光市母子殺害事件について語る佐木隆三さん

光市母子殺害事件について語る佐木隆三さん

 西日本文化賞を受賞した作家の佐木隆三さん(北九州市立文学館館長)が6日、福岡市中央区舞鶴2丁目の市立少年科学文化会館で「少年犯罪の風景」と題して講演した。

 講演会は、福岡市人権尊重推進委員会が主催する「人権を尊重する市民の集い 一人ひとりの命と人権」の1つ。満席の約750人を前に、傍聴を続ける山口県光市の母子殺害事件の裁判で感じたことなどを語った。

 佐木さんは、事件の概要や裁判でのやりとりを詳細に説明。「取材者として、遺族に過剰な思い入れをせずに冷静に裁判を傍聴しないといけないが、差し戻し裁判での元少年の新たな主張を聞いているとたまらない気持ちになる」と思いを吐露。「亡くなった人が裁判で再び侮辱され、遺族が苦しめられている」として、「犯罪被害者、遺族の人権に思いをはせてほしい」と訴えた。

=2007/12/07付 西日本新聞朝刊=