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつの疑いで、第一薬科大や福岡第一高校などを運営する学校法人「都築総合学園」総長の都築泰寿(つづきやすひさ)容疑者(71)=福岡市南区玉川町=を逮捕した。同法人が運営する大学では、女性事務職員たちが都築容疑者から日常的にセクハラ(性的嫌がらせ)行為を受けているとの情報があり、県警は余罪があるとみて調べている。


 県警によると、都築容疑者は「絶対そういうことはしていない」と容疑を否認しているという。

 調べでは、都築容疑者は昨年10月14日午後6時半ごろ、学長を務める福岡県太宰府市内の大学で、エレベーター待ちをしていた女性事務職員(22)を無理やりエレベーター内に連れ込み、逃げようとする女性の肩をつかむなどの暴行を加え、胸などを触った疑い。

 県警によると、女性事務職員は、その後も都築容疑者から日常的にセクハラ(性的嫌がらせ)などの行為を受けたのに加え「都築容疑者や他の大学職員から『おまえがだまっておけば秘密になる』と口封じをされた」と話しているという。

 女性事務職員が今年10月、県警筑紫野署に被害届を出していた。

 同法人が運営する大学では、セクハラ被害を避けるためとして、(1)女性は1人で歩かない(2)エレベーター内の照明を明るくする(3)制服のスカートをスラックスに代える‐などの自衛策を取っていた。

 被害に遭った女性事務職員も、同僚の女性職員とエレベーター前で手をつないで自衛していたが、都築容疑者から引き離され、エレベーター内に1人で連れ込まれたという。

=2007/11/14付 西日本新聞夕刊=